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Webビジネス2007年9月20日 09:00

SEO のキーワード選びにマーケットイン発想を

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つい先日、ある企業の社長 Blog を読んでいて、SEO(検索エンジン最適化)コンサルティングに批判的なコメントを目にすることがあった。

気になった点だけ要約すると、「お金を払ってまで SEO なんてやる意味はない。なにしろ、自分たちが上位に表示されたいと思っている「○○○」や「×××」というキーワードでは、自分が少し手を加えただけで、すでに検索結果の上位に表示されているのだから」というもの。

これを読んで、「ああ、またキーワードの選定ミスか」と思ってしまった。なにしろ、ここで取り上げているキーワードは少し調べればわかるほど、誰からも検索されないキーワードだ。

検索されないキーワードで上位表示しても、通行人のいない場所に広告を出すようなものでまったく効果がない。そして、効果がないから、そのキーワードで意図的に SEO を行なっている人など存在しない。

検索エンジンの表示順位というものは競合ページとの相対評価で決まるので、このように検索されないキーワードの検索結果に上位表示することは、さほど難しいことではない。いや、正確に言えば、むしろこれほど簡単なことはないと言えるだろう。

しかし、ここで筆者が問題だと感じるのは、この社長が検索されないキーワードで SEO をやったつもりになっている、という表面的な問題ではない。それ以上に、この話を聞いただけで、企業の戦略を主導する立場にある人間が、まったくビジネスの潮流をとらえていないのではないかという根深い問題が気になった。

マーケティングの世界では、「プロダクトアウトからマーケットインへの転換」という言葉が頻繁に聞かれる。大量生産・大量消費の時代であれば、企業側の都合で製品を作り、売り方は後で考えるという「プロダクトアウト」型のマーケティングが通用したが、今は消費者のニーズが多様化している。だからこそ、消費者のニーズを重視して製品を作る「マーケットイン」という発想が重視されている。

とくに、ユーザーが自主的に検索を行なう検索エンジンを舞台とした SEM(検索エンジンマーケティング)では、この視点は欠かせないものだ。キーワード選びひとつとっても、消費者のニーズを意識した視点が重要になる。「自分たちが上位に表示されたいと思っているキーワード」を起点に考えても、ユーザーがそのキーワードを検索してくれないことには効果は出ない。

かと言って、もちろん検索数が多ければそれでいいということでもない。それは、消費者のニーズがあっても、商品が絶対売れるわけではないのと一緒だ。消費者のニーズがあり、自分たちのビジネスを言語化したところにこそ SEO を行なうべきキーワードはある。

ちなみに、筆者は SEO のキーワード選びにおいて、おもに以下の3つの指標を重視している。

・ ユーザーのキーワード検索需要
・ クライアントのビジネスとキーワードの関連性
・ 競合サイトとの比較によるキーワードの SEO 難易度


いわゆる3C分析(※)という手法になるが、このうちいずれかの視点が抜けても最適なキーワード選びはできないだろう。

そして、一般の方はたかだかキーワード選びに過ぎないと思うかもしれないが、失敗する SEO の多くの原因がキーワード選びにあることを忘れないでほしい。

最後に余談になるが、SEM コンサルタントとしてこれまで多くの企業を見てきたが、不思議なもので、企業の体質というのはキーワード選びに顕著に現れることがある。例えば、独り善がりなビジネスを行なう企業ほど、キーワード選びにマーケットインの発想が欠如する。

そうした意味では、前出の社長は実際の商売でも「自分たちが売りたい商品」という感覚だけで、ビジネスを展開しているのではないかと心配になってしまう。

※ 顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)の3つの観点で自社のマーケティングを分析する手法

(執筆:コンサルティンググループ 市川伸一)


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