japan.internet.comThe Internet & IT Network
RSS
  • ニュース
  • コラム
  • リサーチ
  • ヘッドライン
  • 特集
  • ブログ
  • プレスリリース
  • 専門チャンネル
  • イベント
  • ランキング
  • ニュースメール
2009年7月4日
文字サイズ文字サイズ小文字サイズ中文字サイズ大
Webビジネス2008年8月22日 10:00

「クラウドコンピューティング」がくだらない理由

海外海外internet.com発の記事
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Buzzurlにブックマーク
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • newsing it!
  • この記事をokyuuへインポート
ちまたは「クラウドコンピューティング」という、IT の専門用語を混乱させ、最も大きな問題を抱えた最新の主要商売用語の話で持ちきりだ。筆者が、この言葉の使用をやめるべきだと思う理由を以下に示す。

「クラウドコンピューティング」は、人々を混乱させる。IT 業界のほぼ全員が「クラウドコンピューティング」を各所で使いたがっているようだが、その意味を知らなかったり、定義が一致していない。

「クラウドコンピューティング」はこれまで、グリッドコンピューティング、ユーティリティコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、インターネットベースのアプリケーション、自律コンピューティング、ピアツーピア(PtoP)コンピューティング、そしてリモート処理を意味していた。この言葉を使うとき、大半の人はこれらの見解のうち1つを念頭に置いているが、聞き手側は別のことを考えている場合がある。

「クラウドコンピューティング」は誤解を招く。実際は全く新しくないにもかかわらず、マーケティングの専門用語としては何か新しく、さらに良いことが起こっているように思わせていた。そう、新技術が四六時中発生するのだ。

しかし、新技術を「クラウドコンピューティング」の名の下に同化させても、そのカテゴリー内の古いものが新しくなるわけではない。また、技術系の人と非技術系の人とのコミュニケーションを「曇らせ」てしまう。前者はたいてい、「クラウドコンピューティング」にはほとんど意味がなく、最近のネット上で起こっていることほぼすべてを描写し、あらゆる状況に対応できる言い回しであることを理解している。しかし、後者は、それがもっと具体的な何かであると仮定する傾向にあることに筆者は気付いたのだ。

「クラウドコンピューティング」は余分だ。「Web 2.0」や「仮想化」といったほかの専門用語と異なり、この言葉は何か新しいものを描写したり、漠然としたものを明確にするため、必要に迫られて作り出されたものではない。全く逆なのだ。これは何か古いものをもう一回上塗りし、具体的で、良く理解された技術を漠然とさせるために作り出されたものだ。

「クラウドコンピューティング」は危険だ。商売用語として便利なだけで、良識を無視するために売ろうとしているものに振りかける魔法の粉だ。

「クラウドコンピューティング」というフレーズは、ネットワーク図のなかで、複雑過ぎて描写できないプロセスや、ほかが管理するシステムを表すのに利用する雲形の共通記号に由来する。これは、自分たちの理解や制御のおよばない「ブラックボックス」を表している。 つまり、「クラウドコンピューティング」の「クラウド」は、無知を表しているいのだ。そして、この無知が「クラウドコンピューティング」のメリットの1つとしてしきりに宣伝されているのだ。

企業が「クラウドコンピューティング」を大きく宣伝するときは、無知は無上の喜びである、という考え方を売り込んでいるのだ。その小さな頭で考える必要はない。われわれにすべて任せなさい、と言っているのだ。

企業各社が輝ける新しい世界だと思いこんだ「クラウドコンピューティング」に大きな期待を寄せ、安心感を抱くようになり、最終的に採用すると、すべての信頼性が低下していく。たとえば、1つの Web ページが複数の「クラウド」コンポーネントで構成されているとする。1社がストレージ、もう1社がアプリケーション、そしてまた別の1社がサイトの測定機能を提供している。もし何か1つ不具合が発生すると、すべてがダメになる。クラウドコンピューティングは、不具合を起こす可能性のあるものの数を単純に増やしているのだ。

そして、これらは確実に不具合を起こす。ここ数週間の間も、GoToMeeting、Amazon の EC2、S3、SiteMeter、Gmail、Netflix、そして MobileMe が、それぞれ大規模な障害に遭遇している。

