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2009年9月17日 10:00

顧客との絆を深める〜5つの成功事例から学ぶ、Twitter 活用のヒント

Twitter のビジネス活用で真っ先に考えられるのは、企業と顧客との絆を深めるための「顧客コミュニケーションプラットフォーム」として活用だ。

Twitterの公式ビジネスガイドである「twitter101」(未和訳)においても、企業と顧客との交流活用に力点が置かれている。実際の活用事例も多く、大企業から個人にいたるまで、全世界で多様なアプローチが試され続けている。

「顧客コミュニケーションプラットフォーム」としての Twitter 活用方法を分類すると、コンタクトの方法によって次のような3つのタイプがある。

(a)オープン交流型…オープンメッセージによる顧客対話を行なう
(b)マルチ交流型…フォローしあうことでオープン/クローズを組み合わせた対話を行なう
(c)積極コンタクト型…自ら自社関連の Tweet をサーチし、能動的にコンタクトする

今回のコラムでは、「twitter101」に記載されている成功事例を中心に、独自調査の客観データを付与しながら、その特徴を俯瞰していきたい。

■オープン交流型による顧客コミュニケーション
顧客と対話する際にオープンメッセージ機能(@で相手先を指定するが、Tweet は全フォロワーに公開される)を用いるタイプ。フォローしたユーザーに対してフォロー返しはしない。典型的な成功事例としては、@DellOutlet が有名だ。

DellOutlet
DellOutlet

アカウント開設日:2007/5/1、Following 数:24、Follower 数:116万6,892、日平均 Follower 増加数:1,351、2009年8月 Tweet 数:73件、平均 Tweet 長:73文字、日平均 Tweet 数:2.35
(内)対話率:44%、リンク率:36%、一斉質問率:4%、RT 使用率:1%、#使用率3% ※1

※1 ・対話率…個別ユーザーとオープンに対話している Tweet の比率
・リンク率…リンクを含む Tweet の比率。企業サービスの広告宣伝に多い
・一斉質問率…ユーザーに一斉に質問している Tweet の比率。マーケリサーチに多い
・RT 使用率…他ユーザーTweet を ReTweet している Tweet の比率
・#使用率…ハッシュタグ(#)を使用している Tweet の比率

Dell は80を超えるアカウントを運用する最も先進的な Twitter 活用企業だ。中でも@DellOutlet は100万人を超えるフォロワーを持つ商用 Twitter で最大級アカウントだ。

アウトレット商品情報を配信し、開設来2年間で300万ドル以上を売り上げたと報道されている。当初は情報配信型としてスタートしたが、顧客が対話を熱望していることに気付き方針を変更。現在では Tweet の44%(2009年8月実績より)がオープン型の個別顧客対話で、実際のアウトレット情報は29%(21件)に過ぎない。

クローズメッセージによる交流はしていないが、必要な場合の受け口として DellOutlet 担当社員@StefanieatDell の個人アカウントが紹介されている。こちらは相互フォローにより DM を含むマルチ交流型となっている。Dell では社員にも積極的に Twitter で顧客と交流することを推進しており100人を超える社員が twitter アカウントを公開している。

■マルチ交流型による顧客コミュニケーション
顧客と対話する際に、オープンメッセージ機能とダイレクトメッセージ機能(Dで相手を指定すると、Tweet は指定された相手にだけ閲覧可能となる。以下 DM 機能と略)をケースによって使い分けてコミュニケーションするタイプ。

DM 機能は、個別商談や注文、また強いクレームなどに活用する場合が多い。ただし DM 機能は双方向にフォローしあっているユーザー同志でしか利用できないため、フォローされた相手をフォローし返す必要がある。典型的な成功事例としては、@Pepsi や @NAKEDpizza がある。

Pepsi
Pepsi

アカウント開設日:2008/12/15、Following 数:1万3,682、Follower 数:1万2,910、日平均 Follower 増加数:48、2009年8月 Tweet 数:97件、平均 Tweet 長:85文字、日平均 Tweet 数:3.13
(内)対話率:54%、リンク率:26%、一斉質問率:6%、RT 使用率:8%、#使用率:8%

Pepsi は顧客との信頼の絆を高めるために積極的に Twitter を活用しており、対話率も54%と高水準にある。また特に目につくのは一斉質問率が6%と高い点だ。

これは Pepsi が Twitter をリアルタイム消費者リサーチに活用しているためで、“How many Pepsis do you drink a day?”のように気軽な質問をフォロワーに問いかけている。また Micheal Jackson が他界した時にいち早く“Thank you. Micheal”とコメントするなど Twitter のリアルタイム性をフルに活かしている。通常はオープンメッセージで顧客対話しているが、発言がネガティブになるケースなどでは DM 機能を活用している。

