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2009年7月4日
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Webビジネス2008年6月13日 13:00

Web のトレンドセッターが語るインターネットの未来

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先ごろメディア専門家を対象にニューヨーク州で行われたMediabistro Circusカンファレンスにおいて、トレンドセッター(ブロガー 、エディタ、Web サイト運営者)らがインターネットの未来について語った。

同イベントは、Wired 編集長の Chris Anderson 氏、Fast Company TV 主任ディレクタの Robert Scoble 氏、そして Blog を運営する Six Apart バイスプレジデントの Anil Dash 氏など、多彩な才能を一同に集めた。彼らが議論した問題の核心となったのは、オンラインオーディエンス(ネット視聴者)の構築方法だった。

このイベントになによりも重要なテーマがあったとすれば、それはオンラインコミュニティの構築、ソーシャルネットワーキングの力の活用、そして「ユーザー生成」(サイト訪問者自身にコンテンツを生成させること)の重要性だった。

要するに、Web サイトを運営するだけでは不十分だというのだ。サイトの成功を持続させるには、ユーザーに、そこが個人的に参加できる共通の目的地だと考えてもらうしかない。議論のなかでは、肯定的な例としても否定的な例としても「Facebook」という言葉が飛び交った。

Wired 編集長の Chris Anderson 氏は、コミュニティ構築プロセスを Web パブリッシングの「至高の目標」だとした。同氏の指摘によると、トラフィックの獲得を期待するサイトオーナーなどはひっきりなしにこの話題を語っているが、これについては誤解が多いという。

多くのサイトは、「ソーシャル○○」とさえうたっておけば大丈夫だと考えている。彼らは簡単に考えていて、「自分のサイトにソーシャルネットワークというラベルのボタンさえ配置しておくか、サイトを Facebook と連携しておけばよい」 というのだ。

だが、Facebook や MySpace だけがソーシャルネットワーキングではない、と Anderson 氏はいう。「ソーシャルネットワーキングはこれらの以前から存在している。ソーシャルネットワーキングは仕様の1つであり、それが目標ではなく、どの Web サイトにも必須のものなのだ。われわれは、これを MySpace から取り出して、自分たちのサイトに自分たちの方法で組み込む必要がある」と Anderson 氏は語っている。

ソーシャルネットワーキングは「『友人』集めとはあまり関係がない」。これは一種の「開発競争」であり、どちらかと言えばくだらない、と同氏は語っている。むしろ、効率的コミュニティ構築の核となるのは明確な主体性と目的を持ったサイトだという。持続性のあるソーシャルネットワークは、関心事を共有するユーザーを基盤とし、このようなサイトを中心に有機的に進化する。

「これらは、最初にソーシャルネットワーキングが来て次がコンテンツではない。最初にコンテンツが来て次がソーシャルネットワーキングなのだ」

同氏は最適なソーシャルネットワーキングの一例として、1997年に誕生し、大成功を収めている超マニアコミュニティの Slashdot を指摘した。実際のところ、Slashdot は Anderson 氏の主張と矛盾するかもしれない。そこにはオリジナルのコンテンツがなく、その豊富なトラフィックは、純粋にほかからリンクされた記事に対するユーザーのコメントによって成り立っている。

しかし、その「マニアのためのニュース」というモットーは、明確な主体性と目的を持っている。

Anderson 氏の指摘によると、Slashdot はコミュニティ構築にとって重要な住人を雇用しているという。同サイトはそのユーザーに謝意を表し、見返りを与えている。Slashdot のユーザー名(KillerBobFirehedなど)をクリックすると、彼らのすべての書き込みや、Journal をつけていればそれも見ることができる。

また、Slashdot ではそのユーザーにモデレーターになることを推奨しており、それが彼らの責任感と熱意を高める(そして、同サイトの運営コストを下げる)。「ユーザーは決して匿名であってはならない」と同氏は語っている。

■ハイパーフォーカス
「この世界に一般的なソーシャルネットワークはこれ以上必要ない。この世界に必要なのは、特定のトピックに関する無数のハイパーフォーカスソーシャルネットワークなのだ」と Anderson 氏は語っている。

