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2008年9月8日 10:00

日本でのウィジェット、ガジェットビジネスの将来性

 魅力あるウィジェット、ガジェットが数多く発信され、それを多くのユーザーが利用するという傾向が海外ではすでに実現している状況だということは本コラムでも過去に述べてきたが、こと日本での利用にフォーカスするとまだまだウィジェット、ガジェットの発信、利用共に世の中にインパクトを与えるほどの普及にはいたっていない。

今後日本でウィジェット、ガジェットの普及が広がり、ネットビジネスの新たな市場創出へつなげるためには何が重要なのか、今回そのポイントを3つに絞り込んで今回検証していきたい。

(1)Windows Vista
本コラムで何度も紹介した WindowsVista サイドバーガジェット。何故このサービスに注目するのかというと「OS プリインストール」が、ウィジェット、ガジェットの普及にとても魅力的であるからである。

ご存知のとおり一般的なコンシューマー向け PC で圧倒的な OS シェアを握る Windows がガジェットを標準装備しているということは、PC を購入して起動すれば自然とサイドバーガジェットがユーザーの眼に入ることとなり、「まず使ってみよう」という意識を生み出す。

そして、他のガジェットに興味をもちはじめ様々なウィジェット、ガジェットをインストールして利用することとなる。

この OS プリインストールでのソフト利用は、少なからず経験済みの人は多いのではないだろうか、ネットを利用するときのブラウザ「Internet Explorer」などがいい例だ。

今後この WindowsVista サイドバーガジェットに注目する点は、より魅力的なウィジェット、ガジェットが増えていくかどうかだろう。現在も Microsoft 公式ガジェットギャラリーである Windws Live Gallery に多数のウィジェット、ガジェットは掲載されているが、海外のウィジェット、ガジェット専門サイトと比較するとまだ数が少なく見えてしまう。

OS プリインストールという他社ウィジェット、ガジェットプラットフォーム提供企業と比較して有利な立場を最大限利用し、開発者にウィジェット、ガジェットの魅力を伝えて参加プレイヤーと利用するユーザーを増やしていく。こういった好循環の仕組みを率先して実施してもらいたい。

WindowsVista サイドバーガジェット対応のガジェットが多くなれば、より大きな市場に成長するだろうし、ウィジェット、ガジェットの日本利用に大きなインパクトを与えることができるだろう。

(2)mixi
米国では SNS をキッカケにウィジェット、ガジェットの普及が始まったことから、日本の最大手 SNS の mixi には大きな期待が持てる。

Web 利用のウィジェット、ガジェットがメインとなることから、Blog パーツという認識になるだろう。ご存知のとおり Blog パーツはほとんどの企業が Web プロモーションで利用するほどのメジャーツールとなり、多くの Blog ユーザーが利用している。

しかし、この Blog パーツは当たり前の話だが、Blog を書いているユーザーがメインターゲットとなり、自身の Blog にも貼り付けるというバズマーケティング効果を期待したツールだ。

すなわち、Blog を書かない人に効果が薄いことが Blog パーツの弱点でもある。その点 mixi となるとほとんどのネットユーザーがマイミクといわれる自身のページを持っており、そこでウィジェット、ガジェットの利用を可能にしていけば多くのネットユーザーに浸透していくことが期待できる。

今後 mixi のウィジェット、ガジェット戦略で楽しみなのは、すでにプレスリリースで表明済みのウィジェット、ガジェットのプラットフォームオープン化だ。これが実現されれば、ウィジェット、ガジェット市場に相当なインパクトを与えることとなるだろう。

多くの開発者が mixi 対応ウィジェット、ガジェットを開発できるようになり、開発したウィジェット、ガジェットを自由に配信できるようになれば、既存ユーザーの大きな活性化にもつながるだろう。

自分のマイミクをかわいく、かっこよく見せたいために、色々なウィジェット、ガジェットを貼り付ける。そこで数多くの人の眼に入ることを魅力と感じる企業や開発者がよりハイクオリティなウィジェット、ガジェットを開発する。

まさに普及曲線が大きなカーブを描いて上昇していくような具合でウィジェット、ガジェットが広がっていくことだろう。

米国の事例を見ると SNS のトレンドはオープン化へと進んでいる。この流れをうまく取り入れ日本市場でもウィジェット、ガジェットをキッカケとした SNS 活性化につながることを期待したい。

(3)ケータイ
本コラムでも多々紹介してきたケータイでのウィジェット、ガジェットサービスは日本のウィジェット、ガジェットサービスを大きく飛躍させるものだと確実視している。

元々「ちょっと便利なツール」というウィジェット、ガジェットはいつも手元にあるケータイと相性がよく、ユーザーも受け入れやすい。また、本コラムでも述べたが iPhone のようにウィジェット、ガジェットの販売(課金)の仕組みがすでに確立されているケータイは他のデバイスにはない魅力がある。

今後ケータイウィジェットの注目点は国内主要3キャリアがウィジェット、ガジェット対応端末を揃えるかという点と、ウィジェット、ガジェットの利用環境をどうするかという点が注目だ。

特に利用環境においては、PC のようなオープン化とケータイ独自の仕組みを掛け合わせたやり方が可能なので注目していきたい。

ユーザーはウィジェット、ガジェットのダウンロードが自由にでき、開発者に対しても公式、勝手の区別なく誰でも開発可能な SDK などを無料配布し、配信も自由に行えるいわゆる PC の世界で行われている「オープン化」の環境構築だ。

さらにケータイ独自の仕組みとして、開発者の代わりにウィジェット、ガジェットの販売代行をキャリアが行い、そこで得た売上が開発者とキャリアの収益になる点を利用すれば、PC 文化とケータイ文化を融合させた新たなウィジェット、ガジェット市場を創出することができると考えられる。

ウィジェット、ガジェットがもたらすケータイ市場へのインパクトとして、パケット定額制の利用促進へとつながりキャリア収益の後押しとなる。また、音楽配信や EC、デジタルペットのようなキャラクターがウィジェット、ガジェットを通じて広がればコンテンツプロバイダーの収益も増えることが見込まれる。

ケータイ端末自体もウィジェット、ガジェットの普及で大画面化が進むと思われる。

PC モニターの横長画面が広がることで、サイドバーガジェットが普及したことと順序は逆だが、コンテンツ主導で端末大画面化が進み、ワンセグと合わせてさらなるハイエンド機種の登場にも期待できる。

こういった、端末メーカーにとってのビジネスチャンスが低迷するケータイ市場の新たな市場創出にも貢献できるウィジェット、ガジェットは、ケータイの世界でこそ本領発揮すると思われる。

これら各分野の大手サービスが、ウィジェット、ガジェットを積極的に取り入れドラスティックなサービス展開を実施するだけで、新たなネット市場創出へとつながるだろう。

そうなればウィジェット、ガジェットをキッカケに日本発信のネットサービスが世界へ広がるチャンスともなる。野村総合研究所の2010年度までの Web 技術の進展を予測した「IT ロードマップ」調べでは、2009年度にはウィジェット、ガジェットが成長期に入ると予想していることから、今後日本でのウィジェット、ガジェットビジネスがいよいよ本格化してくるだろう。

(執筆:株式会社ハナツキ 波多江祐介)


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