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2008年9月6日
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実践的モバイルマーケティング入門
実践的モバイルマーケティング入門 西田 徹(にしだ とおる)メールホーム
株式会社メンバーズの顧問。マーケティングおよび CRM を専門とする。主な著書に「ここまできた!モバイルマーケティング進化論」(日経 BP 企画)がある。

インフォメーションとコミュニケーション

国内国内internet.com発の記事
最近、「IT」という言葉を「ICT」で置き換えようという動きがある。

そもそも「IT」とは「Information Technology」、すなわち情報技術である。 これに「C」で始まるキーワードが加わったわけだ。 それは「Communication」である。

手前みそになるが、私は約4年前から、 「インフォメーションとコミュニケーションの違い」 「2つの適正バランスが重要であること」 「漫然とコンテンツを作成すると、 インフォメーションだけになりがちであること」などを訴えてきた。 それが政治的なキーワードに偶然にも後追いされる形となったわけだ。

モバイルのコンテンツ作成にも、 この「インフォメーションとコミュニケーション」の考え方が大きな意味を持つ。 詳しく解説しよう。

●興味をもった高見込顧客に必要な「インフォメーション」

インフォメーションの性質をまとめてみた。

定義:客観的なデータ
役立ち方:興味を持った顧客が購入検討に用いる
具体例:商品の性能数値、価格、値引情報、購入方法、会社概要など

さて、このインフォメーションに関して、 3つポイントがある。

まず1つ目は、 インフォメーションは、サイトやメール作成の難易度が低いので、 その割合が増えがちであることだ。 乱暴な言い方になるが、要はカタログやチラシを転記すればいいのである。 学生アルバイトに任せられる仕事と言える。 よって、漫然とコンテンツ制作をすると、 サイトやメールの大部分が「インフォメーション」で埋まってしまうことになる。

2つ目のポイントとしては、 インフォメーションだけのコンテンツは、「つまらない」ことである。 携帯のサイトやメールの読者は「なるほど!」「ははは♪」といった感動を求めて閲覧する。 それに対して、 カタログ情報的な内容だけだと期待を裏切ることになる。 そういったサイトは二度とアクセスされないし、 そういったメールは即時に配信解除されることになるだろう。

ただし、3つ目のポイントがある。 それは、興味を持って購入検討を行っている見込客にとっては、 インフォメーションは重要なコンテンツだということだ。 具体的性能、価格、購入方法などの乾いた情報は、 真剣に購入を検討している見込客にとっては、 絶対必要な情報なのだ。 インフォメーションだけだと「つまらない」。 でもないと困るのである。

●「低見込→高見込」への顧客育成に必要な「コミュニケーション」

コミュニケーションの性質をまとめてみた。

定義:主観的な思いや感情。双方向のやりとりなど
役立ち方:見込客の興味や関心を高める手段
具体例:クイズ、裏話、商品開発秘話、読者アンケートとそのフィードバックなど

コミュニケーションの留意点はインフォメーションの裏返しとも言える。 コミュニケーションコンテンツは作成の難易度が高いので、 漫然と制作を行うと、 サイトやメールにほとんど登場しないことになってしまう。

よって、意図的にクイズ、裏話、読者アンケートなどを入れる必要がある。 それにより、見込度合いの低い層の興味関心や購入意欲を高めることができるのである。

ただし、サイトやメールの内容がすべてコミュニケーションになってしまうのも問題だ。「価格はいくらなのか」「具体的購入手順は?」といった乾いたインフォメーションも、それがないと、最後のステップである購入をしてもらえないのである。

●コミュニケーションでは書き手の主観を出す

コミュニケーションコンテンツの作成難易度が高いのは、 我々日本人のメンタリティが深く関係しているように思われる。 それは「客観はいいこと。主観は駄目なこと」、 「主観的な主張には価値がない」といった誤った思い込みである。

もちろん、コンテンツの「インフォメーション」の部分では客観性が求められる。 しかし、「コミュニケーション」の部分では、 逆に主観を出すことが必要なのだ。 今自分はどちらのコンテンツを書いているのかを明確に意識し、 それに応じて客観/主観を使い分けることが必要である。

コミュニケーションにおいては、 個人のキャラクタを打ち出して親しみを感じてもらったり、 自分なりの視点を導入して、 カタログ転記の情報との違いを明確化することなどが必要である。

最近は Blog の普及などで、 主観を表明する習慣が前よりは広まりつつあるので、 主観を出すことに慣れている人も増えてきているだろう。 次回のサイトやメールの作成の際には、 ぜひ「コミュニケーション」を意識してみてほしい。

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