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2009年10月5日 11:30

企業とユーザーのラダーに―Twitter という新たなコミュニケーション

昨年末、「大手パソコンメーカー Dell は、Dell Home Outlet Store のセールス情報を Twitter で配信し、過去1年半で100万ドルを超える売り上げを上げたとされる」という情報が飛び交った。前回のコラムでも少しだけ触れたが、そもそも Twitter とは何なのか。

■Twitter とは何なのか?
Twitter は、ミニブログやマイクロブログと呼ばれる簡単で便利な Web システムを用い、ユーザー同士がその Blog 記事(つぶやき)をもって緩やかなコミュニケーションをとることのできる Web サービスである。

ただの Blog サービスと一線を画すのが、タイムライン(TL)と呼ばれる、個々のユーザーに割り振られる管理画面だ。このタイムラインには、フォローしている知人や友人、見知らぬ有名人などの「つぶやき」がほぼリアルタイムで表示される。

この「つぶやき」に対して、意見をしたり賛同したりすることでコミュニケーションをとることができる仕組みだ。もちろん知らないユーザーにもコメントすることができ、そこから新たなコミュニケーションも発生する。ほぼリアルタイムで繰り広げられる、世界規模のチャットシステムと言ってもいいかも知れない。

数年前、IT 系の一部の技術者を中心に日本でも盛り上がりを見せた Twitter だが、ここにきて新たな広がりを見せている。iPhone などモバイルガジェットの普及に後押しされていることも追い風となっており、最近テレビニュースなどでも幾度となく取り上げられ話題になっていることからも、その過熱ぶりがうかがえる。

その Twitter 経由で、Dell が売上を上げているという。どういうことなのだろうか。

■企業の Twitter アカウント
“デルの Twitter アカウントでは、日替わりセールなどのキャンペーン情報や、デルの製品・サービス紹介などを配信しています。ぜひフォローしてください。”とは Dell の日本語サイト。

このように、Dell の Twitter アカウントをフォローしているユーザーに製品情報をリリースし、売り上げを上げているのである。また、すべてではないが Twitter 上での問い合わせ、質問にも丁寧に返答していることがうかがえる。製品情報もリリースできる、お問い合わせ窓口といったところだろう。

ほかにも、各地で開催されるイベントなどの情報もあり、内容的にはユーザーを飽きさせないものとなっている。しかし「つぶやき」の数自体は多くなく、今のところはダイレクトメール配信のような使われ方をしているようだ。

また最近では、日本の下着・ストッキングメーカーである福助株式会社が Twitter のアカウントを作成し、話題になっている。問い合わせや質問への事細かな対応や、福助店舗リニューアル企画の福袋情報、はたまた店舗で利用できる割引クーポン券もこの福助 Twitter アカウントからの情報によりゲットできる。リアルタイム性を生かし、またとてもユーザーに近い場所でコミュニケーションをとっていることがわかる。

まだまだ試用段階にあると思われる両者の Twitter アカウントだが、共通して見えるのは“ユーザーと近い位置でのコミュニケーションがとれているのではないか”ということだ。

しっかりとした対応をとっているのは当然だが、いい意味での“企業っぽさ”が緩やかに薄らいでおり、ユーザーとしては担当者を身近に感じられるのではないだろうか。

かくいう筆者も Twitter 経験者で、そのコミュニケーションの広がりを実感している。何気ない疑問を、ぼそりとつぶやくと、それに反応してくれるフォロワー(筆者をフォローしてくれているユーザー)が的確な答えを探し出してくれたりもする。またその反応が反応を呼び、結果として企業から直接の返答を得られたりもした。コミュニケーションという名の、生きた情報ソース、集合知である。

■Twitter を実体験
企業が導入・利用したいであろうコミュニケーションを体感したと感じたのは、つい最近、グリコ乳業が発売している洋生菓子「ドロリッチ(Dororich)」を飲んでしまったことによる。

すこし前から Twitter ユーザーの間で「ドロリッチなう」というキーワードがさかんに使われだしていた。そもそも「○○なう」とは、「いまなにしてる?(What are you doing?)」という Twitter のスローガンに答える形の表現となっている。たとえば、今赤坂にいるなら「赤坂なう」であるし、今ランチ中ならば「ランチなう」となる。「ドロリッチなう」は、今まさにドロリッチを食している、という表現である。

筆者はこのキーワードにつられ、ドロリッチに興味を持ち、購入に至ってしまったのである。まさに、バズマーケティングを体感した瞬間であった。もちろん、ドロリッチを食しながら「ドロリッチなう」とつぶやきを post したのは言うまでもない。

■企業とユーザーのラダーに
コミュニケーションとマーケティングは、その昔から関連の深いものとして考えられてきたが、ここまで結び付きが明確に、色濃く見えるツールも多くないのではないだろうか。コミュニケーションがユーザー側であり、マーケティングが企業側であるとするならば、Twitter はまさに両者のかけ橋である。

Twitter の登場、ここにきての盛り上がりによって、ユーザーは新たな“コミュニケーションの場=遊び場”を得、また企業は新たな“マーケティングの場=窓口”を得た。それは、今まで以上にユーザーニーズを理解し、ユーザーの目線に立ってのコミュニケーションを必要とする、商品やサービスをユーザーへ提供する企業への試練なのかも知れない。

この記事が、企業のマーケティング担当者と売上向上のかけ橋になることを願ってやまない。

(執筆:株式会社ファンサイド リスティンググループ・マネージャー 鈴木 浩也)

記事提供:ファンサイド

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