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2009年3月17日 09:00

リスティング広告とオフラインコンバージョン操作、またその成果指標

去る2009年2月17日から19日まで、米国のソルトレイクシティにおいて開催された「Omniture Summit 2009」に参加をした。今回、その中から特に興味深かったリスティング広告とオフラインコンバージョンの扱い方、その際の成果指標 ROAS と COGS の今後の展望についてお伝えしたい。

まず1つ目、リスティング広告とオフラインコンバージョンの扱い方であるが、皆さんはこれら両者を適切に活用できているだろうか。私のこれまでの経験からすると、リスティング広告とオフラインコンバージョンを適切に紐づけて、費用対効果の観点から分析できている企業は、まだまだ少ない。

そんな中、Omniture Summit では、オフラインコンバージョンを取り込んだ全体最適を行っている米国企業の事例が紹介された。

事例で登場した企業のビジネスモデルは、通販サイト運営、その他営業・コールセンターでのアプローチなどだ。マーケティング担当者は特に、リスティング広告が売り上げに重要だと考えていた。しかし、もっと売り上げを伸ばすために何か策はないかと思い、次の2つの施策を実行した。

(1)オフラインのコンバージョンである電話注文をトラッキングする
(2)リスティング広告を手動入札から自動入札制に切り替える


(1)の施策からは約50%がコールセンターを通じてオーダーしていること、オンラインオーダーより電話注文の方が平均単価が高い、といった結果が判明。また(2)の施策からは、今まで不可能であった細かいキーワードごとの入札が可能となり、キーワードレベルで成果を見ることの重要性が判明した。

つまりこれらの試みにより、リスティング広告での ROAS 測定だけでなく、オフラインコンバージョンでの ROAS 測定、またリスティング+オフラインでの ROAS も測定が可能となった。そして、各々でどのような対策を打っていけばよいか思案することも可能になり、マーケティング全体の予算も適切に配分(どの広告へどの程度予算を配分するべきかの試算)することが可能となった。

この企業ではこれらの施策を行った結果、売り上げが約10年で100倍以上に上るほどの成果を挙げている。(もちろん前述施策以外のおかげもありはするが)

そして2つ目、成果指標 ROAS と COGS の今後の展望である。今回の事例では前述施策のさらなるチャレンジとして、ROAS に加え COGS という指標を用いている。

皆さんは、成果指標に何を用いているだろうか。現在リスティング広告費と売上を紐付けた場合の成果の指標は、ROAS が日本では主流である。しかし、そこへ COGS(つまり Cost of Goods Sold = 売上原価であるが)という指標も同時に用いることによって広告費と利益、という考えからさらに一歩進んだ運用が可能となる。

例えば ROAS を指標とした場合、どんなに努力をしたとしても広告費の最適化を行うことにおさまってしまう。しかし ROAS に加え COGS も指標にすることで、製品の原価を考慮した上での利益率を試算することができる。さらに製品ごとの正確な広告費の算出も可能となる。

これが把握できれば、すでに ROAS を指標として自動化した入札ルールに対し、さらに COGS の観点から細分化したルールを敷くことができる。それはより効率的な運用を行うこととイコールとなるのである。

またリスティング広告だけでなく、オフラインでの広告費・コンバージョンを含めることによって、より包括的な運用も可能である。解析ツールの中にオンライン・オフラインのデータを取り込み、セールスチャネルの成果を一元管理できるようになれば、今まで把握できていなかった、または把握することにひどく時間の掛かっていた、利益率等の数値を比較的短時間・少ない労力で集約できる。

そしてその分の余剰を、ROAS と COGS のバランスを見たルールを決定することに時間を割くことで、広告全体でのさらなる効率化・最適化が図れるだろう。

これらを実際に行うためにはツールの導入など、コストや工数がかかってしまう。しかし事例からも分かるとおり、その投資以上の効果が得られることが実証されている。そのため、導入に踏み切る企業がアメリカでは増えている。

今回は Omniture Summit という場での事例紹介ということもあり、使用しているツールは SiteCatalyst、SearchCenter だった。しかし今、日本では様々な解析ツール、自動入札ツールが日を追うごとに登場している。そういったツールが増えるにつれ、今後は日本でもツール上陸の波と共に、リスティング広告とオフラインコンバージョンのさらなる操作・管理が求められてくるのは必至である。

(執筆:株式会社アイレップ リスティングサービスグループ 榎本裕子)

記事提供:アイレップ

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