インターネットベースのサービスの障害の発生頻度と持続時間の両方が増加していると思うのは至極当然だ。これら複数のブラックボックスコンポーネントがますます複雑化することは、何かに問題が起こる可能性も高める。

筆者は先ごろ、自分の PC の中にあるものすべてを「クラウド」(ここはインターネットと書くべきだった)に移行しようとした。最近の記事や各種コンテンツは Gmail オンラインや Google Docs を使い、デスクトップ版の代わりには Plaxo、Jott、Google Calendar などを使おうとした。だが先日の出張先で、筆者は飛行機の機内でやりかけの仕事に一切アクセスできなくなり、窓の外の「本物の雲」を見る以外に何もできなくなってしまった。全くアクセスができないというのは「クラウドコンピューティング」にとって最悪のシナリオであり、そうなるともうどうしようもない。

(もちろん、アクセス不能に陥ったのは、オンラインアプリを過信し、予備のコピーをすべてノート PC に入れておかなかった自分のミスだ。断っておくが、筆者が最も不満に思っているのは「クラウドコンピューティング」のフレーズであって、その誤用ではない。)

世の中には「クラウドコンピューティング」に何らかを意味を持たせ、これを使いものになる概念にしようと本気で精を出す科学技術者やアナリストもいる。彼らの気力には感心する。そして彼らの何人かからは、「クラウドコンピューティング」は有意義で便利な用語だとする嫌がらせのメールが必ず筆者の元に届くだろう。「クラウドコンピューティング」の専門家が筆者に同意してくれなくても関係ない。重要なのは、彼らの中でも意見が一致していないという事実だ。それも、この問題の一部なのだ。

「クラウドコンピューティング」という商売用語は消えるべきだ。これはあまりにもひどい混乱を招き、誤解を招き、余分で、危険なのだ。

関連テーマ
このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!
BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
この記事をokyuuへインポート
最新トップニュース
データメーション
【データメーション】
中国が「Green Dam」フィルタ規制を撤回(7月1日)
Graphic Design Forum
【Graphic Design Forum】
Chris Dickman(6月25日)
プライバシー ジャパン・インターネットコム版
【プライバシー ジャパン・インターネットコム版】
グーグル・ストリートビューの問題について総務省の見解(6月23日)
エンジニアの独り言
【エンジニアの独り言】
システムを「使う」時代のエンジニアに求められるもの(6月2日)
最新ハイテク講座
最新ハイテク講座
電気は家庭でつくる時代へ!燃料電池「エネファーム」(7月3日)
アクセス解析で見るWebマーケティング
アクセス解析で見るWebマーケティング
決定力を探るアクセス解析(7月3日)
百式のネットビジネス研究
百式のネットビジネス研究
ファーストフードを高級っぽく盛り付けて紹介している「Fancy Fast Food」(7月3日)
週刊-サイト別アクセス状況データ
週刊-サイト別アクセス状況データ
ビデオリサーチインタラクティブ調査(月間インターネットオーディエンスデータ)(7月2日)
成約率、反応率を上げる Web 文章術
成約率、反応率を上げる Web 文章術
言葉がダイレクトにキャッシュを生む(7月2日)
不況時代の Web ビジネス最適化講座
不況時代の Web ビジネス最適化講座
アクセス解析エキスパートここだけの話、Web コンシェルジュの“勉強法”こっそり教えます(7月2日)
「Webからの脅威」―その傾向と最新対策
「Webからの脅威」―その傾向と最新対策
不正プログラムの分類(7月1日)
DevX
DevX
JavaScriptとDOMによる動的なWebページの作成(6月30日)
エンジニア転職ノウハウ開発室
エンジニア転職ノウハウ開発室
今のままで大丈夫?3匹の子ブタ的キャリア危険度診断(6月30日)
アイレップの SEM フロンティア
アイレップの SEM フロンティア
Web サイトは「無駄な穴のたくさん開いたじょうご」〜サイト成果向上の基本的な考え方(6月30日)
Copyright 2009 Japan Internet.com K.K. All Rights Reserved.http://www.internet.com/