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2009年11月21日
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Webビジネス2009年8月4日 09:00

iPhone は伝染病

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iPhone ブームを理解しようと数か月分もの間悪戦苦闘した筆者は、同デバイスがほかの各種ガジェットとは全く異なるものになっている理由をようやく理解するに至った。それは、これが携帯電話、「ミニ PC」、あるいはポータブルメディア/エンターテイメントシステムだからではない。

iPhone は病気なのだ。

特に毒性の強い病原菌で感染し、人生のあらゆる経験をアプリの有無で切り分けさせるという人格異常を引き起こしやすくなる。アプリ経由で利用可能な情報やメディアを優先する一方で、iPhone 経由で配信されないコンテンツは軽視するという偏見を生み出す。

このことが分かっているのは筆者もこの病気にかかっているからだ。それに、筆者はほかにも感染者を知っている。

筆者自身の経験から適当な例をいくつか示す。

筆者は先週南カリフォルニアで開催された「FORTUNE Brainstorm: TECH」というカンファレンスに参加した。同カンファレンスの主催者は参加者全員が「SpotMe」デバイスを携帯できるよう準備した。これは基本的にワイヤレス対応のモバイルソーシャルネットワーキングデバイスで、参加仲間を探せるようになっている。

自分用の SpotMe を受け取った筆者が考えたのは、「なぜこれが iPhone 用アプリになっていないのだ?」ということだけだった。

カンファレンスの後半、筆者は「スマートシティ:IT が都会を引き締めエコにする」というパネルディスカッションを聞いていた。パネリストたちは都市をエコにして世界を救うにはどうすればよいかなどを議論していた。彼らは重大な課題について議論していたが、筆者にはそのソリューションがあまりにシンプルで明確に思えた。そう、iPhone アプリだ。

自宅の電力量計のデータを自分の携帯電話にフィードするアプリケーションをだれかが開発すべきだ。いつ車に乗り、いつ飛行機に乗り、何をしているのかを把握すべきだ。そのアプリは(ガソリンスタンドの金額表示メーターのように)光熱費の概算を表示すべきだ。そのアプリが、全員が自己利益のためにエコになっていくよう仕向けるのだ。

さあ、これで地球温暖化の問題は一件落着だ。

先日、妻と映画を見に行く計画を立てていた筆者は、もちろん「Moviefone アプリ」を発作的に立ち上げた。ところが、同サービスにはちょっとした問題があって自分たちが見たい映画の上映時間が表示されなかった。そこで、違う映画を見ることになったのだ。

無精だって? もちろんだ。しかし、これは iPhone に起因して発生した特殊な無精だ。

筆者は長年「Amazon Kindle」を熱心に愛用しており、Kindle アカウントで書籍、雑誌、そして新聞を読んでいる。ほとんどの時間は新聞記事を読み、その次に雑誌の記事を読んで、書籍を読むのはちょっと時間ができたときだけだ。

しかし、筆者の iPhone に搭載されている Amazon Kindle アプリがあまりにも素晴らしいため、筆者は自分の読書時間の約半分は iPhone を使い、残りの半分は Kindle を使っている(このサービスでは、別のデバイス上で読み終えたところから読み始めることができるため、切替が非常に優れている)。

しかし、iPhone アプリでは書籍しか読めず、新聞や雑誌の定期購読ができないため、筆者はほとんどの時間を書籍に当てているのだ。今は読書に夢中で、定期購読誌は無視された状況だ。iPhone アプリが筆者の読む対象を変えてしまったのだ。

筆者はジムでも「iFitness」という iPhone アプリを使っている。これは、一連の筋肉に合った運動の一覧を表示(および図説)してくれるほか、設定重量や回数をトラッキングすることもできる。筆者はエクササイズ中にこれに定期的にアドバイスを求めるので、今までやっていなかったエクササイズを多数行うようになった。

筆者はこれまで、自分の MP3ファイルのコレクションを聴いていた。しみったれな筆者は新曲をあまり入手しない。結果的に、筆者が聴く曲はジャンルがかなり限定的されている。

だが、「Pandora iPhone アプリ」をダウンロードしてからというもの、筆者が聴く曲の大半が Pandora の曲になった。結果として、今ではこれまでとは違うジャンルの曲を聴いている。

筆者は、何かを覚えておく作業についても iPhone アプリに完全にアウトソーシングしてしまっている。筆者が何かを記憶したいときは、「Evernote」、「reQall」、あるいは iPhone のカレンダーの3種類のアプリのなかの1つに必ず発作的に頼ってしまう。

これは理にかなうのだが、おかしいのは自分が何かを記憶したいときに、実際にはすでに記憶していることについてもこれらのアプリを見てしまうことだ。

筆者は、ほぼいつでも自分の記憶が正しいにもかかわらず、詳細を記憶することに関しては自分の脳よりも iPhone の方を信用するようになっている。筆者は、自分の記憶が常駐するのは iPhone アプリのなかだということを心理的に受け入れるようになってしまったのだ。

● いったい何が起こっているのか?

iPhone アプリの世界が筆者の人生経験を形作り、期待を変化させ、学ぶものを決め、知っているものや、考え方まで決めてしまう。

筆者には、iPhone アプリと関連のあるものを重視し、関連のないものを軽視する傾向がある。

iPhone とその対応アプリの世界は一緒になって人生を変え、文化を転換させるような現象を表していると言うことで、筆者はこれらすべてを正当化することができる。しかし、これらすべてには単なるユーティリティに隠れて発作的特性があるというのが本当のところだ。

筆者はアプリケーションを搭載した携帯電話を何年も前から利用している。以前からソフトウェアのダウンロードに対応していた Palm 携帯もかなり初期に導入した。BlackBerry も複数所有し、これらのアプリも使ったことがある。

しかし、iPhone とそのアプリケーションの世界には何か根本的に違う点がある。これらはインストールが非常に簡単で、使おうと思わせる魅力が強く、パワフルであることから、iPhone をほかのどのデバイスとも異なるカテゴリーの製品にしている。

iPhone に対する心理的反応はマニアックなガジェットに対する好み、中毒症状、あるいは自慢欲を超越したものだ。これは完全な人格異常である。

この病気は、「対応アプリの有無」というフィルターを通して人生経験を狭めてしまう。選択肢に偏見をもたらす。何をどう考えるのかをこれが指図するのだ。

iPhone 病にかかられているだろうか? もしそうなら、それによって自分の行動、考え方、そして生き方がどのように変化したかぜひお聞かせいただきたい。以下の参考リンク記事にてコメントをお寄せいただきたい。

参考1:Waiting for Your iPhone: Five Ways to Handle the Unbearable Stress(iPhone を待つ:我慢できないストレスに対応する5つの方法)

参考2: Cool iPhone Apps: 49 Top Apps for Work and Play(クールな iPhone アプリ:仕事と遊びのアプリトップ49)

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