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いくつご存知ですか?海外のクラウドソーシング事例をまとめてみました「クラウドソーシング」とは、インターネットを通じて不特定多数の人々に業務をアウトソーシングすることだ。
広く群衆の意見や知恵を集め、経営に活用するという考え方が一般的になりはじめたのは「The Windom Of Crowds 〜 みんなの意見は案外正しい」あたりからだろう。それ以降、同様のコンセプトを含む書籍は毎年のようにヒットし、IT 業界のイノベータから注目されている。 ・2004年:The Windom Of Crowds「みんなの意見は案外正しい」 ・2006年:Wikinomics「ウィキノミクス」 ・2007年:We Are Smarter Than Me「クラウドソーシング」 ・2008年:Groundswell「グランズウェル」 ・2008年:Crowdsourcing(日本語翻訳は未発売) ネットにより集合知を活用する手法は、書籍の影響もあり様々な呼ばれ方をしていたが、ここに来て「クラウドソーシング」という言葉が定着しつつある。しかしながら、どのようなクラウドに対して、どのような仕事を依頼し、どのように群衆の知恵を集約していくかという観点で、横断的に多くのサイトを分析しているものはまだ無いように思われる。 このコラムにおいては、数回の特集シリーズを組み、クラウドソーシング・サイトの具体的な今を紹介していければと思っている。集合知の集約メカニズムは「競争」「共創」「市場」の3つがあり、その観点から分類すると次のようになろう。 1.オープン・コンペティション型 不特定多数の専門技術者をクラウドとして、オープンに解決策やサービス、アイディアを募集するタイプである。適用分野としては、R&D、プログラミング、デザイン、音楽等があり、知識を集約するメカニズムはクラウド間でのオープンな公募やコンテストである。最も多いタイプで有名なものでは、R&D の InnoCentive、Tシャツ販売の Threadless、プログラミングの TopCoder などがある。 ・研究委託系:InnoCentive 化学系など多様な R&D 課題の解決策を1万6,000人の世界中の技術者に対して広く公募。他に共同・委託研究もある。 ・Web 開発委託系:oDesk IT 技術に特化し、20万人の Web 開発者に業務を委託。スキル試験や画面監視を特長とし、時給制をとっている。 ・マイクロタスク系:Amazon Mechanical Turk Amazon が主催する数セント程度の簡単なマイクロタスクの依頼サイト。仲介手数料は10%である。 ・プログラミング系:TopCoder 独特のノウハウを持つプログラミングコンテストを常時開催している。世界の天才が集結する。 ・写真素材系:iStockPhoto 写真、イラスト、ビデオ、音楽、Flashファイル等を広く集め販売する。品揃えと低価格($30)さがウリ。 ・クリエイティブ系:crowdSPRING 賞金は$500程度のデザイン公募で平均70件の投稿がある。世界中からレベルの高いクリエイティブが集まる。 ・ネーミング系:NameThis 新規事業系サイト Kluster の派生サービス。$99のコストで48時間以内にネーミング候補が提示される。 ・バナー系:C-TEAM リクルートによるパナー制作ソーシング。複数バナーが選定され、実際のクリック率でランキング。 ・T シャツ販売系:Threadless デザインを公募するTシャツ販売サイト。賞金総額は年1億円だが既に黒字化。ポイント活用がうまい。 2.コラボレーション型 一般大衆をクラウドとしてネット上でコラボレーションを促進し、共同でアイディアやコンテンツを練り上げていくタイプである。最も有名なのが Wikipedia である。また DELL の Ideastorm や LEGO の Mindstorm など、企業が構築する顧客向けコミュニティや、無印良品などの顧客共創型の商品開発もこのタイプに分類できる。 ・ブランドコミュニティ系:DELL Ideastorm DELL 顧客向け。2年間で9,000件以上のアイデアに対して60万件以上の投票がされ、200件以上の製品改善が実現された。 ・商品開発系:無印良品モノづくりコミュニティ 商品アイディアから、デザイン、試作、製品化まで巧みに顧客の知恵を活用し、大ヒット商品を生み出している。 ・新規事業系:Cambrian House 新事業のアイディアを公募し、仲間を集い、練り上げるメカニズムを持つ。コミュニティが Web 開発も担当する。 ・情報共有系:MIKE2.0 Methodology 大手 IT コンサル会社べリングポイントが主催する情報管理コミュニティ。Wiki を活用し、顧客も編集に参加する。 ・ニュース系:Digg 大規模で著名なソーシャルニュース。ユーザーが記事に対して投票し、得票数の多いものから順に掲載する仕組み。 3.予測市場型 最も古くからある集合知の活用方法である。未確定要素を株式と同様に証券化し、その売買を通じて未来を予測する手法である。最も有名なものは、1996年創業、映画興行予測の Hollywood Stock Exchange だろう。その精度の高さには定評がある。2006年アカデミー賞では主要8部門を100%、2007年では88%を的中させ。映画評論家や Yahoo!映画サイトをはるかに上回る成績を残している。 ・選挙結果系:Iowa Electronic Markets 1980年代から開始された選挙予測をテーマとした老舗事例。2004年大統領選挙で平均誤差1.33%で結果を予測した。 ・映画興行系:Hollywood Stock Exchange 市場メカニズムで映画興行や賞予測を行う。映画関係者がファン予測を販促や制作にビジネス活用する。 ・時事問題予測系:News Futures 自社のみならず、積極的に外部にシステム提供(約4,000件)。成績優秀者は仮想通貨の残高を商品と交換できる。 ・顧客要望集約系:はてなアイディア ユーザーの要望や不具合を証券に見立て、仮想市場での株式取引を通じて、要望や不具合の適正な価値を見出す。 これら3つのタイプを、適用分野やクラウドの種類をサブ項目として集約すると次のような表にまとめられる。 今後、このコラムでは、これらのクラウドソーシング・サイトのうち特長あるものをピックアップし、具体的なサービス内容、差別化の手段、実際のアクセス状況、ビジネスモデルなどをシリーズで紹介していきたい。 執筆:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 監修:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造
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