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2009年2月5日 10:00

検索をするのは「機械」ではなく「人」である

P4P(リスティング)広告の世界は、この2〜3年の間に多くのツールや機能が誕生し、大きな変化を遂げてきた。自動入札ツールや、LPO(ランディングページ最適化)ツールなどの登場が最たる例であるが、Overture や Adwords の管理画面内の操作によってタイトル&説明文の最適化検証なども実現可能となった。

しかし、そこで決して忘れてはならないことがある。それは、検索するのは「人」であり、「機械」ではないということだ。すなわち、どんなに高性能なツールであっても、検索する「人」にとって何が最適なのかを調査・検証するツールでなくては利用価値がない。

冒頭であげた通り、様々なツールや機能が誕生してきた。その中で、P4P の運用・管理をする側(広告主・代理店)が常に意識していなければならない、検索ユーザー心理にマッチした訴求、つまりタイトル&説明文やランディングページの最適化という課題に関し、費用対効果が厳しく見られる時代であるからこそ改めて立ち返ってみたい。

タイトル&説明文にフォーカスして考えると、よりクリック率を上げることだけに着目して文章を推敲している傾向がある。現在の、Overture・Adwords の順位決定の仕組みを考えれば、ある程度仕方ないことなのかもしれない。だが、それは本当に正しいことなのであろうか。

極論ではあるが例えば、中古車販売を手がけている企業が、「今クリックしたら全部タダです」や、「先着100名に、100万円プレゼント」という広告文であれば、クリック率は非常に高くなることが想定される(もちろん、実験できるものではないので、あくまで推測の域を超えないが)。しかし、これが P4P のタイトル&説明文における正解かと問われると、中古車販売に結びつくとは考えにくく、当然正解とは言い難い。

また、人材派遣会社の場合、新規の派遣スタッフの登録・応募を狙っての P4P 出稿を行うのが主流であるが、現在の不況下では職を探す人が多く、登録・応募数がほんの一昨年に比べて急増している状況にある。

しかし一方では、登録・応募をしてきたスタッフの対応に手が回らなくなったり、スキルや経験を持ったスタッフが少なく、企業側の受け皿が少ないという状況も生まれているようである。(筆者の情報が断片的な情報である可能性もあり、必ずしも各社に当てはまるとは限らないが)

こういった状況を考えると、ひとことで「コンバージョン率が高い」ということが本当に成果と言えるだろうか。仮に数が少なくとも、本当に求めている人材を獲得できる方が成功といえるのではないだろうか。

これまで述べてきたことはすべて、検索する「人」と P4P の出稿側での期待値が鍵を握っていると考えられる。

例えば、全く同じ味・量のラーメンが、ある人にとっては70点くらいのものであったとして、どうしても食べたくて2時間も並びようやく食べられた時と、本当は他のものが食べたい状況で、また店構えも綺麗ではないお店で食べた時とでは、どちらがおいしく感じるだろうか。

要するに、事前の期待値と、その期待に対する応えとのギャップが、答えに対する満足度を変化させ、その次の行動につなげられるかどうかを決定するのである。

これは、P4P においても同様のことがいえる。前述のような広告文でクリックを獲得できたとしても、その先のランディングページで全く別のことを表現していれば、クリック時に持っていた期待に応えることはできず、結果として、離脱してしまうこととなる。

逆に、例えば、物販の会社が広告文では「●●は2,000円です」と表現し、検索ユーザーがそれを見てクリックした場合。クリックした先のランディングページで、実際に記載されている値段が1,500円となっているとしたらユーザーはどんな反応を示すだろうか。クリック時に持っていた期待値を上回ることができ、結果として購入へ結び付けられる確率が上がると想定される。

とはいえ、最初から期待値を下げすぎると、そもそもクリックを獲得できないという事象も起こりえるため、その加減を検証する必要がある。そこで初めて、上述のようなツールを活用し、事前の仮説と、実際の成果の整合性を検証し、新たな仮説を立てていくという、いわゆる PDCA サイクルを回していくというフェーズに入るのである。

しかし、事前の仮説立案の方向性を間違えた場合、どんな万能なツールを活用したとしても、恒常的な成果の向上へは結びつかない。必要なのは、検索する「人」が何を考えているか、どんな「人」なのかを考え、その「人」に対してどういった訴求を行うのか(または行わないのか)を考えることである。

非常にアナログな考えと捉える方もいるかもしれないが、こういった当たり前のこと、基本的なことほど忘れられがちである。時には初心に立ち返ってみるのもよいのではないだろうか。

(執筆:アウンコンサルティング株式会社)


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