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ブラウザはいつから次世代 OS になったのか?「われわれは、インターネットを Windows、MacOS、そして DOS に続いてサポートしなくてはならない4番目のデスクトップ OS として見ている」というのは、McAfee のある幹部の発言で、DOS という言葉からも分かるように、これは1996年のものだ。
筆者は、即時利用開始可能なネットブック用の高速起動 OS を2010年までに開発するとの Google の発表を受け、ブラウザが次世代 OS になるところまできて、しかも今ではおそらく4番目の位置ではなくトップに躍り出た経緯を探るべく思い出をたどるのも面白いだろうと考えた。 もちろん、ごますり的に Google の発表に反論すると、高速起動の信頼性の非常に高い Web OS はすでに存在する。それは「OS X」と呼ばれるもので、筆者の MacBook はふたを開けてから Web サーフィンを開始するまで約5秒しかかからない。多くの Windows PC と異なり、高度なパワーマネジメントテクニックを把握しておく必要はなく、スパムやウイルスの防止知識もほとんど不要でここまで機能する。 しかし、1990年代前半の過去の遺物の時代を振り返り、McAfee の発言が飛び出した背景を探ってみたい。 基本的にハイパーリンクされたテキストページのみであり、文字しか表示しない初期の Web ブラウザには文字通り注目すべき所はない。1992年に、当初 UNIX や VMS ターミナルユーザー(当時はこのような呼び方をしていた)向けに設計されて当時人気の高かった Lynx のことだ。 少し考えてみたい。これはインターネットのアダルトコンテンツも、Netscape の新規公募も、真の Windows もなく、Web サーバーも数百台以下だった時代のことだ。今日の基準で考えてもあまり面白くない。 その後、Microsoft が参入していろいろな変化が見え始めた。Windows 95の登場により、グラフィカルな Internet Explorer の到来となったが、これは皮肉なことに Netscape が自社ブラウザ(そしてその後の Firefox)の開発基盤にしたのと同じコードをライセンスしたものだった。Windows 95には IE と Windows Explorer の両方が付属し、Web ページのブラウジングとデスクトップ上のファイルのブラウジングは同じようなことだ、との理由から両者には同じような名前が与えられた。だが、本来の統合が実現するのは Windows 98とほぼ同時に登場した IE v4になってからで、両者は米司法省が訴訟を起こすほど密接に統合されていた。 だが2002年末、Microsoft は法的に独占企業と判定され、以降は別のブラウザをインストールしたいユーザーのために Windows から IE を切り離す手段を提供することを余儀なくされた。 1990年代半ばには Windows OS で TCP/IP プロトコルのサポート改善が見られたが、Microsoft が Office 2000製品の一部として同梱可能になるまでブラウザを改善できたのは、実際は Windows 98 Second Edition が登場したときだった。 それまでは、ドライバやアドオンユーティリティが別々に用意されており、AOL や Compuserve のダイヤルアッププログラムの利用に加え、あらゆる面で面倒を見ないとネットに接続することができなかった。 IE が Windows にどれだけ慎重に統合されているのかを示す例として、Microsoft が Vista と一緒に IE v7をリリースした当初、最新版の IE を以前の OS にインストールするには、まず手元の Windows のライセンスが合法かどうかを検証する必要があった。ただ、この制限はその後取り除かれている。 また、Microsoft は先ごろ、次期バージョンの Office 2010では Web の統合がさらに進み、Google Docs と同様の方法でオンラインドキュメントを作成する機能が加わることを発表している。ドキュメントがデスクトップ以外の場所に保管され、Web ブラウザ経由で管理される Google Docs は、それ自体が興味深い進展だ。インターネット回線に接続されている限り、ドキュメントを編集したり、スプレッドシートを計算するのにローカルマシン上にはソフトウェアが一切必要ないのだ。 では、OS の真の目的は何なのだろうか? 当初は、ローレベルのプログラムを書かなくてもアプリケーションがプリンタやハードディスクとやりとりしたり、画面上に文字を表示できるよう PC の各種部品を管理することが目的だった。だが、PC の時代の幕開けから3つのことが起こった。 まず、Web やクラウドコンピューティングがよりパワフルになり、自分の情報がどこにあっても気にしなくなった。ある意味、ドキュメントがクラウドにあると世界中のどこからでもそれを共有することが容易になり、障害となる VPN や LAN ファイル共有などの各種技術を心配する必要もなくなった。さらには、Web OS を搭載した「Palm Pre」のような携帯電話も登場し、アプリケーションを電話機にダウンロードしなくてもクラウドの中で実行できるようになった。少なくとも、開発者がこれら Pre 用アプリの開発キットをようやく入手できる今夏終わりにはそうなるだろう。 2番目に、デスクトップ OS の成熟にともないハードウェアがより一般化し、(これが占める割合に合致するよう)OS の役割が拡大したため、基盤のハードウェアを意識する必要がなくなった。Vista 用のプリンタドライバはいまだに少なく、64bit アプリも多くはないが、大体の場合においてわれわれに「シック」デスクトップ OS は必要ない。確かに、OS を必要とするエンタープライズアプリがあるし、なかには特定のバージョンの Windows を必要とするものもあるが、われわれの計算処理の大半は OS にほとんど触れることなくこなすことができる。 最後に、Windows のデファクトユーザーインターフェイスがブラウザになっている。もしかすると、ブラウザと Ajax、あるいはブラウザと Flash と言うべきかもしれないが、これまでクライアント/サーバー型で動作していた大半のアプリケーションは今、ブラウザクライアントしか使わないか、デスクトップに最小限のものしかダウンロードせず、ブラウザの内部で動作している。実現に時間がかかっているが、「Rich Internet Applications」はもはやローカルの Windows や Mac と同等と見なされている。 つまり、われわれは今新しい Google OS 登場の場に立ち会っているのだ。われわれはメインフレームや UNIX 時代のキャラクタモードターミナルとして使うグリーンディスプレイから、ブラウザベースの現代の Web トップへと、これで元の場所に戻ってきた。これは7であれ、8であれ Windows が使われなくなるという意味ではない。重要性が低下するだけだ。Microsoft がこれまでに Windows(そして古い DOS も忘れないこと)から得た数十億ドルの利益を考えれば、最近のワシントン州レッドモンドに神経質になっている人が何人かいることも想像できるだろう。 著者紹介:David Strom はインターネット/ネットワーキング技術の専門家で、Network Computing、Tom ’ s Hardware.com、そして DigitalLanding.com で編集長を務めた。現在は PC World、Baseline Magazine、そして New York Times に連載を持っており、講演も仕事にし、ポッドキャストも配信するほか、strominator.com や WebInformant.tv に Blog を投稿している。
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