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これだけは知っておきたい中国 SEM 事情 Vol.5――最新データから読む中国ユーザーの検索行動ネット人口だけでなく、Web 検索数でも世界最多の中国。検索対象は音楽や動画などの娯楽が中心だが、検索利用者数は約2億3,500万人、ネット人口の69.4%を占め、すでに Web の行動起点として重要なウェイトを占めていることは前回のコラムでも説明させていただいた。
今回は2009年9月に発表された中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)の最新研究レポートを参考に、中国ユーザーの検索行動にフォーカスして、中国 SEM 戦略のヒントを探っていきたい。 ■検索デビューが急増 中国の検索ユーザーは数の上で先進国を超えるまで急増したものの、日米と比較して大きく異なる点となっているのがユーザーのネット経験年数だ。CNNIC のレポートでは、2008年6月から2009年6月までの1年間で新たに検索ユーザーとなった数は5,949万人、そのうち4,340万人、約7割がインターネットを始めて1年未満というネット初心者だ。 特に直近の1年は北京オリンピック関連検索とモバイル検索の立ち上がりに牽引され、9月時点ですでに例年の伸び率を越えてくるなど、検索デビュー者が急増していることを注目しておきたい。
■検索ライトユーザーが7割超 次に中国ユーザーの検索頻度を元にした、検索依存度を見ていきたい。CNNIC の調査では、毎日複数回検索するユーザーが約29.5%と圧倒的1位になっている一方、毎週6、7回が18.8%と2位、毎週2、3回が18.2%で3位という結果になっている。 この結果をもう少し集約して検索依存度高、中、低と3つに分けると、毎日複数回の検索依存度高が29.5%で2008年の38.1%から大きく減少している一方、毎週2回以上が50.6%、毎週多くて1回が19.9%となり、1週間に複数回しか検索をしない検索ライトユーザーが7割以上にまで増加していることが見えてきた。 ■検索エンジンの横断利用者が9割近く 今回の調査では88.8%の検索ユーザーが2種類以上の検索エンジンを利用しているとのデータが出ている。この数字は2007年から17.6%も上昇していることから、近年、検索に対するユーザーの要求が高度化、複雑化し、一方で満足する検索結果を得るために、複数検索エンジンの横断的な利用者が年々増加していることが分かった。 利用頻度を見てみると、常に2つの検索エンジンを併用するユーザーが26%、時々もう一方を利用するユーザーが62.8%ということで、決して複数検索エンジンのヘビーユーザーは多くはない。ただ、中国では圧倒的なシェアを誇る百度においても、まだ不動の信頼を得られているわけではないと言えるのではないか。 ■百度(Baidu)と谷歌(Google)のユーザー行動の違い 2大検索エンジンともに Web 検索の利用者がダントツで約8割となっているが、その他では検索エンジンごとの行動の違いも見えてきた。特徴的なのが音楽検索で、百度が74.5%のユーザーが利用しているのに対して、Google は33.1%。動画検索でも百度の49.1%に対して、Google は22.7%と娯楽要素が強い。 また、百度では Hao123というカテゴリ検索も34.8%と利用率が高いほか、知道(Q&A)、貼巴(BBS)、空間(SNS)などソーシャル系サービスも3割前後の安定した利用がうかがえる。一方 Google は、地図(Maps)、翻訳機能など実用的な利用が目立つ。 圧倒的な検索シェアの違いはあるものの、検索行動、ユーザー行動の違いはしっかり把握しておきたい。 ■検索エンジンの依存度が高まる 1回の検索で満足の得られなかった場合に、最も多かったユーザーの再検索行動は、キーワードを換えて再検索で78.2%、続いて、キーワードの追加、減少し再検索で72.0%、検索エンジンを換えて再検索が65.8%、検索結果の中から再検索が63.2%となり、検索をやめるユーザーはわずか19.7%に減少したことが調査で分かってきた。 こうした事実から、検索結果に満足が得られなくても、検索を止めてしまうユーザーは明らかに減少し、検索エンジンの依存度は高まっている一方、再検索時の行動は徐々に多様化してきており、検索技術に対する要求も年々高まっていることが明らかになってきた。
■検索行動の変化にあわせた SEM 戦略を 今回のレポートでまずおさえておきたいのは、ネット初心者、検索初心者の急増だ。 中国検索キーワードの特徴でもあるビッグワード、単ワードの検索ボリュームの多さや、まるで問い掛けのような自然文検索などは検索経験に基いた検索行動であると考えられるし、ヘビーユーザーと初心者では検索のモチベーションや、利用機能やサービスも異なってくることをまずしっかりと認識しておきたい。 そして、単純に検索シェアだけにとらわれず、ターゲットを意識した複数検索エンジンの横断的な活用や、掛け合わせ、自然文などのキーワードの使い分けも駆使した戦略が必要だ。 言語特性の把握も重要な課題だが、投下コストをしっかりと成果につなげていくためには、日本では当然と思われている検索ユーザーの行動も改めて考え直し、中国の最新データを参考に、変化にあわせた SEM 戦略が必要となってきている。 ■データの母数、取得方法の確認を忘れずに 最後に前回のコラムの繰り返しになるが、こうした現地レポートや統計データを参照する場合、その調査方法と期間、母数(パネル数や調査地域)の確認を念を押してお伝えしておきたい。 今回の調査データは、CNNIC が2005年から実施している継続調査と、本年8月に香港、マカオを除く、中国大陸全土を対象にして実施した CATI(Computer Assisted Telephone Interview)調査によるもの。 対象都市は北京、上海、広州など人口500万人以上の中国第1級都市の3都市、人口300万人以上の2級都市から11都市、人口100万人以上の3級都市の11都市で、CATI の有効回答数は半年以内にネット利用を行なったパネルに限定し、1級都市から901件、2級都市から1,301件、3級都市から795件の、総数3,007件となっている。 出典:CNNIC(中国ネットワークインフォメーションセンター) 「2009年中国捜索引=用戸行為研究報告」 ※=は、「敬」の下に「手」 (株式会社アイレップ SEM 総合研究所 熊倉淳) 記事提供:アイレップ
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