Suica がモバイルと連動!●「Suica ポスタースクエア」概要
ここ数回のコラムではリアル連動をとりあげているが、 その先進的実験が現在上野駅で行われている(3月21日まで)。 企画名は「Suica ポスタースクエア」。 実施場所は、JR 上野駅の中央改札口を出てすぐのグランドコンコースである。 趣旨としては、 Suica を各種ポスターの手前に設置されたリーダーにタッチすると、 そのポスターに関連する情報がモバイルのメールで届けられるというものだ。 もちろん、 あらかじめ Suica の15桁の番号とモバイルのアドレスの対応づけが必要である。 「s@jrueno.jp」に空メールを送り、 返送されてきたメールに記載された URL をクリックし、 性別や年齢などの簡単な情報を入れれば登録完了だ。 様々な業種の企業がこの企画に参加している。 旅行雑誌の『じゃらん』、吉本興業の水族館、 NTT ドコモ、USEN、NEC、缶コーヒーの「BOSS」などなど。 単に情報が来るだけでなく、 アトレ上野では500円クーポンの抽選を兼ねていたり、 BOSS では1日200人先着で缶コーヒーそのものがプレゼントされたりと、 いろんな魅力が工夫されている。 また、FOMA901i のポスターでは、 ポスターそのものに5か所に設置されたリーダーがあり、 それぞれ異なる情報が来るような工夫もしている。 上野駅という多くの人が集まる場所とモバイルを、 Suica を介在して連動させた先進的実験と言えよう。 ●何か物足りない…… この先進的な実験、 確かにすばらしいのだが、 実際に体験してみて何か物足りない印象を覚えた。 技術的には先進的だが、マーケティング的にはまだ工夫の余地がありそうなのだ。 意地悪な言い方だが、 「そんな面倒なことをしなくても、 ポスターの前に詳細情報のチラシや小冊子を何種類か並べておけばいいじゃないか」という議論も一理ある。 この「実験」が「本番」に耐えうるものになるには何が必要かを考えてみた。 ポイントは大きく2つある。 まず必要なのはインタラクティブ性だ。 例えば博物館のティラノザウルスの模型に同じ技術を適用したとする。 足に Suica をかざすと、 「ティラノザウルスは時速○キロで歩いたと考えられています」。 牙に Suica をかざすと、 「牙の長さは○センチ。なんとライオンの牙の○倍です」といったイメージだ。 ちなみに Suica ポスターを体験したあと、 飲料の自販機も Suica が使えるということで JR ブランド「大清水」のお茶を買った。 この時ふと思ったのは、 「スイカをかざして今買ったばかりのお茶のうんちく情報が、 Suica 連動の携帯メールで来たら面白いのになあ」ということだ。 こういった購買行動とリンクしたインタラクティブ性は大きな可能性を秘めている。 2つ目のポイントは継続性。 例えば「山手線全駅 Suica ポスターラリー」のようなイメージだ。 継続という概念を入れると、 モバイルという高機能 IT を使う意味が出てくる。 例えばモバイルサイトに自分が行った駅が図で表示されたり、 「あと5駅です。がんばって」といったメールが自動的に来たりするわけだ。 上述した Suica による自販機での購入も、 例えば「20本買えば1本無料プレゼント。あと5本です!」といったモバイルメールを自動送信すれば、 どうせ毎日1本は買うお茶を特定ブランドに囲い込むことも可能になる。 インタラクティブ性と継続性に加えて位置情報を活用したり、 精緻なワントゥワンを行うことなど、 まだまだ他の工夫の余地もありそうだ。 具体的な魅力を高めることで、 今回の上野駅の「未来」実験が我々の「日常」となる日も近くなるはずだ。 |