企業向けソフトウェア大手の SAP (NYSE:SAP) が、初の SaaS 製品『Business ByDesign』を発表した翌日の20日、同社が最も喜ばせたいと望んでいたアナリストたちから、全く乗り気でないとしか言いようのない反応が早くも上がってきた。
SAP の CEO (最高経営責任者) Henning Kagermann 氏は19日、「(Business ByDesign は) 私がこれまでに行なった中で最も重要な発表だ」と語っていた。
その理由は簡単に理解できる。
今年 Kagermann 氏は、2010年までに SAP の顧客総数が3万9000社から10万社以上に増加するという強気の見通しを示し、株主たちに好印象を与えた。同氏は、その増加分の多くが中小企業 (SMB) だと述べていた。そしてその SMB 市場こそが、SAP がこれまでに推定5億ドルを投じた Business ByDesign で取り組もうとしている市場だ。
証券会社 Cowen and Company の株式アナリスト Peter Goldmacher 氏は、SAP 株に対する格付けを「平均以下」に据え置いた。同氏は、SMB 向けソフトウェア市場には多大な機会があるとした SAP の判断に同意しつつも、次のように述べた。「この製品 (Business ByDesign) が、いかにして大きな売上増や利益率改善の牽引役となるのか理解に苦しむ」
Goldmacher 氏はさらに、「この製品とソフトウェア配布モデルが、いずれ SAP のよりハイエンドな製品と競合するかもしれないと懸念する」と述べた。同氏は、Business ByDesign について、「中規模企業市場、中でも高度な業種別専門性を必要とするローエンドの中規模企業市場に売り込むには、業種横断的に過ぎる」かもしれないとの見解を示した。
また調査会社 Gartner の企業向けソフトウェア担当アナリスト Dan Sholler 氏も、2010年までに顧客総数10万社 (しかも増分の大半が SMB) という SAP の見通しについて、最良シナリオを前提にしたものだと厳しい見方を示している。