|
ニュース検索
ピックアップ
今週のIT求人情報
|
Firefox は競争力を取り戻せるか?Firefox は長い歴史を持つ Web ブラウザだ。そのルーツは「Netscape Navigator」にまで溯ることができる。Web サイトに推奨ブラウザが指定されていた時代、Netscape は業界の巨人 Microsoft を相手に健闘した。
Netscape が Internet Explorer に押されシェアを低下させた後、Netscape はそのソースコードを受け継いだ Mozilla によって 「Mozilla スイート」として進化を継続した。その後、膨れ上がったソースコードは整理され、スイートから Web ブラウザが切り離されて「Firebird」ブラウザとして世に出る。この Firebird ブラウザが、法的な問題のため Firefox と名前を改めて今日に至ることとなる。 バージョン1.xから3.xまで、Firefox はブラウザ市場において不動の2位の位置を占め、Windows にプリインストールされた Internet Explorer のマーケットシェアを侵食し続けた。その状況は、Google が独自に開発した新ブラウザで同市場に参入してくるまで続くこととなる。 Linux 版 Google Chrome の登場 多くの Firefox 信奉者がそうであったように、私は Linux デスクトップ上で Firefox を利用し続けていた。だが、その信頼は Firefox 3.0のリリースで揺らいだ。3.x シリーズは、私が試した限りでは、Linux のどのディストリビューション上でもうまく動作しなかった。 私が3.x シリーズと格闘している頃、Google Chrome ブラウザが Windows デスクトップ上で高い評価を受け始めていた。その評判を聞き、Firefox ユーザーも Chrome を試し始める。最初は、Firefox との比較が目的だった。 言うまでもなく、Google Chrome は素晴らしいブラウザだった。Chrome は高速で快適なブラウズ体験を与えてくれた。Linux ユーザーは、Chrome が Linux デスクトップで利用可能となるまで若干待たねばならなかったが、利用可能になったとき、多くの Firefox ユーザーは私も含めて Chrome へと乗り換えていった。 Firefox 5.0以降 私が Google Chrome の利用に慣れ、これをメインのブラウザとして利用し始めた頃、Firefox 5.0 が登場した。これは、高速リリースサイクルによる最初のバージョンだった。だが、このバージョンは私を Firefox の世界へと引き戻すきっかけにはならず、むしろ遠ざけるものとなった。利用していたアドオンの多くが、5.0 では利用できなかったからだ。 Google Chrome も高速リリースサイクルを採用している。だが、アドオンの互換性で問題が発生することはなかった。一方、Firefox のアドオン管理画面には、アドオンが動作しないことを示すコメントが溢れていた。 事態をさらに悪くしたのは、アドオン開発者がやっと新しいバージョンを用意できた頃、Firefox では更に新しいバージョンがリリースされており、互換性の問題が起こり続けたことだ。これは本当に困った問題で、私はブラウザのアップデートを控えたい気分にさえなった。もちろん、そんなことをすればセキュリティ上の悲劇が待ち構えている。 こうして、Firefox はかつて獲得したユーザーベースを徐々に失っていった。 Firefox がシェアを落としていることが一般に知られ始める この頃には Firefox が Chrome に対して市場の優位性を失っているという報道がなされるようになる。利用者が Google Chrome へと乗り換える最大の動機となったのは、Google Chrome の方が、Firefox よりも高速だったという事実だ。私が見たところ、Firefox はこの1年でかなり高速化され、現在は Chrome に追いついていると思う。だが、Firefox が Chrome よりも遅いという評価は、既に定着してしまった。この評判は簡単には覆せないだろう。 また、Firefox は Chrome よりもプライバシーに配慮した信頼性の高いブラウザだと一般に考えられている。だが、Mozilla は 今後、利用者のデータ収集を進めるとしている。これは、Firefox のシェアをさらに低下させる一因とはならないだろうか? Firefox への2つの強力なサポート Firefox がパフォーマンスの面で失敗を重ね、今度はプライバシーの面でも心配の種を抱えようとしている。Mozilla はこの状況から復活できるのだろうか? 運良く、Firefox は2つの分野からの強力なサポートを受けている。1つめは企業だ。Mozilla は今年、Firefox の企業向けバージョン「Firefox Extended Support Release (ESR)」をリリースした。多くの企業ユーザーからの提案を検討した結果、このバージョンが誕生した。 この動きで重要なのは、企業ユーザーはサポート期間が十分長ければ Firefox を利用したいと考えている、という点だ。 2つめは、財政的サポートだ。Mozilla は、Chrome をブラウザ市場に投入した張本人から、多額の資金を受け取ることになった。Google が法外とも思える金額を Mozilla に投じる理由については、本当のところはわかっていない。だが一般的には、Google は Firefox と Chrome という2つの武器を使って、Internet Explorer をロープ際に追いやりたいのだろうと考えられている。Google の目的は Microsoft を倒すことにある、というわけだ。 Chrome が勝てば勝者は Google、だが Firefox が復活しても勝者は Google Firefox が、ユーザーを取り戻す技術力を持っていることには疑いがない。Google による追加資金のおかげで、Mozilla にはそれを実現するリソースも手に入れた。このリソースを有効活用し、多くのバージョンが乱立してしまっている Firefox を、Google Chrome のように最新版で統一できるかどうかが復活への大きなカギとなるだろう。また、アドオンの互換性の問題も同様にカギを握る。この2つの問題を解決し、企業向け ESR がうまく機能するのであれば Firefox は再び競争力を取り戻せるだろう。 興味深いのは、Mozilla Firefox と Google Chrome の戦いにおいては、どちらのブラウザが勝利したとしても、最終勝者は Google であるという点だ。結局のところブラウザとは、製品やサービスにログインするための入口に過ぎない。その意味では、Firefox と Chrome は同じ目的を持ったブラウザと言える。どちらも、利用者を Google ベースの製品やサービスに呼び込み、そこに繋ぎ止めるという役割を持っているからだ。これは、Internet Explorer が Microsoft ベースの製品やサービスと深く結びついていることと同じだ。 Chrome のプライバシー問題 現状、Google Chrome の最大の課題は、プライバシー問題だろう。Firefox には存在する「トラッキングの拒否を Web サイトに通知する」オプションが、Google Chrome には存在しない。だが、私はこの2つのブラウザには、プライバシー保護の違いはそれほどないと考えている。 「トラッキングの拒否を Web サイトに通知する」を利用すれば、アドネットワークのトラッキングからは逃れられるかもしれない。だが、それでも現状、トラッキングから完全に自由になることは不可能だろう。また、Google のサービスを利用し続ける限り、どちらのブラウザを利用してもプライバシーやセキュリティーのレベルにほとんど差異は無いと思われる。 まとめ Firefox はユーザーを取り戻す力を潜在的には持ってはいる。だが、それを実現するには、Firefox は Chrome との差別化を真剣に考えなければならない。現状、まだそれはできていない。また、Mozilla が Google から受け取った大量のキャッシュを何に使うのかもわからない。だが、Firefox は今回あげた問題点を克服し、泥沼から抜け出せす可能性を十分に持っていると言える。 関連記事
新着ニュース・コラム ホワイトペーパー
|
注目のトピックス 話題の記事
アクセスランキング
最新コラム一覧
|
||||||||||||||||||||