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Danny Sullivan が語る検索エンジン進化の歴史と今後の展望 - SMX West 2008参加レポート(1)
著者: 株式会社アイレップ プリンター用 記事を転送
▼2008年3月11日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
去る2月26日から28日の三日間、米カルフォルニアのサンタクララで行われた「Search Marketing Expo West 2008(SMX West 2008)」に参加した。
カンファレンスは朝一番のキーノート以降、多様なカテゴリーのトラックの中から任意のセッションに参加するというスタイルで、サーチマーケティングの入門者から上級者まで自分のレベルに合わせたプログラムを組むことができる。
スピーカーたちによるプレゼンテーション後には必ず質疑応答の時間が設けられ、セッション中にオンラインフォームから質問を投稿すると、モデレーターによってそれが取り上げられ、リアルタイムでスピーカーたちから回答を得ることができるという仕組みを持つなど、スピーカーから講演者への一方通行になりがちな日本の同種のカンファレンスとは大きく仕組みが異なる。
これらの旬なセッションに加えて、カンファレンス参加者限定の SNS や、ネットワーキングのためのパーティーなどが用意されており、サーチマーケティングに携わる様々な人々との交流を深めることも可能だ。
本コラムでは今回参加したセッションの中で優れた内容のものや、カンファレンス参加者から得た情報などを取り上げて連載していく。まずは開催初日に行われたカンファレンスの主催者である Danny Sullivan 氏のキーノートセッションから紹介したい。
Sullivan 氏はこのカンファレンスのキックオフとして「Search 3.0, Search 4.0 & Beyond」というタイトルで検索エンジンの成長をソフトウェアのバージョンアップにたとえ、5つの世代に分類した上で、その過程について説明するとともに今後の展望について話した。
最初に検索エンジンの第1世代となる Search 1.0、第2世代の Search 2.0 ではこれまでの歴史について説明した。そして各検索エンジンによる Blended Search、ユニバーサルサーチの導入よって現在到達した Search 3.0 の時代、パーソナライズドサーチやソーシャルサーチの発達によって来たるべき近い将来を Search 4.0 として示した後、最後に Search 5.0 として検索エンジンの未来について言及した。
Search 1.0:
最も初期の検索エンジンの時代。当時は検索精度が低いために Web マスターは簡単な操作を行うだけで容易に検索結果順位の操作が可能であった。そのため様々なスパム行為が行われていた。
Search 2.0:
Google の登場により、Web サイトの重要度を示すページランクが導入され、検索結果順位において外部リンク要因が考慮されるようになった。この技術により Web マスターたちは検索エンジンを騙すことが容易ではなくなったが、それでもなお、自分たちの利得のためにリンクを意図的に操作し続けた。
Search 3.0:
検索エンジンは通常の検索結果ページでは様々な検索意図を持ったユーザーに対応できなくなったため、特別なデータベースから検索語に対して関連性の高い画像や動画、ニュースなどの適切なタブを表示するようになった。
これにより検索結果ページに動画やニュース記事などが混合して表示される Blended Search(Google のユニバーサルサーチに相当)が新しく追加され、ユーザーはトップページに戻って再度検索するという手間がかからなくなった。
例えば Google のユニバーサルサーチではユーザーの検索語に対して地図情報や動画、書籍などの各バーティカルエリアとの関連性を比較し、適切な検索結果を表示する。
例えば「Santa Clara hotels」と検索すると、検索結果上に10のホテル名が Google マップの右側に表示される。この他にも特定の商品名を検索すれば Google 商品検索のリストが表示され、ミュージシャン名であれば You tube の動画が検索結果にサムネイルとともに表示される。
Sullivan 氏はユニバーサルサーチの可能性は無限大であるとして、Search 3.0 の時代では Web マスターはページランクのみにとらわれずに、まだ競争が少なく成長の余地があるバーティカルエリアに注力すべきであるということを強調した。
Search 4.0:
Search 4.0 ではパーソナライズドサーチとソーシャルサーチの台頭である。パーソナライズドサーチはまだ Google のみの対応であるため、検索エンジン業界全体がそこへ到達したとは言えない。
これは iGoogle の個人ページのコンテンツや Google ブックマークでブックマークしている Web サイトの内容、過去の検索・閲覧履歴等を加味して各個人の検索スタイルに合わせた検索結果に変えることができる。
すでに Yahoo! によって発表されているソーシャルサーチは、SNS などで作成されたユーザープロフィールであるソーシャルグラフと検索結果を掛け合わせ、検索ユーザーに合わせて検索結果を変えるものである。
例えば SNS 上で自分の友人が何を検索したか、どんな Web サイトを訪れたかによって検索結果を再調整できるのだが、この問題はSNS 上で「友人」とされている人々が「本物の友人」ではない場合があるということだ。
Sullivan 氏はこの問題に対応するための施策を検索エンジン側に示すとともに、マーケター側にはソーシャルメディアの重要性を説明し、SMM(ソーシャルメディアマーケティング)と SEO の親和性について強く示した。
Search 5.0:
Sullivan 氏は Search 5.0 で新しいコンセプトの検索エンジンを紹介するとともに、検索結果順位決定へ人間のエディターが介入することを予測した。
Mahalo などの検索エンジンは、未発達であるものの検索語によっては良い結果を表示している。また、Hakia はエディターを使う検索エンジンではないが、検索語の意味を解釈してカテゴリー分けを行う非常に優れた検索エンジンであるため、今後はこのような「人」を中心に置いた検索エンジンに人気が集まるだろうということを示唆した。
最後に Sullivan 氏は米 Microsoft による米 Yahoo! の買収提案の件や、動画版 AdSence などの最新のトピックについても触れ、より深い内容はカンファレンスでの各セッションへ委ねるとして導入部を話した。彼のプレゼンテーションは非常にパワフルで、この素晴らしいカンファレンスの始まりに相応しい内容であった。
これまで検索エンジンは急速な成長を経てきており、今では多くの人々の生活の一部として欠かせないものになっている。検索ユーザーのリテラシーは過去に比べて非常に高まり、検索意図は多様性を極めている。
一見して、既存の検索エンジン側は様々なデータを用いて検索ユーザーの利便性向上へ向けた開発を進めているが、すべてのユーザーに適した結果を表示させることは困難である。そのため Sullivan 氏が Search 5.0 で示したように、人知を介入させた新しい検索エンジンにユーザー側がシフトしていくということは確かに納得できる。最終的に行き着く先はユーザー側に委ねられていくのだろう。
この他にも将来の検索エンジンについて他のキーノートセッションで様々な議論がなされたので、検索業界の重鎮たちによる考察を改めて紹介する予定だ。
(執筆:株式会社アイレップ ビジネス推進チーム 岡本博之)
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