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2009年7月4日
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Webビジネス2008年2月21日 10:00

使えないベンダーとの付き合い方

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「お買い得ですよ!」

筆者は、最新の素晴らしいソフトウェア製品を売り込むセールスレディーの声の調子を聴きながら、実際どこまで得なのかを考えていた。

われわれが資料請求を出したところ、多数のベンダーが自社製品の情報を送ってきた。そして、候補を2製品にまで絞り込んだところに、見事な動きのデモや、われわれが抱える問題をすべて解決する製品ロードマップまで用意された非常の手の込んだ宣伝資料が魅力的な言い回しの宣伝文句とともに送られてきた。

われわれが必要とするものすべてを満たすベンダーは1社もなかった。そこで、コインでも投げて決めることにした。失敬、実際はそんなことはしなかったが、率直なところ、そうしていれば良かったかもしれない。両製品の仕様(そして約束している内容)はかなり近かった。しかしそのうちの1社が、選択基準がほぼ同じであることを考えると拒否できない「価格」を提示してきた。

だがよく言うように、そんなうまい話はないのである。

結果論になるが、筆者の第六感では、このベンダーとのやりとりではあまりよい印象を持てなかった。筆者には口先だけのように思えた。問題だったのは、もう一方のベンダーが残りの懸念を払拭するきっかけを作らなかったことだった。

取引の決め手となったのは、われわれの経営陣のなかの1人が、価格を下げた方のベンダーの最高経営責任者(CEO)と一緒に仕事をしたことがあり、ゴルフ仲間だったことだった。ゴルフつながりで彼らの有利な方向に流れが決まった。筆者が学んだのは、きわどい判断は関係できまるということだ。率直に言って、多くのあまりきわどくない判断も関係で決まる。

これは悪いことだろうか? 結論はまだ出さずに、とりあえずこの判断がどのような結果になったかを見てみよう。

筆者が持っていた感触で1つだけ良かったのは、デモのために来社した優秀なエンジニアだ。この人物は、(はったりではなく)豊富な知識を持っており、われわれが抱えていた課題を本当に理解しているようだった。

だが、契約書に署名をしたときからおかしな展開になっていった。そのベンダーはすぐに作業を開始することを約束したが、1週間してもベンダーのインプリメンテーションチームから連絡がなかった。そこで、われわれの技術チームのトップが「お買い得ですよ」のセールスレディーに電話をした。同氏は非常に申し分けなさそうに、その日の内にだれかに連絡をさせると約束してくれた。だが、2日後、インプリメンテーション担当のマネジャーが電話をかけてきて、翌月いっぱいまで思いのほかスケジュールが詰まっていると説明してきた。

開始日は、口頭ながら確約をもらっていた。だが、それを契約書に入れていなかったのだ。

恥ずかしい限りだ。

契約してから6週間が経過してようやくインプリメンテーションが始まった。ベンダーからはエンジニアが1人来て作業を開始した。だが、まだ高校生ではないかと思えるようなエンジニアが来ただけでなく、デモの時に好印象を持ったエンジニアの姿はどこにも見あたらなかった。そのエンジニアをインプリメンテーションに立ち会わせることを約束しながら、典型的なおとり商法に引っかかってしまったのだ。そう、これもまた契約書には書かれていなかった。

またしても恥ずかしい限りだ。

この童顔のエンジニアは、環境設定だけで最初の2日間を費やした。ベンダーはインストール前のチェックリストを提供していなかったので、サポートするソフトウェアのどのバージョンが必要なのかは分かっていても、OS、アプリケーションサーバー、データベース、そして各種セキュリティコンフィギュレーションが必要とする具体的なサービスパックや設定は分からなかった。

3日目にはテスト環境へのインストールが完了した。ただ、本番環境には厳密なコンフィギュレーション管理プロセスを経由せず手当たりしだいに設定を変更してソフトウェアをアップグレードできないという問題があった。そこでわれわれは、数週間後に改めて本番への移行を予定してもらうことになった。

この時点で、われわれのスケジュールは1か月以上遅れており、営業部門のマネジャーたちはいら立ちを見せ始めていた。

幸いにも、本番環境への移行はスムーズに進んだ。少なくとも、われわれにはそう思えた。だが、インプリメンテーションから1週間ほどすると、おかしなことが起こり始めた。そして結局は、われわれがサポートしているものと仮定していたオープン標準をベンダーがサポートしていないことが分かったのだ。

われわれは実際のところ、この製品は標準に完全準拠している、と彼らが言ったように思った。しかし、マニュアルを初めから読み直してみると、標準の「趣旨」しかサポートしていないことが明確になった。カマボコばかりで肉が全く入っていないカニ「風味」サラダを注文したようなものだ。そう、この製品も結局はカマボコばかりで肉はほとんどなかったのだ。

恥の上塗りも良いところだ。(もしかすると、本稿の題名も、「使えない顧客が使えないベンダーを横行させる」にしたほうが良いかもしれない。)

もちろん、「お買い得ですよ」のセールスレディーは、標準を完全にサポートするとは言っておらず、年末までには完全にサポートすると言っただけだと言う。何とも「お買い得」な話である。

一度約束したというのに、いら立ち始めた営業部門のマネジャーたちにはこの失敗をどう説明すればよいのだろうか?  ところが、敗北を認める前に幸運な変化があった。

ゴルフ仲間の話を覚えているだろうか?そう、ここでそれが役に立った。われわれの幹部が彼らの幹部とゴルフに出かけると、そのベンダーは魔法のように準拠予定日を大幅に前倒ししてきたのだ。

これでお分かりだろう。このゴタゴタを引き起こした関係が、その修正に一役買ったのだ。しかし、それでわれわれの最初の判断も優れたものになったと言えるだろうか? 

もしかすると、ほかのベンダーではまた別の問題に遭遇していたかもしれない。また、しっかりした個人的関係がなかったら、解決が困難もしくは全てが破綻したかもしれない。

契約段階でもっと周到な作業をすべきだったし、製品のソフトの部分をもっと掘り下げて調べておくべきだったことは認める。しかし結局は、幹部レベルでベンダーとの関係を構築しておくのは極めて大切なことだ。ベンダーを選択する前に関係に重点を置くのはビジネス上非常に理にかなったことだ。

そして結局、ベンダーの最終的な判断を下すときに、忙しい合間を縫って1日の終わりにハーフを回るのも筋が通っているのかもしれない。

お偉方がゴルフをする理由がまた1つ増えたようだ。

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