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中国−台湾間の直接往来が間もなく解禁へ注目される台湾 IT 産業―Part 1

EMS One
2008年11月7日 / 13:30
 
 
中国と台湾による「両岸両会」のトップは4日、航空、海運、郵政、食品安全に関する四大協定に関する署名を行った。これにより、中国と台湾は一部運行が開始されていた直行チャーター便を週末のみの運行から平日まで拡大し、半年以内には定期便の運行を開始することとなる。また、海運では両者で許可された船舶が両岸貨物、国際貨物、トランジット貨物の混載運行を行うこととなり、今後は制限を受けることが無くなる。

今回、「両岸」(中国大陸と台湾を示す)で合意された内容は、俗に「三通」と呼ばれているもので通信(通郵)、航空海運(通航)、通商の解放を意味するものだ。過去、産業界を中心に早期の締結が待ち望まれていたが今年に入って誕生した台湾・馬政権以降、両岸での協議が一気に進んだ。

● 三通により中国・台湾間の人的・運輸・時間コストを大幅削減

歴史的な要因によって、現在中国・台湾間の人員・物資は、第三の地点を経由して往来する必要があった。海運に関しては、北と南の2ラインがある。南ラインの海運は主に香港を経由し、北ラインは主に日本の石垣島を経由して積み替えを行う。

しかし間接的な運送は、時間はもとより大幅なコスト増を生み、これによって台湾企業はコスト高に苦しんできた。

一方、空輸についても主に香港空港を経由して積み替えを行う必要があり、大量の時間を浪費してしまう。例えば高雄から上海まで移動する場合、日本経由では航程が30%増し、各フライト毎に約8,000米ドルの余分なコストが掛かっている。

週に1フライトのペースで計算すれば、年間で41.6万米ドルのコスト増となる。同じく、高雄から福建・広東地区まで行く場合には香港を経由して移動するのが一般的だが、このルートでは直線距離に比べて航程が2倍となる。

今回の「三通」締結によって、こうした問題が一気に解決することとなり台湾製造企業の競争力は一気に高まることが予想されている。

図中国・台湾間直行便(空路)運行による効果
中国・台湾間直行便(空路)運行による効果
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中国・台湾間直行便(海路)運行による効果
中国・台湾間直行便(海路)運行による効果
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上記のように、「三通」は中国・台湾間の運送・時間コストを大幅に削減させ、コスト面で IT 企業の競争力を直接的に増強させる。例えば、毎年数多くの IC 製品は中国から台湾の TSMC(台積電)や UMC(聯電)等のファウンドリ企業に輸送されているが、「三通」はこれらの製品の生産コストを削減させ、また納期の短縮を実現する。これは台湾ファウンドリ企業のさらなるビジネス機会と新たな取引先獲得を意味する。

光エレクトロニクスは台湾のもう一方の中心的な産業で、世界トップクラスの競争力を備えている。しかし台湾の市場規模はあまりに小さく、継続的な発展を支えることができない。

一方、中国は巨大なマーケットを抱えており、台湾の AUO(友達)、CMO(奇美電)、瀚宇彩晶(HANNSTAR)等は、相次いで後工程のモジュール組立工場を中国へとシフトしている。しかし液晶パネルなどの上流製品は、依然として台湾で生産した後に中国でアッセンブリーを行っている。

日本や韓国などの世界をリードする光エレクトロニクス企業との熾烈な競争や市場での値下げ圧力に直面し、台湾企業はこれまで絶えず生産/運送のコスト削減を進め製品の競争力を高める必要があった。

三通が実現すれば台湾パネル製品の運送コストは大幅に下がることが予想されるが、このようなプラスの影響はその他の IT 製品においても同様であり、中国・台湾の IT 産業にとって大きな利益となることが予想される。

中台 IT 産業 SWOT 分析
中台 IT 産業 SWOT 分析
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中国・台湾の三通実現前後の海運・空運のルートを比較
中国・台湾の三通実現前後の海運・空運のルートを比較
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※次回のコラムでは、「三通」達成後の中国・台湾間の人材往来についてレポートします。

記事提供:EMS One
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