同氏は、インターネットパブリッシングの未来を知るにはNingを見ることを勧めている。2004年に発足した Ning は、同じ関心を持つユーザーの「マイクロネットワーク」を約25万サイトもホスティングしている。カヤックのファンからグルメ、そして禁煙を目指すグループまで、その種類は多岐にわたる。ヒップホップ・ミュージシャンの Fifty Cent も、Ning ネットワーク有数の人気を誇る Fitty を運営しており、そのメンバーは10万人以上を誇る。 TechCrunchの予想では、Ning の価値は現在5億ドルに達し、Fast Company も Ning は「バイラル拡張を繰り返している」として興奮を隠さない(自分たちのサイトを売り込むユーザーを集めたサイトのセリフなのでナンセンスだが)。Ning は、Netscape 創業者の Marc Andreessen 氏と元 Goldman Sachs の Gina Binachini 氏が共同で設立した。

Anderson 氏自身も、小規模ながらアマチュアのための UAV (ラジコン飛行機) Ning サイトを趣味で運営している。同氏のマイクロサイトには約1,000人のメンバーがいて、1日約5,000ページビューがある。同氏は、同サイトの収入が1か月約400ドルにすぎず、たいしたビジネスモデルではないことを認める。

「自分の立場(Conde Nast 傘下である Wired の編集長)では、読者数が100万人に達しないと仕事にならない」と同氏は語っている。しかし、小さな趣味の Ning サイトなら、1,000人ほどの読者に何時間でも専念できる。同サイトはソーシャルネットワーキングの手本であり、ユーザーは頻繁にコメントを寄せ、自分たちの写真など、さまざまな情報を登録してくれる。

一方で、このマイクロサイトは「本格的に思えるし、興奮するが、ビジネスの面から見ると全く理にかなわない」。 おそらく、成功はこのようなニッチサイトを集約することで実現するのだろう。

自身の Ning サイトは収益をあげていないものの、同氏は、このようなスタイルの(間違いなく正確に重点の置かれた)ハイパーターゲットソーシャルネットワークは MySpace に取って代わる可能性がある、と感じている。「(利幅の薄い)コモディティ情報の世界で必要なのは目的を明確にすることだ」という。同氏はその点を考慮して、サイトの目的を絞り、「内容を細分化」するようサイトオーナーに呼びかけている。つまり、写真サイトではなく水中写真サイトを運営するのだ。

「どの程度が最適な細分化で、自分はどこで突出しているのか? 数千人単位(のユーザー)を目標にしたい。数万人では多すぎるし、数百人ではやる価値がない」という。百万人の目標では限定的になってしまう、と同氏は語っている。 「上位10サイトに入れないならやる価値はない。失敗する」

■リアルタイムのグローバルな対話

Chris Anderson 氏に続いて講演したRobert Scoble 氏は、自分が可能な限りインターネットにつながっていることを示した。Anderson 氏の講演中、Fast Company TV の主任ディレクタでビデオブロガーの Scoble 氏は、同氏の講演を(携帯電話で)撮影していて、それを Web 経由でストリーミング配信していた。

「ビデオの途中でコメントを残しておくこともできた」と同氏は語っている。Scoble 氏は、その動きの最前線にビデオが来ることで、インターネットはライブでリアルタイムのグローバルな対話へと進化すると考えている。

同氏は、ミキサーを製造する Blendtec の最高経営責任者(CEO)、Tom Dickson 氏の例を指摘した。

Dickson 氏は、WillItBlend というとっぴな Web サイトを立ち上げた。そのなかで同氏は、iPhone や Chuck Norris の人形など、あらゆる種類の奇妙なものをミキサーに放り込み、これらを「混ぜる」ことができるか試している。最後に確認した時点では、Web サーファーたちは同氏のビデオを7500万回ほど見ている(ゴルフボールのビデオは380万回再生され、2500件のコメントが寄せられた)。

また、同氏は「ミキサーに入れるもの募集中」というリンクを用意することで読者を参加させているのだ。 ここまでふざけていない Web ビデオの例としては、Scoble 氏がこの分野のリーダーとして称賛する Gary Vaynerchuk 氏のものがある。Vaynerchuk 氏は、ニュージャージー州を拠点にするWine Libraryのオーナーだ。同氏は、自身が主演し、ワインを扱う、激しくエネルギッシュ(そしてやや風変わりな)低予算ビデオをプロデュースしており、このビデオには約8万ビューが集まっている。Vaynerchuk 氏は典型的な「従来型店舗」のオーナーで、あまり予算をかけずに自身の製品をネット上で宣伝している。

