![]() ![]() ![]() ![]() 事例から見る大規模リニューアルと SEOこの記事のURLhttp://japan.internet.com/busnews/20081209/8.html
著者:株式会社アイレップ
国内internet.com発の記事
Web サイトのリニューアルを行った結果、検索エンジンからの集客数が大幅に落ちた、という経験をお持ちの方はいないだろうか。リニューアルは、検索エンジンからの集客力を大きく上げる場合も下げる場合もある。例として、ある企業の Web 戦略と SEO について紹介したい。
●あるメーカーサイトの実例 今回紹介する企業は、ある日本の家電メーカーである。この企業は、使い分けていた2つのブランド名を1つに統一するというブランド戦略の転換を行った。それに伴い、Web サイトでも2つのドメインから1つのドメインに統一するというリニューアルも実施された。 このドメインの統合は、高いレベルのユーザビリティ上の配慮が行われ、訪問したユーザーが混乱しないようにされている。しかし、SEO の観点ではいくつかの問題点があった。その結果、同社は検索結果から見つかりづらい状態になってしまった。
図は、「エアコン」「テレビ」など家電に関わる100ワードで、どれだけ同社のサイトが検索エンジンから見つかりやすくなっているかを示すための指標「ファインダビリティ(Findability)」(※1)スコアの過去半年の推移である。 縦軸がファインダビリティスコアのシェア率、横軸が時間の経過となっている。赤と青は、展開している2つのドメインを別に集計したもの、紫はこの2つを統合して集計したものである。 ドメインの統合を行った当月段階で、使用を中止した青色のドメインでのファインダビリティが急激に下がり、統合された赤色のドメインでは急激に上昇している。 この動きは当然と言えるが、問題は紫色の線、同社の2ドメインのうち良い順位を集計したスコアである。この数値が、その企業の Web サイトが検索エンジンから見つかりやすくなっているかを明確に示すものと考えられるが、10月段階でファインダビリティスコアが落ちている。つまり、2ドメインを統合したことで、検索エンジン経由での集客を行いづらくなったのである。 Web サイトのドメインを2ドメインから1ドメインに統合することはよくあることだろう。この時、検索エンジンからの見つかりやすさを「1+1=2」にすることは容易である。しかし、上記の例では「1+1=1.5」になっていると言える。 この原因は、SEO を考えずにドメイン統合を行ったことにある。理由としてはいくつかあるものの、最大のものは使用しなくなったドメインから使用するドメインへのリダイレクトが、JavaScript によるものであり、ユーザーが使用するブラウザに認識できても検索エンジンが認識しづらいものだったことである。 ユーザーの利用については配慮されたドメイン統合であっても、検索エンジンには認識しづらいものだったため、今回の結果になったと考えられる。もしも、このドメイン統合が検索エンジンにも配慮したものだった場合、企業全体としての検索エンジンからの集客力が落ちることはなかっただろう。 また、最大限 SEO を考慮したブランド統合を行った場合には、1+1を2ではなく、3かそれ以上に上げることもできたはずだ。しかし今回の例では、積み上げてきた検索エンジンからの評価を新ドメインに統合することができずに、価値の多くを捨ててしまうことになっているのである。 ●大規模なサイト改変と SEO サイトの統合や、一部コンテンツの別サイト化などのリニューアルは、デザイン性やユーザビリティの大幅な改善を行う機会となるが、少しのことから SEO 観点でマイナスとなってしまう場合がある。また、デザインに影響をおよぼさない少しの修正だけで SEO 観点で大きなプラスとなるポイントもある。 Google は、「ウェブマスター向けのガイドライン」としてウェブマスター向けに様々な情報を提供しているが、その中に SEO について説明を行ったページ(※2)がある。 11月22日現在の記述によると、「SEO の利用を検討している場合は早い段階での利用すべき」としている。これは、どのような時にでも早急に SEO を行うべき、ということではなく、Web サイト構築の初期から SEO 観点で注意を払うことを推奨する内容となる。 今回紹介した実例においても、初期段階で SEO の検討が行われていたならば、検索エンジンからの集客力を失うことにはならなかっただろう。もちろん、初期でなくとも改善を行うことは可能ではあるが、初期に行った場合に比べてより大きなコストが掛かることになる。 企業活動における Web サイトの重要性が増加し続ける昨今、展開する Web サイトに大規模なリニューアルを行う機会も多くなった。リニューアルは、ユーザー目線で行うことはもちろんのことであるが、SEO を取り入れたリニューアルを行うことで、真に効果を高めるリニューアルになることだろう。 Web サイトの大幅な修正、リニューアルを行う際には、SEO 観点での問題解決と価値向上を初期より検討することををお勧めしたい。 (※1)ファインダビリティスコアとは、検索エンジンから Web サイトが見つかりやすくなっているかを数値化とするために使われる指標である。今回は、調査するサイトの業界に関連する複数のキーワードの順位を取得し、1位を30点、2位を29点…30位を1点として数値化したものの和で示している。ファインダビリティスコアシェアは、調査したワードの全てで1位だった場合に100%、全てで30位圏外だった場合に0%となるように、シェア計算をしたものである。1キーワードでの順位だけではなく、ファインダビリティスコアを通して「キーワードグループ」での順位傾向を掴むことによって、その業界の様々な検索から Web サイトが見つけやすくなっているかを調べることが可能である。 (※2)同ページは単純に SEO の利用を推奨しているわけではなく、様々な悪質な SEO に対する警告も記載されている。SEO について注意すべき点も記載されているため、一読をお勧めする。 (執筆:株式会社アイレップ SEM 総合研究所 辻 正浩) 記事提供:アイレップ
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