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2009年1月20日 09:00

2009年 進化を遂げる検索――(2)独自コンテンツで検索サービスを強化する Yahoo! と次の一手

2008年から順次、日本でも対象コンテンツを地図、Blog、動画へと広げてきた Google ユニバーサル検索を追う形で、日本の検索最大手 Yahoo!JAPAN も同年11月から順次、“ユニバーサル化”を進めてきた。

「タスマニアデビル」と検索すれば画像を、「スニーカー」と検索すれば Yahoo! ショッピングを、「ガンダムOO 動画」と検索すれば動画を、「ホテル 新宿」と検索すれば Yahoo! 地図を、といった具合に、検索ワードに応じて Web 検索結果中に、その他のデジタルコンテンツを複合的に表示するようになった(いずれも2009年1月16日13:00時点の検索)。

※Web 検索に様々なコンテンツが混在して表示する形式を、米国では一般的に blended search と表現しているため、本稿もこれに倣い「ブレンド検索」と表記する。なお、ユニバーサル検索は Google のサービス名称である。

Google も Yahoo! もブレンド検索の UI は大差ないが、実は複合検索結果が出る確率は Google の方が多い印象だ。試しに SEM 総合研究所にて本年1月5日に、ユーザーの多くが画像を求める、あるいは画像を表示することが望ましいであろう検索ワード40個にて、画像および動画が表示される確率を両検索エンジン間で比較する調査を実施した。この結果によると、Google は8割に対して Yahoo! は3割の確率で動画または画像を表示した。

Yahoo!JAPAN が低めになったのは、検索ワードに「画像」を含めなかったためだ。同検索エンジンは基本的に「画像」というクエリを含めなければ画像結果は表示されない。当然ながら画像クエリを含めれば表示確率は100%となる。

ただ、検索ユーザーの中には画像という言葉を含めると画像が手に入りやすいことすら知らない人も少なくないので、クエリから必要であろう情報を推し量り表示する Google が親切といえる。ただし、Google はたとえば「こいのぼり 画像」と画像クエリを指定しても、画像を表示するわけではない。

それはともかく、現在の Yahoo!JAPAN のブレンド検索は、表示エリアがスポンサードサーチの上、または自然検索の4番目という枠に限られているほか、特定クエリを入力しない場合は基本的に表示されない(例外あり)、Google と異なり部分的なワード一致という理由だけでニュースを表示しないなど、全体的に見ると私の所感では2007年から地道に開発・改良を続けてきた Google に一日の長があるように思える。

ただ、Yahoo!JAPAN も今後チューニングを重ねていくことでクエリのインテント(検索意図)を推定し、それに応じた検索結果を表示するように改良されていくようになるのではないだろうか。

さて、検索結果の複合化・ブレンド化は世界的なトレンドの1つであるが、Yahoo!(US、JAPAN)には Google にはできない強みが1つある。それは、自社で編集したコンテンツプロパティを持つことにより、検索と巧みに統合し、プロパティ間でユーザーのトラフィックを流すことができる点だ。

たとえば、「レストラン 渋谷」で検索をした際、Google はクロールで収集したページあるいは Google マップに登録されたお店のリンクを表示するため、クリックした先で取得可能な情報や可能なアクションは店舗サイトに依存する。サイトの完成度が高いお店であれば料理の写真や予約の方法、営業時間など様々な情報が取得できるが、一方でテキスト文字しかないもの、ナビゲーションが不便なサイトも少なくない。

対して Yahoo!JAPAN の場合は自社で編集・整理した Yahoo! グルメに誘導できるため、どのお店をクリックしても一定の情報をクチコミも含めて取得することができる。

Google はあくまで世界中のコンテンツをクロールして検索性を高めているだけにすぎないが、Yahoo! のそれは検索と自社で保有し作り上げたコンテンツを一緒に提供できるため、ユーザー体験という観点で見れば Yahoo!JAPAN のそれが優れているともいえよう。

Yahoo!JAPAN は着々と自社プロパティとの連携を深めているが、こうした強みをアピールしていけば検索利用者数でまだまだリードを保ち続けることが可能ではないだろうか。

Yahoo!JAPAN の取組みについてざっと説明してきたが、米国ではまた違った動きをしている。Yahoo! US はオープン戦略に基づいて、Yahoo! の検索インフラを活用して新たな検索サービスを開発できる Yahoo! Search BOSS、ユーザーが好みに応じて検索結果をカスタマイズできる SearchMonkey など、日本と異なり劣勢な立場にあるからこその挽回戦略をとっている。

Search BOSS は Hakia や Me.dium などのソーシャル検索にも採用され、他にも新興検索エンジンが BOSS を使ったユニークな検索サービスを投入しつつある。SearchMonkey も同社の発表によると検索結果のクリック数は上昇傾向にあるということで、それなりの成果は見えつつある。

世界的には Google が支配する検索エンジンだが、こうした Yahoo! US の取組みによって、(コストの関係で)日の目を見なかった新興会社による検索技術が登場することで、再び Google キラーと呼ばれる検索エンジンが多数出てくる日が来るのかもしれない。

(執筆:株式会社アイレップ 取締役 CSO SEM 総合研究所所長 渡辺隆広)


記事提供:アイレップ

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