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2009年12月7日 10:00

動画サイトの“これから”に注目!

Web で動画コンテンツを見たことがあるだろう。有名な動画サイトといえば、YouTobe、ニコニコ動画が有名だが、動画サイトは Web 上で数多く存在している。

YouTobe のサービス開始は2005年、ニコニコ動画は2006年(ベータ版)と、その歴史は比較的新しいと言える。

YouTobe は、動画投稿サイトとして飛躍的にユーザー数を伸ばしてきたサイトだが、日本人の動画閲覧数は多いが、日本人が動画をアップロードする数は他国と比べて少ない。日本人は、動画を公開することよりも、閲覧のみに動画サイトを利用することが多いようだ。当たり前だが動画投稿サイトは、ユーザーの動画アップロード数が多いほど盛り上がるものである。

■「これまで」の動画サイト
そもそも YouTobe は海外で開始されたサービスで、2007年6月に日本語を含む9か国語に対応した。動画ファイルを無料で無制限にアップロードできるということで注目を集めたが、公表するにはふさわしくない動画が大量にアップロードされることが問題となり、ビジネスという視点では注目されないままだった。しかし、ブログなどに動画を貼り付けることが可能になり、現在では動画を公開する際のツールとして普及している。

YouTobe を利用する時、どんな目的でアクセスしているかを思い出して欲しい。法的な問題はさておき、見逃したテレビ番組の映像を探したり、好きな芸能人の映像を探したり、と、「動画を探す」という目的で使用する方が多いと思う。「皆で簡単にビデオ映像を共有したい」という目的から始まったサービスだが、個人的に作成した動画をアップロードしようとすると手間がかかるため、とりわけ日本人の間では「見るだけ」という受身の利用者が依然として多い。

一方ニコニコ動画は、投稿された動画に対して、独自のコメント表示機能などを利用しながら閲覧できるというシステムだ。コメントのほとんどは「2ちゃんねる」のような特徴を持っているが、コメントが残る独特の動画表示に人気が高まり、その中で趣向を凝らしたオリジナル画像の作成という新しい文化が築かれている。しかし、これらの投稿された動画は、広く一般的なユーザー向けというよりもディープなユーザー向けのものが多く、一部のコア層の盛り上がりに過ぎない。

こうして考えると、これらの動画投稿系サイトは、まだまだ一部のユーザー層だけで利用されている傾向がある。

そのような状況にあった動画サイトを活気付けたのが、動画配信サイトの GyaO だ。2009年7月に運営が Yahoo! に移行し、サイト名を GyaO! に変更した。

こちらは一般ユーザーがアップロードした画像を閲覧するわけではなく、運営会社側が管理してアップロードした映画、ドラマ、ニュースなどが閲覧可能で、無料で閲覧できるものも多く人気を集めている。しかし、レンタルビデオ屋に行かずに映画を観ることができるという便利さの裏側に、不便な一面もある。

動画を閲覧する際、旧 GyaO・Yahoo! 動画は全画面で再生プレーヤーを利用することができたのだが、同一ウィンドウ内の限られたスペースでしか動画の再生ができないのだ。動画の閲覧は、当然大画面の方が楽しめるため、臨場感に欠ける。

実際に DVD などをレンタルして映画を観る楽しさには及ばないため、ユーザーの獲得は今ひとつのようだが、GyaO! によりネットでの動画配信は以前よりも一般ユーザーの間に浸透させることができた。

■「これから」を変える!?動画サイト
このような経過を経て、今、インターネットにおける動画の動向が変化を見せ始めている。「Ustream」というサイトをご存知だろうか。これは、YouTobe のように録画した動画をアップロードして公開するのとは異なり、リアルタイムで撮影している動画を公開できるというサービスで、一部で人気を集めている。

パソコンと Web カメラがあれば利用できるこのサービスは、多くの人にリアルタイムで動画を配信することができる。元々はイラク戦争中に徴兵された友人のために、家族とのコミュニケーションができるように開発され、それがインターネットを利用したリアルタイム動画配信に進化したもので、2007年にサービスが開始された。

それまでも中継システムは存在したが、専用ソフトや設定が必要なことから、手軽に利用されることはなかった。「Ustream」はサイトにアクセスすれば無料でそのまま動画を配信できるため、個人のインターネット生中継が可能になったのだ。配信中の動画を録画することも可能で、後から YouTobe やニコニコ動画にアップロードを行うこともできる。海外では、「Ustream」を勉強会の共有に利用することが多いようだ。

その Ustream.tv が、2009年6月、iPhone 3GS で録画・アップロードできる無料アプリケーション「iPhone 3GS Recorder」を公開した。生中継はできず、いったんアップロードする形になるが、Twitter に再生ページのリンクを自動で投稿する機能もある。Twitter は iPhone 3GS に対応しているため、アップロードした動画は多くの人々に周知することができる。こうしたことから、最近、Ustream.tv の利用者が増加している。

<インターネット動画をより身近なものに>
そんな中、インターネットによる動画配信をより身近なものにした出来事がある。政府の事業仕分けのインターネット中継だ。

国民の多くが関心を寄せる事業仕分けは、一般人の見学やテレビ中継も行われたが、インターネット中継は初めての試み。利用者は非常に多く、アクセスが集中したという。

事業仕分けの中継に使用されたのは、ニコニコ動画だ。多くの人が持っていた「ネットの動画は映像が乱れていて利用しづらい」という観念を覆す快適な環境で、臨場感溢れる事業仕分けの様子を閲覧できる環境に、インターネット動画をより身近に感じた人も多いのではないだろうか。また、「インターネット中継」という存在の認識度が低い中高年以降の世代の人々にもその存在を印象づけることができた。

事業仕分けは一般人の見学も可能だったため、iPhone でその様子を録画し、Ustream にアップロード、Twitter でも公開したツワモノユーザーもおり、事業仕分けはインターネット業界でも盛り上がりを見せた。これをきっかけに、動画の利用がより活発になるのかもしれない。

YouTobe、ニコニコ動画など、一般ユーザーが投稿した動画を閲覧するサイト、GyaO! のように映画やドラマを観るサイトなど、動画サイトは多数存在してきたが、まだまだ、限られたユーザーによる利用というイメージがある。

iPhone 3GS Recorder により、動画のアップロードがより身近なものになった。これまではただ動画を探して閲覧するだけだったユーザーの動きに変化が現れる可能性がある。

「動画サイト」というステージはすでに用意されている。利用者の壁を壊すことができた今、どれだけの新しいユーザーを獲得することができるだろうか。

それぞれの動画サイトのこれからの動きに注目したい。

(執筆:株式会社ファンサイド ライター 上村 江利)

記事提供:ファンサイド

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