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Twitter をいかにビジネスに活用するか?〜国内外の活用事例とその分類Twitter の強力なリアルタイム・クチコミパワーに、新しいマーケティングの可能性を感じているイノベータは多い。著名な大企業から個人にいたるまで、多様なビジネス活用アプローチが行なわれ、全世界でトライアル&エラーが行なわれている。
この状況は Blog 創世記、プロモーションやビジネスに活用されはじめた時のようだ。ビジネス Blog で最初の成功事例である「日産 TIIDA BLOG」の登場は2004年9月。それ以来、大企業から街のワインショップやパン屋さんにいたるまで実に幅広い活用事例が生まれ、今では一般企業にも広く浸透している。 Twiiter は「ミニブログ」とも呼ばれ、「ブログ」にリアルタイム性やフォロー機能を付加したサービスであり、Blog のビジネス活用状況は今後のビジネス Twitter を占う意味で参考になるはずだ。本題に入る前に、ビジネス Blog の活用状況に関するリサーチ調査を確認しておきたい。 では、Twitter のビジネス活用ついて、国内外の事例をもとに、類型化しながら具体例を見ていきたい。 (1)顧客コミュニケーション・タイプ Twitter の特長のひとつにフォロー機能(その人の Tweet(つぶやき)を閲覧する機能)が挙げられる。 片方のフォローだけだと一方的な情報配信となり、お互いがフォローしあうことで初めて双方向の交流、SNS における友人関係になるわけだ。ここがポイントで、ユーザーが企業をフォローした後、企業がそのユーザーにフォロー返しをしているかどうかによって、Twitter 活用の性格は大きく異なってくる。 フォローしている数とフォローされている数が近い企業は、積極的に顧客との交流を心がけている企業アカウントといえる。具体的な例を見てみよう。(括弧内は、2009年7月14日現在のフォローしているユーザー数、フォローされているユーザー数) ■スターバックス @Starbucks(138975,248287)⇒ 顧客との直接コミュニケーションで顧客との関係性強化 ■ハイアットホテル @HyattConcierge(3616,3531)⇒ コンシェルジュサービスを提供 ■シアーズ @MySears(2001,1277)⇒ 顧客との直接コミュニケーション、バーゲン情報配信 ■Kマート @KmartDealsnNews(1081,1446)⇒ 顧客との直接コミュニケーション、バーゲン情報配信 ■JetBlue 航空会社 @JetBlue(118888,878953)⇒ 顧客応対窓口、フライトアナウンス等 ■アルク英辞郎 @eow_alc(1829,1923)⇒ 検索のコツや新語の解説、他コンテンツの更新紹介 ■ビザハウス NAKEDpizza @NAKEDpizza(5065,5036)⇒ 顧客応対窓口、多様な情報を配信 ■日本オラクル @Oracle_Japan(239,432)⇒ 顧客コミュニケーション、ニュースリリースの配信 これらの企業は、顧客との直接コミュニケーション手段として Twitter を活用している。規模にかかわらず小売業やサービス業が目立っている。最後にあげたビザハウス NAKEDpizza は、実際に様々な実験を行い、売上の15%を Twitter からあげられるようになったとのレポートが記事になっているので、そこから一部ポイントを抜粋したい。 ・NAKEDpizza は、ニューオーリンズにあり、商圏5Km の地元密着の普通のピザハウス ・Twitter は顧客とのリアルタイムコミュニケーション・ツールとして活用 ・最も効果的なのは、消費期限に近いピザの割引販売のような、リアルタイムでお徳な情報 ・ただし、セール情報だけ流してはだめ。地域ニュースやトリビア、役立つ話などを交え、ユーザーと会話することが大切 ・このピザハウスではすべての売上をどのような経路で発生したか分析している。売上の15%は Twitter から発生 特に米国では Twitter が普及している(デイリー訪問者比較で、米国は30万人、日本は3万人)ので、小規模ショップでの活用事例も目立って増えている。 例えば、次のリストは「何曜日の何時はどこにいます」という情報を流している米国移動食べ物屋さんリストなどだ。Twitter は、無料でリアルタイム情報を顧客に告知できる媒体として、このような小規模小売業にとって大いにプラスとなっている。 また、米国 JetBlue 航空では Twitter によるリアルタイム顧客応対を重視しており、その事例を一部公開しているので紹介したい。 ・JetBlue 航空では、Twitter 管理人が常時顧客からの Tweets を監視 ・その管理人が、空港のチェックインカウンターに担当者がいないと Tweet されたことを発見 ・クレームに即時対応するために、関係組織に手配 ・対応を確認後、Tweet へ返信「10分後に担当者が向かいます」 顧客とのコンタクトポイントは多様化しているが、米国では、Twitter が最も気軽にリアルタイムコミュニーションできる重要なタッチポイントとして認識されつつある。 ここで Skype などの IM との最大の違いは、Twitter ではオープン型のコミュニケーションを重視している点だ。Twitter にもダイレクトメッセージというクローズ型会話方式があるが、多くの企業は公開された形でユーザーと会話している。これにより、企業はオープンで公正な対話姿勢をアピールでき、またユーザーも無理難題を言いにくい場となっている点が注目される。 (2)情報配信タイプ もう一つのタイプは、企業がユーザーをフォローしない情報配信タイプだ。ただしつぶやきに URL を入れることで自社サイトに招くことができるため、単純な一方通行のコミュニケーションとは少し異なる点に注意したい。 ■Dell @DellOutlet(24,857755)⇒ 新製品、安売り情報等を配信して、自社販売サイトに誘導 ■Jwave @jwave(1,948)⇒ オンエア中の曲情報を流し、自社 CD 販売サイトに誘導 ■青森県庁 @aomoriPref(0,998)⇒ 行政情報等を配信 ■日本 IBM @IBMJapan_PR(0,1171)⇒ ニュースリリースを配信 特に、Dell の@DellOutlet アカウントは、アウトレット商品情報を配信することで300万ドル以上を売り上げたとされる最も有名な Twitter 成功事例だ。Dell は Twitter 活用の先進ユーザーで、実に80を超えるアカウントを目的別に使い分けており、中には顧客コミュニケーション型も存在している。詳しくは Dell の Twitter アカウント情報を参照されたい。 また Jwave 事例は、リアルタイムにオンエアしている楽曲名とアーティスト名を表示して自社の CD 販売サイトに誘導するという、ラジオ媒体とコマースとうまくミックスさせたモデルである。DJ というオーソリティ、ながら視聴というメディア特性、感性による衝動買い、という3つの要素をうまくブレンドした事例として実に興味深い。 (3)BOT を活用した自動返信によるコミュニケーション さらに、BOT と呼ばれる自動返信機能を活用した事例も多数ある。 ユーザーが一定の文法に従って Twitter アカウントにメッセージを送信すると、自社データベースと照合されて情報が自動返信されるもので、典型事例として、食べログ(「@tabebot 駅名」で、該当 URL を返信)や、クックパッド(「@recipetter 食材」で、お勧めレシピ URL を返信)等があげられる。 また単純に特定時刻にニュースを自動配信するサービスや、ゲームキャラによるメッセージ自動配信サービス等もある。 Twitter による BOT 事例は、「Twitter の便利な BOT」というページ(企業事例も多く含まれる)で丁寧に紹介されているので参照されたい。 (4)キャンペーン活用タイプ Twitter をキャンペーンに活用し、集客やクチコミ効果を計ろうとする事例だ。 ■マツダ @MazdaRotary(121,262)⇒ ブログパーツと連動したキャンペーン ■ソニーピクチャーズエンターテインメント「ターミネーター4 @resistance_jp(1896,762)⇒ 映画キャンペーン マツダの事例は、2007年春のロータリーエンジン40周年キャンペーンを舞台に、まだ当時知名度も低かった Twitter をブログパーツと連動させた実験色の強いもので、概要は次の通りだ。 ・ロータリーエンジン40周年記念日のカウントダウン・プログパーツを配布 ・ブロガーが Blog に設置され、そこからロータリーエンジンの思い出を投稿 ・ファン同士がロータリーエンジンの思い出を共有 ・マツダ Twitter アカウントで、ファンから集めた思い出コメントを紹介 また現在進行中の事例として「ターミネーター4」のキャンペーンがある。ファンにターミネーターの世界を疑似体験してもらいながらクチコミを広げていく興味深いアプローチをとっている。 (5)それ以外のビジネス活用について 最初に紹介したビジネス Blog の活用事例を参考にすると、例えば、社長ミニブログ、広報・リクルーティングにおける活用などが考えられる。 また高度な使い方としては、2009年3月に公開された Twitter の Oauth 機能を利用して、自社サイトのログインを Twitter アカウントで行い、Tweet を Twitter に送信したり、逆に TwitterSearch 機能を利用し、特定キーワードで Twitter 内の Tweet を自社サイトに表示させるといった、自社サイトと Twitter のリアルタイム連係が非常に有望である。 これらの機能を利用すると、自社で個人情報を持つことなく、Twitter でのクチコミや集客が見込めるため、今後、プロモーション等に活用されるケースが増大すると予想している。 以上、Twitter のビジネス活用を類型化して紹介した。 なんと言っても Twitter の最大の魅力は無料なことだ。ちなみに唯一の広告であるトップページバナーの料金は、一週間フル表示で、米国1,000万円、日本200万円である。また30-40代男性で、高収入の初期購入層が中心であるというユーザー特性もその媒体的魅力といえる。 まだ日本では普及途上でデイリー訪問者が3万人のレベルだが、無料であり、かつ今後大きく広がっていく可能性のある有望なメディアである。早いタイミングで実験的活用を検討されることは、有意義で価値のあるものだと筆者は考えている。 なお、本コラム執筆にあたり、Twitter とGoogle Moderator を通じて多くの方にご協力いただきました。特に、toshitsubo 様、山本@五反田様、APC_Sano 様、ssc 様のご意見は参考にさせていただきました。 今後も、当コラムにおいては、多くの皆様のご意見をもとに執筆させていただきたく、よろしくお願いいたします。 ■筆者 Twitter アカウント http://www.twitter.com/toru_saito/(フォロー大歓迎です) ■当コラム会議室 http://moderator.appspot.com/#16/e=a6813(毎回ここでアイディアの投稿や投票を募ります) 執筆:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 監修:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造
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