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不況だからこそ見出すビジネスチャンス2008年日本の総広告費は6兆6,926億円、前年比95.3%と5年ぶりに減少(出典:電通2008年 日本の広告費/2009年2月発表)。一方、インターネット広告においては、前年比116.3%の6,983億と伸長した。
単純に上記を見た場合にはインターネット広告は堅調であり、その他のマス媒体から広告費がシフトしていると考えるだろう。もちろん、それに応じて広告主が求める効果が得られていることの裏づけかもしれない。 これだけを見るのであれば、インターネット業界にとって見れば明るい兆しかもしれない。一方、筆者においては数字を鵜呑みにしてもよいものかという懸念も発生する。 確かに、インターネット広告は伸びている。かつ伸びを牽引した主因は Overture や Adwords に代表される検索連動型広告である。ただし、全ての業界・業種において伸びているかというと決してそうではなく、金融、人材など昨今の不況の煽りを最も受けている業界においては、広告出稿が激減していると感じている。 特に、検索連動型広告は広告特性上、広告/宣伝といった利用のされ方よりも販促観点での利用のされ方が多く、直接販促としての出稿ではなかった業界や広告主においては、明らかに広告費を削減している動きも見受けられる。 テレビ CM やバナー広告など、とりあえず何かしらが露出されている広告媒体では変化に気づきにくいかもしれないが、検索連動型広告の世界はわかりやすい。広告出稿主や入札単価などにマクロ的な動きが如実に現れる。 以下に人材業界を代表するキーワードでの広告出稿主の比較を記載してみた。出稿主数を比較していただきたい。約2年前と比較して広告主が激減していることが明白である。 キーワード「転職」 2007年2月 Overture 出稿主数:146社(Yahoo!JAPAN 東京での検索表示数) 2009年5月 Overture 出稿主数:14社(Yahoo!JAPAN 東京での検索表示数) キーワード「派遣」 2007年2月 Overture 出稿主数:98社(Yahoo!JAPAN 東京での検索表示数) 2009年5月 Overture 出稿主数:10社(Yahoo!JAPAN 東京での検索表示数) 出稿主数はおおよそ10分の1程度まで激減している。もちろんこれまで出稿していた企業が出稿を止めた理由として様々な要因があるのかもしれないが、筆者が定点観測する限りでは、明らかに市況に連動した動きを見せている。 単純にこれを見る限りでは、業界全体として厳しいと思うかもしれない。だが、果たして本当にそれだけだろうか。 例えば人材業界においても、「看護師」を代表するような医療/福祉の業界において広告出稿主は減少していない。筆者が記憶する限り、過去と比較してむしろ出稿主は増加しており、クリック単価も高騰傾向にある。業界全体としては厳しいながらも一部特定の業種や職種においては、今まで以上の需要を見せているのである。 また、「転職」や「派遣」など広告数が減少しているキーワードを継続して出稿している企業にとっては、広告の減少に伴い、相対的に競争も薄れるため、各広告主が設定する上限クリック単価も低減、または過去と同一の上限クリック単価を設定したとしてもより上位に表示される可能性が高くなる。 その結果として、過去と比較してより安価により多くのクリック数を得ることができる。筆者が経験する限りでは、クリック単価が2年前と比較して4分1の以下となっているケースもあり、単純に広告効果が4倍以上になっているケースもある。 継続して出稿している広告主にとってはこの不況だからこそ競争が低下し、過去と比べて広告効果が増大している企業も珍しくない。 また、競争が低下し、これまでよりも安価に効果が得られるとなった場合に、恩恵を受けられるのは何も直接的に関係のある業界だけではない。これまでその競争性から出稿を見送っていたキーワードにおいても、この市況だからこそ改めて出稿するチャンスがあるとも考えられる。 例えば、モバイル検索連動型広告においては「転職」など人材に関わるキーワードを検索した際に、仕事に関わる占いサイトの広告表示も見られるようになってきた。 これまでは、その競争性からか出稿としてはほぼ皆無だったと記憶しているが、広告主が減少し、効果を得られるチャンスということの裏づけかもしれないし、上記は何も人材業界のキーワードにだけいえることではない。これまではチャンスが無かったと思われている業界やキーワードにおいて、この市況だから新たに生まれてくるチャンスがあるかもしれない。 単純に不況だからといって広告を取りやめるのではなく、この市況だからこそマクロ的な動きを読み、新たにビジネスチャンスを発見し切り開いていくのが、今の時代、次の時代を生き抜くために必要不可欠だと考えるのは筆者だけだろうか。 (執筆:アウンコンサルティング株式会社) 関連記事
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