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天馬 猫助(てんま ねこすけ) |
ニューヨーク在住9年目。インターネットと共に歩んだ猫助による米国動向レポート。
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米国「Wi-Fi ホットスポットレポート」<その2>
著者: 天馬 猫助 プリンター用 記事を転送
▼2002年8月30日 00:00 付の記事
■海外internet.com発の記事
米国では新しいタイプの技術やビジネスモデルが展開すると、無料サービスを提供する団体が自然的に生まれ、強力かつ草分け的な推進役となる場合が多い。その団体は、単に好きモノが集まった同好会的なものから、企業グループ、アカデミアとの提携などさまざまな規模や形態がある。こうした傾向はインターネット関連技術では特に顕著だと思っていた。
Wi-Fi ホットスポットへの無料アクセスサービスを目的としたコミュニティが米国、カナダ、欧州などの大都市で静かに浸透しつつある。米国では厳しい経済状況が続いているが、こうしたコミュニティ活動はニューヨーク、シリコンバレー、シアトル、ヒューストン、ボストンなどで見受けられる。
私が住むニューヨーク市では、NYCwireless という組織が無料 Wi-Fi ホットスポットに関するコミュニティ活動を続けており、今回はこの組織の紹介と、7月末に開催された月例ミーティングの内容を中心に報告したいと思う。
NYCwireless の目的
NYCwireless はニューヨーク地域で無料 Wi-Fi ホットスポット展開を目的とした NPO で、二つの使命を掲げている。一つは無料 Wi-Fi インターネットアクセスを提供することで、もう一つは Wi-Fi ネットワークに関する技術支援やその他のフォーラムを運営することだ。
無料 Wi-Fi インターネットアクセスの提供については、個人がアクセスポイントを開設する場合の各種支援から、スポンサーとの協業による大規模な展開までが含まれる。個人が無料アクセスポイントを開設する場合に、アクセスサービスの再利用に関する法的な問題は避けて通れない。
個人ユーザーはケーブルや DSL などブロードバンド接続契約を各々プロバイダーと交わし、そのサービスを個人の趣味の範囲で、無線を介して無料で一般開放している。一方、ブロードバンド ISP ではサービスの再提供を禁止している場合が多く、たとえ趣味の一環で無料サービスを再提供しても契約違反になる。
特にケーブルブロードバンドではこの問題が顕著で、ニューヨークのケーブル ISP の最大手、Time Warner Cable 社は Wi-Fi ホットスポットのための再提供を明確に禁止している。しかし、中には再提供を容認するプロバイダーもあり、NYCwireless は個人ユーザーにこの種のプロバイダーの利用を推薦している。
NYCwireless −月次ミーティング
Wi-Fi ネットワークに関するフォーラムとしては、メーリングリストの運営と月次ミーティングが主要な活動内容である。7月31日に開催された月次ミーティングに私は参加してきた。夕方6時から2時間の予定のミーティングは前半・後半の二部構成で、前半は現在進行中のプロジェクトの進捗報告や連絡事項、関連技術に関するプレゼンテーションが和やかな雰囲気で実施された。
前半が終了する頃には、主催者側が準備したイスが足りなくなり、合計70名以上の聴衆で埋め尽くされ熱気さえ感じられた。
自らホットスポットを運営している個人、Wi-Fi アクセスに興味のある IT 関係者、金融アナリストなどが集まり、その中で私の前職の同僚であった Derek 君とも偶然再開することができた。彼は現在、ニューヨーク大学のシステムプロジェクトのメンバーとなり、キャンパンス内の無線 LAN 接続を研究中であるらしい。
そして後半は、元 FCC のチーフテクノロジストで現在はペンシルバニア大学教授を務める David Farber 氏の講演が行われた。予想通り、講演のメインテーマは FCC 時代に携わっていた帯域オークション関するものであった。だが、何より興味深かったのは、本題に入る前の10分間に語られた5月に日本を訪れた時の体験である。 彼は、日本では米国の半分以下の月額料金でホットスポットが利用することができ、かつ 3G の携帯インターネットアクセスより評判が高いとコメントした。さらにメルコ社製の小型アクセスポイント機器の実物を取り出して、「こんなに小さいが、価格はこちらの半分」と皆を驚かせた。
さて、次回からはニューヨークにある無線 Wi-Fi ホットスポットの体験レポートをお届けしようと思う。
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