Scoble 氏は、「これは新しい広告だ。同氏はわれわれが気付きもしなかったニーズを掘り起こした」(古い広告のうたい文句のようにも聞こえるが、それよりはるかに低予算だ)。

Scoble 氏は、IT ブロードキャストのパーソナリティーで、自宅からインターネットストリーミングショーをライブ配信するLeo LaPorte 氏の成功も指摘した。Scoble 氏によると、 LaPorte 氏は、実際は自宅のリビングルームでも、まるでスタジオから放送しているかのように見せるため、1万ドルを投じて「仮想セット」を用意したという。同氏は電話も受けるし、チャットルームの質疑応答も音声に変換して配信する。

Scoble 氏は一風変わった注目点として、自身がTwitterで2万3,000人という途方もない人数の人々の動きを追っていることを認めている。「つまり、わたしの所にはほぼ1秒ごとに新しい Twitter メッセージが来ることになる」(同氏の説明によると、仕事を片付けたいときは画面を消す必要があるという)。Twitter では、だれでも15分間有名になれる。ただし、その15分間は1.5秒に近く感じる。

同氏はさらに、ビデオ、写真、楽曲をホスティングするソーシャルネットワーク/ブロードキャストチャネルの FriendFeed もしきりに宣伝した。「これは、多くの異なるタイプのメディアによってリアルタイムで行われる国際コミュニケーションだ」 という。

■Blog を持ってどこでも参上
Wired のDanger Room Blog に国防関連の寄稿をしている Noah Schactman 氏によると、同氏の Blog には1か月約150万のページビュー(大半のブロガーがうらやむ数字だ)があるという。同氏の成功の秘けつは何だろう?  本格的な最新ニュースの速報やひっきりなしの更新に加え、「深刻な記事を書くときは、たいていは泥レスをするビキニの女の子の写真を挿入する」のだと Shactman 氏は説明する(実際のところこれは正確ではない。Danger Room の写真や絵は、あくまでもトピックに沿ったものとなっている)。

一方、Blog の草分けの1人で、Six Apart のバイスプレジデントを務める Anil Dash 氏は、自身が「Blog と SEO の間の醜い共依存関係」と呼ぶものについて講演した。 (たとえそれが内容から外れていても)人気の高い検索語を使えば検索エンジンのランクが上がると期待し、たくさんのブロガーが自らをゆがめてホットなキーワードを挿入している。Dash 氏の意見では、それは間違いだという。「人々が望むコンテンツを作るだけにしたい」という。

「Blog を書く女性のためのコミュニティ」であるBlogherの共同創業者、Elisa Camahort 氏は、今回のイベントで最も熱烈に Blog を伝道していた。

同氏は、「Blog は主流となり、中毒性を持ち、信頼できるようになった」と語っている。年齢に関係なく、いったんやり始めると日常の一部になる。その証拠として、同氏はネットを利用する米国女性の53%が Blog を読んでいると主張した。この数字は多そうに見えるが、Camahort 氏は、今後有望なこのメディアの力を示しながら勝利の美酒に酔っていた。同氏の Blogher ネットワークは、予備選中に Barack Obama 上院議員との一対一のインタビューまで実現してしまった(このときのビデオはこちら)。

同イベントで最も魅力的だった講演者の1人が、非常に人気の高いブロガーで、Edelman Digital のシニアバイスプレジデントであるSteve Rubel 氏だ。集団としての視聴者はもう消えた、というのが Rubel 氏の要点だった。つまり、Web を除外してテレビの CM に大金を投じる多くの広告主は何かを取り逃がしているのだという。ターゲットが絞られ、計算されたインターネットの視聴者を含めず、「視聴者集団」にしか訴えないのは、広告費を有効活用していない。同氏は視聴者集団の限界を説明するため、ソファーでうとうととする典型的なテレビ視聴者集団のスライドを紹介した。

Rubel 氏の Blog は実態を良く見抜いたものとなっており、Datamation Top 100 Tech Blogにもランクインしている。

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