NAKEDPizza
NAKEDPizza

アカウント開設日:2009/3/6、Following 数:5,392、Follower 数:5,777、日平均 Follower 増加数:31、2009年8月 Tweet 数:120件、平均 Tweet 長:82文字、日平均 Tweet 数:3.87
(内)対話率:41%、リンク率:13%、一斉質問率:3%、RT 使用率:12%、#使用率:7%

NAKEDpizza はニューオーリンズにあるビザハウスで、商圏は5Km と地元密着型だ。顧客とのリアルタイム交流ツールとして2009年3月に Twitter アカウントを開設した。このピザハウスでは売上発生経路を常に分析しているが、すでに Twitter 経由での売上が15%を超え、直近の特売日ではなんと69%の売上が Twitter 経由だった。

最も効果的なのは、消費期限に近いピザの割引販売のようなリアルタイムでお得な情報だ。ただしセール情報だけ流してはだめで、地域ニュースやトリビア、役立つ話などを交え、ユーザーと会話することが大切であるとコメントしている。

NAKEDPizza に限らず、米国では小規模ショップで Twitter 活用で地道に売上を挙げている事例が多い。集客力があるリアルタイムメディアを無料に活用できることは、小規模小売業にとって大いにプラスとなっているはずだ。今後、Tweet に位置情報が付加されるとさらに活用の幅が増えるだろう。

■積極コンタクト型による顧客コミュニケーション
オープン交流型ないしマルチ交流型での顧客対話を基本とするが、さらに顧客との関係性を深めるために、受身の交流にとどまらず、自社に関する発言を検索し、積極的に企業から話しかけるタイプ。

このレベルまで達したアカウントはまだわずかしかないが、Twitter の特性を生かした最先端の活用方法で、顧客とのリレーション構築に大きな効力を発揮することは間違いない。典型的な事例として、JetBlue Airway と Teusner Wines がある。

JetBlue
JetBlue

アカウント開設日:2007/5/30、Following 数:11万7,508、Follower 数:119万5,263、日平均 Follower 増加数:1,431、2009年8月 Tweet 数:108件、平均 Tweet 長:113文字、日平均 Tweet 数:3.48
(内)対話率:50%、リンク率:50%、一斉質問率:0%、RT 使用率:12%、#使用率:16%

JetBlue Airways は米国の格安航空会社で、Twitter アカウントは2007年から開設した。フォロワー数が100万人を超える最大級の商用アカウントだ。オープン対話型の顧客交流が中心だが、最も特長的な点は、Twitter チームが、フォローしているユーザーだけでなく一般ユーザーもすべて含め、Twitter Search で顧客の Tweet を監視していることだ。

目的は困っている顧客を探し出しヘルプすることだ。例えばある時「空港のチェックインカウンターに担当者がいない」との Tweet を発見した Twitter チームは、即時に関係組織に手配の上、Twitter にて「10分後に担当者が向かいます」と返信し、ユーザーを驚かせている。

このような対応をするために、社内から顧客との対話を確実に行なえる6名の社員が選抜され、横断的なタスクチームがつくられている。そしてチームメンバーには会社を代表としてリアルタイムに Tweet する権限が付与されているのだ。さらに彼らは次のステップとして、体制を強化し、24時間365日、顧客のトラブルを能動的に発見することを目指している。

Teusnerwine
Teusnerwine

アカウント開設日:2009/1/28、Following 数:6,599、Follower数:6,209、日平均 Follower 増加数:27、2009年8月 Tweet 数:403件、平均 Tweet 長:96文字、日平均 Tweet 数:13.00
(内)対話率:57%、リンク率:6%、一斉質問率:0%、RT 使用率:6%、#使用率:24%

Teusner Wines はオーストラリアにある従業員3名の小さなワインショップだ。彼等は顧客交流ツールとして Twitter に着目し、2009年1月にアカウントを開設した。

マルチ交流型の顧客コミュニケーションを主体とするが、さらに彼等は Twitter Search を活用して、フォロー関係にないユーザーとの交流を積極的に図っている。

例えば自社からワインを購入したというユーザーの Tweet を見つけると“Thank you for trying the wines”とサンクスメッセージを送る。顧客は大いに驚き、喜んでくれる。このような高度な顧客コミュニケーションを無料で行なえるところに Twitter の本質的な凄みがあるのだ。


執筆:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹
監修:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造

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