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三田 隆治 三田 隆治(みた たかはる)
気鋭のモバイルジャーナリスト・プランナーが送る、「これからのケータイビジネス」ヒント集。携帯サービス・コンテンツの企画コンサルティングなども手がける。

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最新コラム

iモードの「オープン化」はじまる。そのビジネスチャンスは?

著者: 三田隆治 プリンター用 記事を転送
2002年12月26日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

先月の21日、NTTドコモは iモードパケット網インタフェースを開放すると発表しました。これは、10ヶ月前にすでに発表されていた措置ですが、当初からの予定通り11月から提供開始となりました。(詳細:NTTドコモリリース

このニュース、不思議にもあまり話題になっていませんね。実のところワイヤレス業界のみならず、日本のネットビジネス全般にとって、かなり大きなトピックだと思うのですが。なにせ、iモード最大の特徴の一つといっても過言ではない、「網認証」(ID&パスワードなどではなく、端末認証でワンタッチでネットアクセスできる機能)が、ドコモ以外の企業にも開放されることになるわけです。(参入できるのは第一種と第二種の電気通信事業者に限られますが)

iモード携帯電話というのは、実はごく少数の端末を除いて、初代 501i シリーズから「ドコモの iメニュー」以外の、他の ISP 事業者への接続もセレクトできるように作られています。従って、このオープン化措置で、少なくとも理屈の上では約3500万人いる iモードユーザーのほとんど全員を、この措置による想定マーケットとみなすことができるわけです。もっとも、こうしたことをちゃんと解説しているマスコミもほとんど皆無なので、話題にならないのも仕方ないのかもしれませんね。

iメニューオープン化がもたらす意義を、箇条書きにして整理してみましょう。

(1) オープン化された「iメニュー」には、コンテンツの内容制約がない。
iモード公式メニューに、コンテンツ内容の制約が多いことはご存知の通りです。アダルト系、出会い系、ギャンブルに関する情報などのコンテンツは、iメニューでは厳しく制限されてきたわけですが、この制限はあくまで「ドコモの iメニュー」に対してのことですので、各 ISP が独自提供するコンテンツには、こうした内容の制限がないのです。
これがどういう意味を持つかは、書かなくてもお分かりですよね?

(2) コンテンツ課金手段を自前で用意しなくてはならない。
多くのビジネスマンが、オープン化を「ビジネスチャンス」と受け止めることができない理由はこれでしょう。要するに「ドコモが通話料金に載せてコンテンツ料金を徴収している以上、自前の課金手段を用意するのではとても勝負にならない」と考えてしまうわけです。しかし、本当にそうだと言い切れるでしょうか?
再度、このコラムの第一回を読んでみてください。ドコモの iモードというのは、極論を言えば PC を持っていないユーザー中心に活性化してきたサービスなのです。その証拠に、あなたの周囲にいる PC を駆使するビジネスマンに、実際にどれだけ iモードを使っているか尋ねてみてください。せいぜいメールの転送や天気予報、乗り換え案内を使うぐらいで、他はほとんど使ったことがないという人が多いのではないでしょうか?
つまり、iモードがあっても、ほとんど使っていない人はそれだけ多いのです。ではそれらの人は、なぜ iモードを使ってこなかったのか? そのポイントをしっかり考えれば、たとい課金手段がクレジットカード決済であっても、必ずチャンスはあるはずです。
特に、すでに数多くのカード決済会員を抱えているような事業者(PC 系プロバイダが代表各ですね)にとっては、既存事業のビジネスモデルを補完・補強する形でいろいろと面白い可能性がありそうです。そういった意味で、次の項目(3)の事項も含め、異業種からの参入にはチャンスがあると受け止めるべきではないでしょうか。

(3) 年齢限定、性別限定、高価格など、セグメント化されたターゲティングも可能。
iモード公式サイトは、コンテンツ課金上限が300円/月と安いため、どうしても「薄利多売」のビジネス中心となります。しかも、大人も子供も、年齢を問わず提供するものなので、どうしても最大公約数的にアピールしやすいコンテンツが中心になります。今日、公式コンテンツを提供している CP(コンテンツプロバイダ)の多くが収益性の悪化に苦しんでいる理由は、このようにコストや内容の面で、横並びの条件を余儀なくさせられているせいだとも言えるでしょう。
オープン化措置によって、コンテンツの課金は料金の制約もなくなるわけですから、よりセグメント化されたユーザーを想定することが可能になります。たとえばマニア向けに対象を絞って「月額1000円以上」などという高額のコンテンツなど、今までの公式サイトとは異なる組み立てを検討することもできるでしょう。
というよりむしろ、そうした「差別化」を積極的に考慮しなくては、ユーザーから見て、ドコモの iメニューからわざわざ乗り換える意義は薄いということになってしまうでしょう。

‥そのほか、このオープン化措置にはいろいろな面が潜んでいると思われます。
僕個人としては、このオープン化措置は特に、教育業界あたりに面白いチャンスがあるのではないかと見ています。現在、iモード公式コンテンツの多くは、単なる「ひまつぶし」になっているものが少なくないと感じます。「ひまつぶし」に対しては、人はなるべく安いものをと望むだけですが、こんな時代ですから、教育への支出という「自己投資」は、内容と比してリーズナブルなものであれば、さまざまな可能性があるのではないかと思います。

ここらで文字数も尽きました。皆さんも是非、オープン化のもたらす可能性について考えてみませんか?

記事提供:三田隆治(モバイルジャーナリスト・プランナー)



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