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Webビジネス2007年11月15日 09:00

キッズ市場におけるインターネットビジネスの可能性

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昨今、日本では少子高齢化が進み大きな社会問題となっている。総務省によると65歳以上の人口は約2,744万人で、総人口に占める割合は21.5%。今後も高齢者人口は増え続け、高齢化率は2050年には35.7%に達し、国民の3人に1人が65歳以上の高齢者という極めて高齢化の進んだ社会の到来が見込まれている。

そうした社会背景を受けてか、多くの企業が確実に成長が見込まれるシルバー市場に次々と参入している。筆者が身を置くインターネット業界も例外ではなく、高齢者層を主なターゲットとしたサービスが数多く誕生している。

しかし、インターネット業界に絞って見た場合、今後わずか数年のうちに高齢者人口の増加による市場の急拡大といったインパクトは他の業界ほど期待できないのではないだろうか。

なぜなら、総務省が発表した「平成17年通信利用動向調査」によれば、年代別のインターネット利用率を見ると、60歳以上の利用率(65〜69歳で42%、70〜79歳で19.3%、80歳以上では7.2%)はここ数年伸びてきているものの、他の世代の利用率(10代〜40代では各世代ともに90%以上)にはまだ大きな開きがあるためである。

インターネット業界においては注目の集まる高齢者市場を注視しつつも、もう一方で新しいマーケットの創造と早期でのユーザーの囲い込み、新規ユーザー獲得のための啓蒙活動といった動きがなくてはならないと感じている。

そうした視点から見ると、高齢者市場と比べて人口としては縮小傾向にあり軽視されがちなキッズ市場にも注目すべきではないか。そこで、今回はキッズ市場に対する業界各社の取り組みやビジネスチャンスについて考えてみたい。

総務省が2007年に発表した推計人口の概算値によると、15歳未満の子供の数は昨年より14万人減って1,738万人。26年連続の減少で、国勢調査が始まった1920年以降の過去最少を更新し、少子化が進んでいる実態を裏付けている。

しかし、一方でインターネットという視点でその層を見た場合、15歳以下のインターネット利用率が増加傾向にあり、インプレス R&D が発行する「インターネット白書2007」ではインターネット利用者の約1割が中学生以下というデータが公開されている。つまりインターネット利用は低年齢層に広がりつつあり、ハイテク犯罪の脅威といったマイナスの側面はあるものの、その層のユーザーをいかにして早期で囲い込むかがネット業界各社の今後のビジネス展開において重要なポイントとなるだろう。

キッズ市場への取り組み例として、まず日本におけるインターネット業界の代表企業であるヤフー株式会社の取り組みを見てみたい。

同社では「Yahoo! きっず」という低年齢層向けポータルサイトを1998年に立ち上げている。同サイトでは、利用者当人である小中学生向けの情報だけでなく、家庭や教育現場での浸透を図るため、保護者や学校関係者向けにインターネット利用の危険性を含めたさまざまな利用のメリット、デメリット情報を配信するなど幅広い啓蒙活動を展開している。

コンテンツとしては教育分野を中心に低年齢層の利用者が興味を持つであろうものを中心に集め、「ちょボット」というキャラクターをサイト内やテレビで露出し、キャラクターグッズを展開するなどキッズ市場に対する意気込みが感じられる。

他社の例ではニフティ株式会社の「キッズ @NIFTY」、NTT レゾナント株式会社の「キッズ goo」、NEC ビッグローブ株式会社の「BIGLOBE スタディ」などがあり、各サイトともにさまざまなコンテンツ、キャラクター、プレゼントなどを駆使し、ユーザー獲得のための充実が図られているといった状況である。

こうした各社の動きを見る限り、いずれもインターネットユーザーの低年齢化に加え、これまで同業界のメインターゲットとなり支えていた中間層(20〜30代)の人口減少にともなう収益源の縮小傾向を想定し、インターネット初心者の新規ユーザーの獲得、囲い込みに関して重要性を感じていることは想像に難くない。ただそういったサイトは作るものの、使い手自身である子供はもとより、教育現場や保護者に対しての浸透度、認知度としてはまだまだこれからといった現状もうかがえる。

情報の受け手となる保護者からすれば、教育現場におけるパソコンの導入など、インターネットとは切り離せない現状において、子供たちにとってより良いインターネット環境を整備する意識を持たざるを得ない。

学校側としても教材としてのインターネット利用や、生徒がハイテク犯罪に巻き込まれる可能性が急増している社会背景を踏まえ、生徒に正しいインターネット利用環境を指導する役割のひとつとして安全な子供向けポータルサイトへの関心は高まっているはずである。

つまり需要としては確実に存在していることが推測できる。しかし各社ともに現状苦戦が強いられているように感じ取れるのはなぜであろうか。

筆者は情報、サービスの送り手と受け手を繋ぐもの、受け手側での認知が大きく不足しているのではないかと考えている。

例えば、保護者が検索するであろうキーワードでの子供向けポータルサイト利用者と保護者、学校関係者をターゲットとした検索連動型広告の出稿、学校関係者が常時目にするであろう媒体、サイトへのコンテンツ連動型広告配信などが効果的であると推測される。

さらに出稿キーワードとしては、塾、学校、教材など教育関連やハイテク犯罪、防犯グッズ、フィルタリングソフトなどセキュリティ関連と親が子供のインターネット利用シーンを想定し危惧される分野にまでおよぶものと想定できる。また、本格的なインターネット利用の一歩手前を想定したニーズ、マーケットに対する PR 活動、仕掛けも必要であると考えられる。

親たちはいきなり本物のパソコンの購入、利用の場を子供たちに提供することは少なく、その一歩手前で遊びながらパソコンに親しむことのできる機能で価格も本物のパソコンの縮小版である「キッズ(子供向け)パソコン」を同分野への導入部として想起するのではないだろうか。

玩具業界においてもここ数年幼児向けのパソコン需要の伸びとともに「キッズパソコン」のジャンルが確立。参入メーカーの増加とともに、機能、質の充実が年を追うごとに図られている。

それらの商品における標準装備や告知、キャンペーンなど玩具メーカーなどとのコラボレーションで浸透を図る仕掛けも重要ではないか。

つまりキッズ市場におけるインターネット関連ビジネスについては潜在需要は確実に存在してはいるものの、その需要を掘り起こし、喚起するために検索連動型広告やコンテンツ連動型広告といった広告を効果的に活用し、リアルの現場においても様々な仕掛けを行っていく必要がある。そして情報の受けて側の認知度を向上しつつコンテンツの充実を図っていくことが利用者獲得の近道であると考えるのである。

(執筆:コンサルティンググループ 山下和彦)


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