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2009年10月30日 17:00

「mixi アプリ」は“未開の地”、大きなチャンスがある――ミクシィ社長 笠原氏インタビュー(後編)

前編では、ミクシィ社長の笠原氏に、SNS「mixi」の利用状況や、「mixi アプリ」誕生の背景、人気のアプリなどについて話を聞いた。後編では、デベロッパー(開発者)にとっての「mixi アプリ」の価値や、笠原氏が見据える同社の今後などについて聞いていく。

株式会社ミクシィ 代表取締役社長 笠原健治氏
株式会社ミクシィ 代表取締役社長
笠原健治氏

――現在のデベロッパーの参加状況を教えてください。

現在、デベロッパーの登録数は1万ほどです。このうち9割が個人のユーザー、1割が法人のユーザーとなっています。登録アプリ数は10月20日時点で464アプリです。

――デベロッパーへの支援サービスなどはありますか?

デベロッパーへは3つの支援プログラムを提供しています。1つ目は広告です。アプリの PV に応じて広告収益を支払うもので、現状0.01円から0.05円の段階性を設けており、PV や UU に応じて収益をお支払いしています。

2つ目は課金のプログラムです。「mixi ポイント」というユーザーに課金できる仕組みを、11月の上旬からデベロッパーの方々に開放していく予定です。課金収益から決済手数料を除いた8割の収益をお支払いするモデルとなっています。

3つ目は収益の話ではありませんが、事業者側でニーズがあった場合には出資や融資、また希望がある場合には、アプリの買い取りの相談にも応じるというものです。

――デベロッパーにとって「mixi アプリ」にはどういった価値があるのでしょうか?

まず、1,700万人のユーザーに自分の作ったものを使ってもらえるというメリットがあると思います。「mixi」は皆が繋がっていて、アクティブにマイミク間でのコミュニケーションが行われている場なので、面白いアプリを作れば一気に広まっていく可能性があります。

笠原氏
また、より多くの人を楽しませたり、便利にできる、といった延長線上にはビジネスチャンスがあると思います。ビジネスという観点からみると、「mixi アプリ」は、まだまだ手付かずの“未開の地”だと思います。インターネットが始まった時や、Web 2.0という概念が生まれた時と似たような、大きなビジネスチャンスがあるのではないでしょうか。今後、「mixi アプリ」で大きな利益を上げる企業が何社も出てきてもおかしくない状況だと思っています。

最近は、世界的に SNS サービスがプラットフォームを開放していくという流れになってきていますが、日本の「mixi」でヒットしたアプリを、世界の Facebook や MySpace などに横展開していける可能性もあると考えています。現在最も利用されている「サンシャイン牧場」も、中国の Rekoo という企業が、中国の SNS や Facebook でヒットしたアプリを日本向けにカスタマイズしたものなんです。

彼らの中には、本国でソーシャルアプリを専門に開発している企業も多く、ソーシャル性の高いアプリの開発については、日本の企業よりも一歩先をいっていると思います。

しかし、モバイルに関して言えば、まだ世界的にプラットフォームがないという状況があります。その点、日本企業はモバイルでの経験が豊富です。ゆくゆくは世界の SNS でもモバイルでのトラフィックが主流になってくると思うので、「mixi」で成功したアプリが、逆にキラーアプリとして海外の市場に進出できるチャンスも十分にあると思っています。

――9月10日に、「モバゲータウン」がデベロッパー向けサイトを開設し、ゲームの API を社外へ開放しましたが、これについてはどうお考えですか?

アプリ市場が広がることに関して大歓迎ですね。海外の事業者の中には、「mixi」一社だけでは…と考えている企業がいるかもしれません。そこで「モバゲー」もあるならと、参入してくる可能性もありますから。

一方で、中長期的に見ると、「モバゲー」と「mixi」ではヒットするアプリが分かれてくると思うんです。そもそも、サイト自体の性質がかなり違うと思うので、当然ヒットするアプリも異なってくる。そこは喰い合うことなく共存できる関係だと思っています。

――先日「GREE」が、同社の提供する釣りゲームの著作権を侵害しているとして「DeNA」を提訴しましたが、「mixi アプリ」における、デベロッパー同士のトラブルが発生する可能性についてはどうお考えですか?

「GREE」と「モバゲー」の件に関しては、弊社としてコメントできる立場ではないので控えさせていただきますが、「mixi アプリ」においても似たようなアプリが出てくる可能性はあると思います。

時には他社の良いところを参考にしたり、インスピレーションを受けて、改善したものをリリースする、そういった切磋琢磨する状況は「mixi」でも起こりうると思います。むしろそれは健全だと思うし、あってしかるべきだと思います。

お互い良いところを研究しあいながら、クオリティの高いアプリをどんどん出していただければと思います。

――今後、「mixi」において、どのような展開を予定されていますか?

笠原氏
人の繋がりをより活発に広げて、より意味のある繋がりにしていく。さらに、その繋がりの中で、日々のコミュニケーションサービスを提供していく。この2つが「mixi」の両輪だと考えています。

弊社では、サービス開始当初から、「コミュ二ケーションサービスをより多様化していく」、「ソーシャルグラフ(マイミクの関係性)を活発にしていく」という2軸を大事にしています。

今回提供する「mixi アプリ」は、コミュニケーションサービスをより多様化していくためのキラーとなるトピックだと考えています。コミュニケーションを多様化していく方向性でいくと、1つはアプリの仕組みを整備していくことが重要であると考えています。

例えば、「mixi アプリ」モバイル、モバイルアプリでの課金、そして PC アプリでの課金など、まだ着手できてないものがあります。また、日記や足跡といった機能と連携したアプリもまだ作ることができないので、こちらも作れるようにしたいと考えています。

さらに、外部と連携する機能として「mixi Connect」という仕組みがあるので、これも多くの事業者の方が使えるように整備していきたいと思っています。この辺りは、恐らく来年の取り組みになるかと思います。

もう1つの軸であるソーシャルグラフの活性化ですが、最近で言うと「仲良しマイミク」や「my リスト」などの取り組みが挙げられます。今後も、より人と人が繋がり易くなる仕組みやサービスを提供していきたいと考えています。

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