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ウィジェット、ガジェットビジネスの課題■より市場拡大を担うには
ウィジェット、ガジェットの将来性や、可能性は本コラムで度々述べてきたとおりで、徐々に普及が広がってきた。しかし、それら市場の拡大を行う上でいくつか課題も見えてきている。 これら課題の要因はウィジェット、ガジェットの提供者、利用者共にあると考えられ、今後のより大きな普及、市場拡大をしていくには是非クリアしていきたい内容だ。 今回はウィジェット、ガジェットビジネスとしてを考えた際に、クリアしていく必要があるであろう「課題」について検証していく。 課題1 クオリティ ウィジェット、ガジェットはオープンな環境をプラットフォーム提供企業が用意し、Web 技術を知る人間なら誰でも自由に開発・提供でき、誰でも容易に利用できるサービスが業界のスタンダードとなっている。 この「誰でも自由に開発・提供できる」という点が「メリット」、「デメリット」両方の側面を持っており、今回はその「悪い点」が課題となる。 <メリット> 誰でも自由に開発・提供できることは大きなメリットだ。多くのユーザーにウィジェット、ガジェットを利用してもらえるチャンスでもあり、開発も特別な仕様でないためその参入障壁も比較的低い。 <デメリット> 「低機能」、「第三者制作物の流用」、「悪意のあるウィジェット」といったウィジェット、ガジェットを流用してしまうことがクオリティ面、ひいてはモラル面でのデメリットとなる。 特に「悪意のあるウィジェット」は後ほど「セキュリティ」の際述べていくとして、第三者が作成したものを無許可で流用したと取れるもの、または著作権に触れていると思われるもののなどはあってはならないものである。 本コラムでも述べているとおり、プラットフォーム提供企業が運営するギャラリーで掲載されているウィジェット、ガジェットの数は少なくとも数百あり、多いもので数万という規模もある。 それだけのウィジェット、ガジェットも全てがユーザーのためになるどころか、マイナスに作用するものもあり、ユーザーの積極的な利用を妨げる恐れも生じている。 こういった現象は各プラットフォーム提供企業が提案している誰でも自由に開発、提供できる「オープン」環境が生み出した副作用で、良いウィジェット、ガジェットがあればその反対もありユーザーの立場で考えると何とか解決したい問題である。 <対策> やはり「高機能」、「オリジナル」、「ハイクオリティ」なウィジェット、ガジェットをどんどん増やしていくことが重要と考える。 そうすることで、利用されるウィジェット、ガジェットもユーザーに支援されているものが多くなり、必然的にそうでないものが埋もれていくだろう。現状はまだそういった切磋琢磨した環境が構築されていないが、利用ユーザー数が増えてくればこの状況は間違いなくやってくると考えられる。 「ハイクオリティ」なウィジェット、ガジェットを提供していくには、レベルの高い開発者(法人含む)への制作訴求を各プラットフォーム提供企業が主体で実施し、企業レベルでウィジェット、ガジェットを配信したいと思わせ続けることも必要だ。 また、著作権に触れているものは公式ギャラリー掲載不可といった手段や、ある程度の制作者保護も企業が主体で考えていく必要もあるだろう。 課題2 セキュリティ 自身の PC に直接ダウンロードしたり、My ページに貼り付けて利用したりと何気ない行為だが、人によってはちょっと抵抗があると感じるユーザーもいるだろう。 現にデスクトップ系ウィジェット、ガジェットをインストールする際に、警告ダイアログが表示される現象も起きており、PC 初心者でなくとも「?」と疑問を抱いたり、ヒヤッとする経験があるのではないだろうか。 特に JavaScript や HTML などでつくられているウィジェット、ガジェットは Web 関連の脆弱性を含んだ可能性もある。現状は任意コマンド実行、ローカルアクセス、Cookie の扱いなど各プラットフォーム提供企業によってバラバラの状態で、各社仕様自体が独自なので、統一したセキュリティモデルという概念がまだないのも問題だ。 各社はセキュリティ不備があった際は早急に改善をしているが、それはあくまでもプラットフォーム上の話であり、各ウィジェット、ガジェットまでの対策は完璧ではない。 <対策> ウィジェット、ガジェットの普及を第一優先とする考えだと、セキュリティ保護とは矛盾するため実行は難しい点もあるが、企業としての対策は、各プラットフォーム企業がセキュリティチェックをした「署名」を各ウィジェット、ガジェットに配布する方法や、各社運営ギャラリーサイト上に掲載されているものは「セキュリティチェック済み」としたアピールを大々的にするなどの対策などが考えられる。 ウィジェット、ガジェット配信側企業も自身のホームページ上でしかダウンロードできない仕組みにするなどユーザーへの「安心」を配慮する必要も出てくるだろう。 ユーザーとしての立場では、ウィジェット、ガジェットは exe ファイルをインストールするのと同じ感覚を持ってもらい、セキュリティに対する意識を常にもってもらう必要が重要だ。 最悪の場合ウィジェット、ガジェットを介して利用ユーザーのマシンが支配されてしまうこともありえるので、ダウンロードは信頼できる配信元からに限るなどの対策を各々で行うことも必要だ。セキュリティ会社なども今後ウィジェット、ガジェットの対策を行っているのでそういった情報にも常にアンテナを張っておきたい。 課題3 マネタイズ ウィジェット、ガジェットが Web ユーザーの中で普及していることは本コラムで何度も述べてきたが、それだけ利用をされているサービスなのに、まだ目立った収益モデルが出てきていないのもウィジェット、ガジェットビジネスの面白いところでもあり課題でもある。 すでに多くのウィジェット、ガジェット企業が誕生している米国でも多額の資金調達に成功はしているが、収益モデルは広告がメインで、他に膨大な利益を生む仕組みはまだ見当たらない状態だ。 ・Widget box Web 用ウィジェットの作成や配信プラットフォーム企業。800万ドル調達 ・Rock You SNS や Blog などに貼り付け可能なウィジェットを提供。3,500万ドル調達 ・Widget Bucks ウィジェットのネット広告サービス企業。総額2,000万ドル調達 現状考えられるマネタイズ手段はウィジェット、ガジェットの中に広告を配信し制作者と、プラットフォーム提供企業とがレベニューシェアで分かち合う仕組みや、企業などが開発したウィジェット、ガジェットをより多く広めたいというプロモーションの一環で、1ダウンロード○○円といったかたちで様々なサイトにダウンロードを呼びかけてその収益をシェアするアフリエイトに近いモデルなどが国内でも一部実施されている。 去年の話だが米国では Widget Con 2007というウィジェットイベントがあり、そこでウィジェットマーケティングの業界団体を設立するほどだ。この団代は Widget Marketing Association といいウィジェット業界のマネタイズを活性化させるもので、その手段として技術の標準化や広告表示の課題を解決させたりしていくようだ。 このように世界的にウィジェット、ガジェットのマネタイズ活性化の動きは活発で、ユーザーとの「ダイレクトコミュニケーション」を可能にし、さらには各ユーザー自身が「配信者」になることもできるウィジェット、ガジェットは莫大な利益を生み出す大きな可能性を秘めている。 日本の Web プロモーションで「ブログパーツ」がようやく浸透し、各企業が開発するようになってきたが、米国のような発展があるかどうかは大いに注目していきたいところだ。 (執筆:株式会社ハナツキ 波多江祐介) 記事提供:HANATSUKI(ハナツキ)
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