| Webビジネス | 2008年3月25日 09:00 |
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検索行動を主軸としたオンライン・オフライン広告の相乗効果 - SMX West 2008参加レポート(3) 著者: 株式会社アイレップ ▼2008年3月25日 09:00 付の記事 □国内internet.com発の記事 洋の東西を問わず、現代の消費者の購買行動プロセスにおいて検索は欠かすことのできないものとなっている。人々は日常的に検索を行い、商品やサービスに関する情報を収集し、十分に比較検討した上で最終的に購買行動へといたる。その流れを広告主側から消費者へ円滑に促すために、日本でもクロスメディアマーケティングとして検索窓付きのオフライン広告をよく目にするようになり、もはやそれが一般化しているともいえよう。 前回に引き続き、2008年2月下旬に開催された SMX West 2008より、Paid Search のトラックから「The Online Offline Synergy of Search」のセッションについて紹介しよう。ここでは検索行動を主軸として、購買意思決定におけるオフラインとオンラインのマーケティング活動の相乗効果向上について議論がなされた。 米 ExactTarget、Agency&Search Marketing VP の Jeffrey K.Rohrs 氏が全体のモデレーターを務め、そして米 Sterling Market Intelligence、Founding Principal の Greg Sterling 氏が Q&A モデレーターを担当した。スピーカーは米 comScore、Search and Media SVP の James Lamberti 氏、米 iProspect、Client Services Director の David Feldman 氏、米 Epiar、Founder and President の Ken Jurina 氏、そして米 Krillion、Co-Founder and CEO の Joel Toledano 氏らが参加した。 まず、最新の調査結果を用いて実際に検索がオフラインでの購買にどのような効果を寄与するのか、またどのように消費者をオフラインの広告から検索へと促し、商品やブランドへ惹き付け、そしてオフラインの購買意思決定へ影響を与えるのかという彼らの主張と提案について説明していこう。 最初に米 iProspect の Feldman 氏が米 Jupitar Research と共同で行った「How Offline Channels Influence Search」という調査結果を紹介した。この調査によると検索ユーザーの67%はオフラインの広告に喚起され、さらにそのうちの39%が購買にいたっているという。 そして彼は米 Priceline.com のテレビ CM を用いて特定のキーワードをすべての広告クリエイティブに含めることの重要性を示した。米 Priceline.com はホテルや航空券などを予約・購入する際に、消費者側から希望価格を提示し、各企業が提供可能な価格で競り落とすという逆オークションモデルのサービスを提供しているサイト。 「Name Your Own Price」(ご自分で価格をご指定下さい)というビジネス特許を取得しており、これをキーワードとしてあらかじめリスティング広告と自然検索結果の両方で一位表示を維持しておき、エンターテイメント性の高いテレビ CM を視聴した消費者を検索へと促し、サイトでのコンバージョン数を向上させている。彼はここでの注意事項として競合他社が類似のキーワードの入札をする、いわば「タダ乗り」に注意を払う必要があると示した。 また、米 Epiar の Jurina 氏はスーパーボウルの CM をケースステディとして、テレビ CM から検索エンジンへ移動した消費者を自社サイトへ流入させる施策が行われている広告主と、そうではない広告主について紹介した。米 PepsiCo の「AMP」というエナジードリンクは、そのブランド名で検索した場合であっても検索結果の1ページ目ですら自社サイトが表示されておらず、キャンペーンサイトも用意されていない。 それに対して同様にスーパーボウルの CM を出稿している女性ランジェリーメーカーの米 Victoria's Secret は、ブランド名で検索されたときにメインサイトやキャンペーンサイトなどの適切なコンテンツが自然検索結果に表示されており、サイトへのトラフィックは従来よりも86%上昇したという。 彼はこのようにオフラインチャネルで広告キャンペーンを行う際には、必ずその着地点となるキャンペーンサイトを構築し、適切なキーワードで検索結果の上位に表示されるように施策を行う必要があると訴えた。 次に米 comScore の Lamberti 氏はと米 Google、米 Yahoo! と行った共同調査の結果について説明し、それらの調査の顕著なポイントとして消費者は検索行動単独では購買意思を決定しないということを示した。まず米 Google との、消費者の家電製品購入に関する調査では、オフラインとオンラインで家電製品を購入した消費者が意思決定する上で影響を受けたものとして、検索がそれぞれ25%と24%で最も多く、ほぼ同数でバナー広告がそれぞれ21%と24%という結果を示し、次いでテレビ CM が23%と21%であった。 そして特定の商品やブランドについて情報を収集し、多数のラインナップから購入する商品を決める際にも、同様にオフラインとオンラインを問わず検索が最も影響を受けるという結果が出た。また、商品に直接触れて色や感触を確かめるといった実店舗での経験が購買意思決定に影響を与えるかという調査において、オフラインでの購入者では69%という割合であるのに対し、オンラインの購入者も49%という高い数値となっている。オンラインでの購入者は実店舗で購入予定の商品を確かめ、価格比較サイト等を通して最も安い価格で販売しているオンラインショップから購入しており、もはや検索が購買行動の一つになっているということを定量的に示した。 また、米 Interactive Advertising Bureau と米 PricewaterhouseCoopers の調査によれば、小売店の全体の売り上げの約50%は検索に影響を受けているという結果が発表された。そのためオンライン上で追跡できる ROI のみを計算するのではなく、オフラインも含めた広告キャンペーンの全体的な ROI を算出するべきであると訴えた。 そしてオフラインマーケターはオンラインの消費者から取得できるデモグラフィック属性のデータを使用して、オフラインでのマーケティング活動のプランニングに役立てていく必要があるとし、またオンラインマーケターには GRP といった従来型のメディアで使用されてきたデータを用いることにより、強力なアドバンテージを得ることができるということを強調した。 最後に米 KrillionのToledano 氏が「クロスチャネルショッパー」に関する調査結果を用いて、インストアピッキングという新しいサービスの発達について発表した。インストアピッキングとは、オンラインで希望の商品を選び、在庫を確認した上で最寄りの店舗へ配送してもらい、その商品に直接触れてから購入することができるというサービスである。 年間最低4回のオンラインショッピングの経験があり、なおかつ年間500ドル以上費やす1,000人の男女を対象に行った調査によると、55%の消費者がインストアピッキングの経験があるという結果が出た。 その理由として、このサービスは店舗への配送料が無料であり、米国郊外のように店舗ごとの距離が離れている場合にわざわざ希望の商品を求めて周るよりもコストと時間の節約となるため、非常に便利なサービスであるということであった。Toledano 氏は今後ますますこのサービスが消費者に利用されていくということを示した。 今回のセッションでも取り上げられたように、消費者はオフラインとオンラインの相互の経験から影響を受け、価格なども踏まえて最適な手段で購買行動を行っている。そのため、マーケターは消費者がそれぞれの広告に接触する場面や時間帯等をよく理解したうえで適切な情報を準備しておき、オフラインとオンラインのどちらであっても設定したゴールを達成できるように施策を行う必要がある。そして両側から得られる様々なデータを分析することによって、お互いのマーケティング効果を向上させることができる。 また、このような消費者の検索行動をよく調査し、そこで得られたデータを統合して調和させることによって前回紹介したペルソナの活用においても非常に役立つ。今後更に多様化する消費者の検索行動と向き合うには、ケータイ文化とともに育った若年層や任天堂の Wii から初めて検索を利用する高齢者など、様々な消費者との対話を繰り返し、それぞれのセグメントについて深く理解していかなければならないという印象を受けた。 (執筆:株式会社アイレップ ビジネス推進チーム 岡本博之) 記事提供:アイレップ
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