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RMT のどこがいけない?(2/2)
著者: 神谷 健 プリンター用 記事を転送
▼2006年9月29日 11:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
前回は日本のオンラインゲームにおける RMT(Real Money Trade)の概略を述べたが、今回は、実際にオンラインゲームをプレイするユーザーが、RMT についてどのように考えているか、自主調査の結果を元に述べていきたい。調査は、各タイトルに偏りのないよう様々なオンラインゲームのユーザーが利用するコミュニティサイトにて154人から協力を得た。
「あなたがこれからプレイしようとしているゲームが、 RMT 容認サーバーと RMT 禁止サーバーに分かれていたとします。あなたはどちらのサーバーに行きますか?」という問いに対しての結果は、容認サーバーを選択しているユーザーが27.3%、禁止サーバーを選択しているユーザーが73.7%となった。
選択した理由を聞くと、禁止サーバーを選択した人の中には、「最初は RMT 禁止サーバーでゲームの雰囲気などを見たい」といった意見が見られた。容認サーバーを選択した人の大半は、「RMT に対するルールなどあること」「狩場(マップやモンスター)の独占や不正ツール使用などの問題への対応」などといった条件を挙げている。
続いて、「あなたがこれからプレイしようとしているゲームが、RMT を全サーバーにて解禁する(利用規約で禁止しない)場合、あなたはどうしようと思いますか? 」という問いに対しての結果は、RMT を利用してみたい人が19.5%、ゲームはするが利用したくない人が59.7%、ゲームそのものをしない人が20.8%となった。
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ただし、RMT を利用してみたいという人でも、今すぐ始めたいという意見は少なく「ゲームをやめる時にこれまで手に入れたアイテムが売れたら嬉しい」程度であった。RMT を反対する人の中には、「ゲームを楽しむものではなくお金稼ぎの対象にしてしまう」、という危険性を指摘する意見があがった。ほかに「RMT によってゲームバランスが崩れる」、「ゲームユーザー間でのトラブルなどが起こる」ことについて、問題視している。
一見すると「禁止サーバー」を選択した人が73.7%と RMT に反対している人が多いと考えられる。しかし、RMT を解禁する場合において、「禁止していないゲームをしない」を選択した人は20.8%となっている。RMT を肯定している「ゲームマネーを販売・購入してみたい」を選択した人は、19.5%となっていることから、大半の人は RMT に対して意見を持っているが、具体的な行動を示さない“日和見ユーザー”であると考えられる。
では、ユーザーが考える具体的な RMT の問題点とはなにか。要因が多種多様に考えられる内容の場合、設問肢を設定することにより、出題者の意図が介入される恐れがある。それを回避するため、ユーザーに、RMT に関する考えを自由に書いてもらい、そこからキーワードを抽出し、分析を行った。この手法をテキストマイニングというが、今回は話題がずれるので詳しい説明は避ける。
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もっとも多い意見としてあげられたのは、「RMT によるゲームの面白さ・醍醐味がなくなる。ゲームがゲームでなくなる」で、ゲーム世界はゲームの中で完結すべきであるという考えである。また、「RMT 利用者、非利用者の公平性やゲーム内経済などのバランスが崩れる」、「マップやモンスターの独占などゲーム内でのノーマナー行為」、「BOT・Dupe(チート)などの不正行為が助長される」などのゲーム内のバランスやいなどの意見も多く見られた。「社会人など時間がない人が買うニーズがある」や「ひとつのプレイスタイルである」という肯定する意見も少なくない。
同様の内容を、別の調査で RMT 利用者にも聞いてみたことがある。結果は、「ゲーム内のバランスや争い」という面では共通しているものの、「詐欺行為などの不安・取引に関する争い」が次いで多くなった。
これらの調査の結果、RMT に対する問題意識において、一般のユーザーと RMT を利用するユーザーでは、オンラインゲーム上での不正行為に対する、共通の認識を持っているものの、異なる認識を持っていることが分かった。一般ユーザーではゲーム性の喪失、RMT 利用ユーザーでは取引に対する障害や不安を示している。このように考え方に相違のあるユーザーが一つのゲームの中に混在しているため、問題を引き起こしているものとも考えられる。
2回に分けて RMT について概略とユーザーの視点とで述べてきたが、筆者が考える RMT の将来像を述べて終わりたい。RMT は未解決な問題を多く抱えているが、新しいビジネスモデルとして考えるならば、まだまだ萌芽期に伴う事象ではないかと思う。そもそもゲームは、ストーリー、音楽、映像、システムの複合コンテンツある。質的にも、2Dから3D、そして重量感のあるグラフィックへ進化している。ユーザーのコミュニティに関しても、フラットから階級制度へとよりリアリティを増してきている。もはや、MMORPG(Real Money Trade)型オンラインゲームは、一つの仮想現実社会といえるだろう。それらを国家と例えるならば、RMT は現実社会との為替行為だと考え方もできる。
今後、RMT に関してオンライン上だけに留まらず、現実世界においても様々な影響を及ぼしていくであろう。オンラインゲーム発の仮想国家樹立も空想物語ではなく、近い未来、現実のものとなるかもしれない。
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