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2008年10月12日
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Webビジネス2008年7月16日 10:00

ニコニコ動画の命運も左右する? MAD 動画

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7月2日にドワンゴは、日本動画協会、日本映像ソフト協会、日本映画製作者連盟の3団体の著作権を侵害する動画を削除すると発表しました。

著作権を侵害する動画とは、放送を録画したものや違法にコピーしたものを主に指しますが、アニメやゲーム、ドラマや映画などといった既存の著作物を素材にした二次作品も含まれます。こうした著作物保護の流れの中で、角川グループホールディングスが MAD 動画を含む、一部の二次制作動画について公認することを発表し、二次作品に対する新しい動きが出てきています。

ところで、ここで出てきた「MAD 動画」とは、どんなものなのでしょうか。

今回は「MAD 動画」について見てみることにします。

■MAD 動画とは何か? 人気の秘密
「MAD」は、「狂っている」、「ばかげている」といった気味で、「MAD 動画」とは既存の音声・ゲーム画像・動画・アニメーションなどを個人が編集・合成し、再構成したものです。

公式では見られないレアな動画として元になった作品のファンからの支持もあり、MAD 動画を目当てに動画サイトに登録する人もいます。しかし、MAD 動画は二次作品であるために著作権の問題とは切っても切れない関係にあります。

■芸術かコピーか? アートにおける「MAD」の著作権問題
二次作品の著作権について論争が起こったのは、1970年の「パロディ事件」にまでさかのぼります。

グラフィックデザイナーのマッド・アマノ氏が既存の写真を切り貼り(コラージュ)して作った作品をまとめた作品集「SOS」を出版したところ、その一部に使用されていた写真について、著作権侵害であると元の写真を撮った白川義員氏に抗議され、使用料50万円を支払っています。

その後パロディ手法としてフォトモンタージュは広く利用されることになりましたが、以前は芸術世界の問題だったフォトモンタージュなどの二次作品や手法が一般の世界でも著作権問題として取り上げられるようになっています。

■拡散する MAD 文化
現在では、MAD の種類は多岐にわたり、下記のような分類の MAD 作品があるようです。

・アニメ MAD(MAD アニメ):アニメーションを合成した作品
・静止画 MAD:ゲームなどの静止画を複数合成し、音楽をつけて紙芝居風に出す作品
・実写 MAD:実写映像とアニメソング等を合成した作品
・音声 MAD:ゲーム、ラジオ(特に NHK のニュースが多い)やテレビ番組のセリフや主題歌などを合成した音声のみの作品
その他、MAD の具体例 - 同人用語の基礎知識

MAD が拡散した理由については、パソコンの普及による画像加工技術の向上で加工がしやすくなったことやインターネットの普及で素材となる画像や音声・動画を入手しやすくなったことなどがあります。制作環境が向上したことにあわせてインターネットに登場した動画投稿サイトが MAD 動画を大きく広めたといってによいでしょう。それまで同人コミュニティでの発表などが主だった MAD 動画が動画共有サイトを介することで多くの人が閲覧できるようになり、結果として著作権への対応問題も難しくなっています。

■MAD 動画の功罪 二次制作物への著作権問題
MAD 動画はパロディ的な作風が多く人気もありますが、元の作品の意味自体を変えてしまう作品などもあるため、原作にとってマイナスイメージを与えるケースもあります。一方で、MAD 動画が広まることで原作の宣伝となり原作の売り上げに貢献するといったケースも少なくありません。

著作権ホルダーの企業の中にも、MAD 動画を著作権侵害として全て禁止することに反対する姿勢をみせる企業も少なからず出てきています。MAD 動画などの二次制作作品と共存することで原作をより活かそうという動きです。

■角川の英断と問題
角川グループホールディングスでは一定のガイドラインを定め、それを満たしたものについては「公認 MAD」として認めています。「涼宮ハルヒの憂鬱」のキャラクターを使用した MAD 動画などでは、こうした著作権ホルダーのお墨付きを得ることで YouTube などで堂々と公開できるようになっています。

角川が挑む公認「MAD 動画」の世界 - カオス通信

ただ、こうした例はまだ少ないのが現状です。ニコニコ動画に対して MAD 削除方針を申し入れた「日本動画協会」には角川書店、「日本映画製作者連盟」には角川映画など、角川グループの会社も名を連ねており、角川グループ全てが二次作品へ理解を示しているわけではないようです。

角川の作戦の矛盾とは何か - 〜横浜特許許可局ブログ支部〜あっ君の日記

いずれにせよ、今後の MAD 削除発表によってニコニコ動画のユーザー層やアクセス面に変化が起こることは確実です。「非公認」の MAD は、動画投稿サイトを離れることになるでしょうが、なくなるものではないでしょう。

著作権保護と表現の自由という問題、まだ解決するには時間が必要なようです。

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