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サーチブランディングとは何なのか検索連動型広告といえば、「検索窓にキーワードを打ち込んだ後に、検索結果に表示される広告」というものとして一般的に浸透してきている。そして、利用動向といえば、(Web での)ゴールに近い役割であるがゆえに、CPA や ROAS の追求ばかりが目的となっているケースがほとんどだ。
そんななか、検索連動型広告の概念、プロダクト側の概念はどんどん拡がっているのをご存知だろうか。 ■2つの潮流 現在、検索連動型広告を取り巻く状況としては、大きく分けて2つの潮流がある。 1つは、ROI 追求のための環境の進化 (広告プロダクトそのものの進化、解析や最適化ツールの進化、それらを利用したノウハウの進化) 2つ目は、検索連動型広告という概念を拡げる“プロダクトの”進化 である。こう2つの方向性があるなか、検索連動型広告というものに対しての見方が、ROI の追求ばかりに偏り過ぎていないかどうかが、いま、ターニングポイントといえる状況になっている。 ■ROI の追求とその課題 まず、主流である ROI 追求という方向性に関してだが、もちろん、それはそれで重要なのだけれども、詳細を深堀りする(できる)という状況であるがゆえに、検索に至るまでのプロセスに対して盲目的になってしまわないよう注意することが必要だ。 ・ROI 追求における施策は、手法は進化すれども、購買プロセスにおける末端に近い部分に限った施策にすぎないということ ・何らかの施策により CVR が5%→6%に上がったという時、1ポイント CVR を上昇させた意義は確かにあるのだが、ベースの5%という数値は、Web サイトに至るまでのプロセスとしてあった様々なコンタクトポイントによる貢献数字であるということ 短期的な収益の追求に偏りすぎると、長期的には獲得数の規模がだんだんと縮小していく恐れもあるという点は重々留意しておきたい。検索連動型広告の成果に目を奪われて、他メディアでの予算を減少していった結果、年間推移でみると社名での検索回数が減少、メインキーワードでの CVR が低下、といったような問題もその一例だ。 では、もう一方の潮流に関しては、どう向き合っていけばよいのだろうか。 ■「サーチは点ではない」という考え方 ROI 追求の環境が進化する一方で、プロダクトにおいては、検索連動型広告という概念を拡げる進化を見せている。 その代表的な存在が、一般的にはコンテンツ連動型広告という括りとされるが、基本的には生活者の情報収集ファネルの過程を捉えるものであり、考え方としては検索連動型広告の延長といえる Google のコンテンツターゲット、プレースメントターゲットというプロダクト、そしてガジェット広告というフォーマットだ。現時点でも利用企業はそれなりに多いが、重要なのは、その向き合い方である。 検索窓にキーワードを打ち込む時はあくまでも検索行動の点に過ぎず、特定トピックの Web サイトを見ている状況も検索行動という線の上に立っている。重要なのは、「サーチは点ではない」という考え方と、「生活者の行動プロセスにおける情報収集の行為も点ではない」という認識だ。 これまでは、点の捉え方に注力してきた検索連動広告の利用法だが、検索窓にキーワードを打ち込む前後も含めて、情報収集ファネル全体を“サーチ”と捉え、その行動に思いをはせることができるのであれば、進化するプロダクトの利用方法も自ずと変化してくるであろう。 ■「サーチならではのブランディング」とは? 情報収集ファネルに応じた利用方法、線でのコミュニケーションとなると、必要要素として考えるべきことは、「ブランド競争力を育成していくための投資手法として、検索連動型広告を活用できるのかどうか」、「検索というシチュエーションならではのブランディングを作り出せていけるかどうか」を追求していくことであろう。 そもそもサーチの登場によって、消費行動のプロセスが AISAS や AISCEAS と変化している今、ブランディング手法も消費行動に合わせて変化するものだと考えると、少々乱暴な分類になってしまうが、「マス媒体を主体としたブランディングはコーポレートアイデンティティやマーケティングメッセージを伝えるもの、サーチを主体としたブランディングはユーザーメッセージを伝えるもの」という認識を軸として展開するのが有効なのではないだろうか。 AISCEAS における Comparison(比較)、Examination(検討)の過程で生活者が探しているのはスペックだけではない。ユーザーの生の声、いわゆる Share(共有)情報もその一つであり、当初スペック比較で購入を検討していた商品から、ユーザー情報を得て購入商品を変更したという経験を持っている人も多いだろう。 極端な話、商品によっては、企業の Web サイトに誘導するより、比較サイトに誘導した方がよっぽど CVR が上がるのでは、と思ってしまう例もあるほど、ユーザー情報による購買意欲の喚起、購買後の CS の高まりを感じられる状況を鑑みると、それらのブランドロイヤルティに対する影響力を感じずにはいられない。 サーチならではのブランディングを考えた際、狭義では、「検索という行動に付随してブランド認知、ブランド想起を高めるもの」だとすれば、広義でのサーチブランディングは Share 領域を含めての「(ユーザーメッセージを基軸として)ブランドロイヤルティを共有させ、高めるもの」と括ることで、検索連動型広告の新たな利用法はもとより、検索行動の流れに沿って存在する各種広告やマーケティング手法の可能性が見えてくるのではないだろうか。 そういった面から考えると、もはや検索連動型広告の従事者には、「今どうするのか」という目先の結果としての即効性だけを注視するばかりではなく、「将来をどうデザインしていくのか」を見据えた戦略を組めるかどうかが問われるようになってきている。 プロダクト側の概念はどんどん拡がっている状況を考えると、あとは検索連動型広告従事者が、購買行動パターンが変化していることの認識とともに、そこから拡がるコミュニケーションの可能性をサポートしていけるかどうかだ。 (執筆:株式会社アイレップ リスティンググループ リスティングチーム チームマネージャー 金田一 確 ) 記事提供:アイレップ
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