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2008年11月11日 09:00

なぜ SEO の世界が、ソーシャルメディアマーケティングに目を向け始めているのか?(2)

■効率よく「影響」を与える Amazon のアフィリエイトマーケティング

SEO の世界では「検索順位を簡単に上げる方法を知りたい」「どうやって大量の外部リンクをかき集めようか」といった、どうやって SEO という行為を行うかという話がよくされる。

しかし、先に述べた通りあなたが SEO をする・しない(行為)にかかわらず、世の中の動きやあなたの企業や団体の経済活動の成果が検索の世界やサイト、ページに影響を与えているため、その影響が大きければ必然的に関連語句で検索した時に、希望するページが自然と検索エンジンの上位に現れるのだ。

あえて「SEO」という名目の技術に莫大な予算を投下しなくとも、あなたが行う(SEO と全く関係ない)経済活動の成果がダイレクトに検索の世界に反映されさえすれば、本来 SEO それ自体のために何かアクションを起こす必要などないのだ。

実はこうした仕組みを上手に取り入れシステム化しているのが Amazon だ。同社が展開するアフィリエイトマーケティングは、それの目的は当然ながら「アフィリエイト」であるが、その成果はダイレクトに検索エンジンの自社に対する評価に連動するように技術的設計がなされている。

このマーケティングプログラムは、検索エンジンに影響を与える(=SEO の効果が出る)ことを視野に入れていた点で、先のソフトバンクの例と事情は異なるかもしれない。

しかしアフィリエイト展開が進捗しなければ検索エンジンにも影響を与えることはないし、このプログラムに参加する誰もが SEO それ自体を意識して活動するわけではない。

アフィリエイターは商品を紹介し、小遣いを稼ぐために行動をしているし、また運営者側も売上を拡大するための手段の1つとしてアフィリエイトというマーケティングプログラムを選択しているに過ぎないからだ。そうした意味で、経済活動の成果を直接的に検索の世界に反映させている良い例といえるだろう。

■検索エンジンフレンドリーな状態は必要

ここで、検索エンジンと SEO の技術的な話をしよう。検索エンジンは世の中の情報を整理し、ユーザーからの検索要求に対して関連性(レレバンシー)の高い検索結果を提示するための方法の1つとして、リンクのつながり(web connectivity)を評価し、ページやサイトの重要度を推し量ろうとしている。

この時、本当に評価したい対象とするリンクは、順位上昇を主目的として(SEO 目的とした)リンクではなくて、先のソフトバンクの例で触れたような、経済活動の結果として、自然発生的に生まれたリンクやコンテンツだ。

ネット上で自然に生まれたリンクのみでページのレレバンシーを評価するのが、検索アルゴリズムの設計思想上も理想であるからだし、リンク分析アルゴリズムの代表である PageRank も、もともと「リンクには特別な意味がある」という Web グラフの特性に着目して生まれた産物だ。

それならば、仮に世界中の誰もが検索エンジンの存在を知らされずに経済活動を行っていたとしても、検索エンジンは適切な検索結果を返すことができるはずだし、それが私たちに理想の検索結果を提示してくれると考えるかもしれない。しかしながら、現実はそんなに甘くない。

たとえば、先のソフトバンクの iPhone の例に考えてみよう。もしソフトバンクが発表文を(ありえないが)Flash で公開したり、クローラーがアクセス不可能な形式の URL であったり、あるいはクローラーという正体不明のアクセスを拒否するなどしていたら、インデックスすることはできない。

同様に、世界中の Web 制作者が好き勝手に、Ajax や Flash、画像、動画などの技術をベースとしたサイトを構築して情報発信を行ったり、Eコマースサイトが自社の商品在庫データベースとの最適な連携と消費者行動の解析のみを考えてシステムを構築していたら、世界中に情報は溢れかえっているのに、検索エンジンにそれが何のコンテンツであり、何のキーワードと関連するのかを正確に認識することが困難を極め、結果的に適切な関連性を保つことは難しくなってしまう。

人間が「良い」と思ったコンテンツを検索エンジンがアルゴリズムで同様に「良い」と判断できれば良いのだが、それが実現されるのは、まだまだ、ずっとずっと先の未来のお話だ。

そこで、発信した情報が人々だけでなく、検索エンジンに対しても意味を持つ、つまり「発信した情報が検索エンジンにも適切に伝達され、その内容や重要性が評価されやすくする技術」としての、つまり検索エンジンフレンドリーな状態を維持する手法としての SEO が要求される。

また、みんなが好き勝手に Web サイトを制作すれば、検索エンジンにとって「見えない」ものも多数生み出される可能性は、Web 環境が進化し、新技術が登場するほどそのリスクが高まる。

そうしたことを見越して、Google、Yahoo!、Microsoft といった大手検索エンジンは Web マスター向けにガイドラインやサイト制作のための各種情報を提供して、検索エンジンがインデックスしやすい Web 制作の知見や知識を高めるための教育・啓蒙的活動も行っている。

(執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広)


記事提供:アイレップ

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