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2009年7月4日
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Webビジネス2006年12月28日 10:00

検索業界はサーチ ディバイドをどう克服するのか

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2006年も残すところあとわずか。検索業界にも多くの話題があった1年だったが、今年ほど Web 検索というサービスに注目が集まった1年はなかっただろう。

Web 検索や検索エンジンマーケティングをテーマにした書籍の出版点数は、間違いなくここ数年で一番多かったはずだ。筆者がよく足を運ぶ都内の大型書店でも、店内の一画に検索関連の書籍を集めたコーナーも設けられていたほどで、いかに検索ビジネスが多くの人の関心を集めたのかを実感させられた。

しかし、こうして検索に対する一般生活者の認知度が高まり、検索が社会に広く深く浸透してくるにしたがい、そこには「サーチ ディバイド(※1)」という新たな問題も発生しつつあるのではないかと感じられる。

つまり、現代人にとって検索が生活していく上で不可欠なサービスになればなるほど、検索の習熟度の差はさまざまな場面で有利にも不利に働くのではないか。例えば、仕事で必要なデータを探し出す際、家庭で生活に役立つ情報を引き出す際、検索の習熟度の差によって情報を探し出す時間や探し出せる情報の質は大きく異なってくる。

Web 検索サービスはインターネットにさえ繋がれば、誰でも広大な Web 上から必要な情報を探り出すことを可能にした。しかし、裏を返せばこれまでは知識の差で優劣が決した世界に、検索の習熟度という新たな物差しを登場させたといえるのではないだろうか。

さきほど、検索関連書籍の出版点数が増加していることを取り上げたが、検索テクニックだけを扱ったマニュアル本も多数出版されている。こうしたことも、「サーチ ディバイド」という新たな問題を危惧した社会の自発的な防衛策と見ることができる。

しかし、検索サービスにとっては、こうしたマニュアル本などでユーザーが検索技術を磨くことだけに期待していても進歩がない。また、検索の習熟度の差によって情報を探し出す時間や探し出せる情報の質に大きな差が生まれるというのも、検索ビジネスの発展にとって必ずしも良い傾向とはいえない。

そこで、検索サービス提供会社もそれぞれに「誰もが使いやすい検索サービス」を目指して、日々研究を行っているのが現状である。

検索窓にキーワードの一部を入力すると、キーワードの候補を自動的に表示する Yahoo!Japan の「キーワード入力補助機能」や、同様の機能をもつ「Google サジェスト」「goo サジェストβ with ATOK」など。そして、各社が提供する特定の情報だけを検索するのに特化した画像検索や動画検索、地域検索、Blog 検索など。

さらには、「Yahoo! Next」「Google Labs」「goo ラボ」など、各社が運営する新サービスの実験サイトでは新たな検索技術がβ版サービスとして提供されている。今後は、こうした各社の取り組みから生まれた機能・サービスがより Web 検索サービスを使いやすいものに変えていくことは間違いないだろう。

そして、考えてみればそもそも検索はいつまでも検索窓にキーワードを入力するという形にこだわる必要もない。例えば、携帯電話であれば、その機能を活かして音声で問いかける検索ということも考えられる(※2)。また、画像検索といえば、これまで画像に結び付いたテキストデータだけが検索の判断基準となっていたが、画像認識技術を活用した 米 Riya 社の「Riya」「Like Visual Search」といった検索サービス、ユーザーがスケッチした絵に近い写真を探し出す「retrievr」などの技術も今後の発展が期待される。

こうして見てみると、検索サービスは技術的にはまだまだ発展途上のサービスということができるだろう。つまり「サーチ ディバイド」を克服するためのブレイクスルー(突破口)はこうした技術革新が進めば、決して難しい問題にはならない。

2007年以降、技術者の努力によって検索技術がさらなる進化を遂げ、「誰もが使いやすい検索サービス」に少しでも近づき、それら検索サービスの進化によってさらに便利な社会が訪れるなら、おのずと検索ビジネス自体も拡大していくのではなかろうか。そのために、我々検索ビジネスに携わる者一人ひとりが、微力ながら何ができるのかを考えつつ、気を引き締めて新たな年を迎えたいものだと思う。

※1 筆者の造語。インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者の間に生じる情報格差のことを「デジタル ディバイド」といい、広義的にはこの情報格差が生み出す経済格差のことも意味する。「サーチ ディバイド」とは、これを検索の習熟度の格差によって生じる問題になぞらえたもの

※2 検索ポータルサイト「goo」を運営するNTT レゾナントは、携帯電話による音声入力の実証実験「スピーチ アシステッド サーチ」をすでに過去に二度実施したことがある

(執筆:R&Dグループ 市川伸一)


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