このようなものの購入者や用途はだれも監視していない。Gartner などの各種調査会社も、ほかの電子機器のような売上やトレンドに関するレポートを公表していない。通常、スパイ用ガジェットは主要技術メディアも Blog も「レビュー」を行わないし、メディアに大規模な売り込み攻勢をかけてくる部隊も一切ない。
「The Under Door Remote Viewing Kit」(ドア越し遠隔表示キット)
このカメラは、ドアの下から滑り込ませて反対側にあるものをビデオでのぞけるようにする装置だ。このデバイスの心臓部は高さ約6ミリのプラスチックの棒に埋め込まれている。カメラを内部に挿入してデバイスを旋回させれば部屋全体を見ることができる。そして、映像はビデオカメラにも同梱のハンドヘルドディスプレイにも流せる。「Night Vision Pocket Scope」(ポケット暗視スコープ)を使えば暗いところでも見ることができる。ただ、価格が掲載されているカタログは見つからなかった(カタログの写真に写っている忍者の衣装は価格に含まれていない)。
Cell Phone Spy Data Extractor (携帯電話データ抽出機)
149ドルのこの USB 接続型 SIM カードリーダをコンピュータに接続し、他人のカードを挿入すれば、電話帳やテキストメッセージ、および発信履歴を含め、その SIM カードの内容を抽出、複製、あるいは編集することが可能になる(この SIM カードを携帯電話に戻しておけば持ち主には分からない)。カタログには「妻や夫、子ども、あるいは雇い主の素行調査が可能」とあるが、必要であれば自分の携帯電話のバックアップや管理にも使える。
Cap Covert Video Camera (帽子型隠しビデオカメラ)
この350ドルの野球帽は、「虫メガネがないと見えない」などとカタログにある小型のカメラレンズを搭載している。別売のデジタルビデオレコーダー(DVR)も購入すれば、歩き回りながら見たものをすべてを録画できる。DVR が帽子内蔵型のため、配線を隠す必要もない。
Cellular Interceptor(携帯電話盗聴器)
少なくともあるカタログによると、この製品は「公用専用」であり、「民間向けには販売されていない」という。実際に購入者を取捨選択できるのかどうか、あるいは単に法的トラブルを回避するための目的でそううたっているのかどうかはだれにも分からない。このデバイスは強力なアンテナとカスタムソフトウェアを搭載した専用のノート PC で、GSM 携帯電話の会話を盗聴することができる。価格はどこにも見あたらない。