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西田 徹(にしだ とおる) |
株式会社メンバーズの顧問。マーケティングおよび CRM を専門とする。主な著書に「ここまできた!モバイルマーケティング進化論」(日経 BP 企画)がある。
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ネタ切れを乗り越える
著者: 西田 徹 プリンター用 記事を転送
▼2006年5月12日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
モバイルのサイトやメールを開始して、早ければ数か月後にはネタ切れに悩むことになる。「1年続けているけど、ネタ切れなんかで悩んだことないです」という運営担当者は極めて希であろう。
今回はネタ切れ対策について語りたい。具体的には、筆者があるタイヤメーカーのインターネットマーケティング(PC およびモバイル)をお手伝いした経験をもとに解説しよう。
●クイズ形式を活用する
仮に皆さんがタイヤメーカーのネットマーケティングを支援する立場になったと想像してみて欲しい。黒いゴムの塊にも思えるタイヤという商品。ネタ切れ以前に、そもそもネタなんてあり得るのかという絶望感さえ覚えても不思議ではない。ところが実際は、コツさえつかめばタイヤはネタの宝庫とさえ言える商材なのだ。ネタを掘り起こすための3つのコツを紹介しよう。
1つ目のコツは表現方式を工夫すること。クイズ形式が一番ポピュラーなものである。例えば以下のようなクイズである。
当社のスタッドレスタイヤ「ガリガリZ」は、ある天然素材を混入することで雪や氷に負けないように工夫しています。さて、その天然素材とは何でしょうか?
(1)ダイヤモンドの微粒子
(2)クルミを砕いたもの
(3)そば粉
それぞれの回答はクリック出来るようになっており、リンク先には正解か不正解かと、正解である(2)の詳しい解説がなされるわけだ。これをクイズ形式ではなく、普通に記述すると下記のようになる。
当社のスタッドレスタイヤ「ガリガリZ」は、クルミを砕いたものを混入することで雪や氷に負けないように工夫しています。
表現形式の違いだけで、1つのネタが面白くもなり、つまらなくもなることを実感いただけたかと思う。
●素人を編集会議に呼ぶ
上記小見出しに違和感を覚える読者も多いであろう。ただでさえネタ切れで苦しんでいるのに、素人を編集会議に呼ぶなどしたら、さらに混乱が深まるだけではないかと。ところが実際はそうではない。玄人は業界事情を知りすぎており、今や何が素人にとって面白いかが見えなくなっているのである。編集会議でのネタ掘り起こしは以下のように進む。
玄人「専門的な話ならいくらでも出来るのですが、サイトやメールに書いて面白いネタなんてありませんよ…」
素人「まあ、そうおっしゃらずに。ところでタイヤのミゾってもっと深くしたら、ガンガンに止まる凄いタイヤになったりしないのですか?」
玄人「ははは。ご存じ無いのも当たり前ですが、タイヤは坊主のタイヤが一番良く止まるのですよ。」
素人「えーっ!本当ですか!じゃあギザギザは何のためなのですか!?」
玄人「晴天の時はつるつるタイヤが一番良く止まります。ギザギザは雨天で路面が濡れている時に水を掻き出すためなんですよ。」
素人「それ、むちゃくちゃ面白いです。次号のコラムはそのネタで行きましょうよ!」
上記はタイヤ業界の例だが、どんな業界でも「玄人にとっては当たり前」「素人にとっては面白い」というネタが必ずあるはずだ。編集会議に素人を混ぜることでこの種のネタをぜひ掘り起こして欲しい。
●読者に聞く
インターネット(PC およびモバイル)は、双方向性に優れたコミュニケーション手段である。これをネタ切れ防止に使わない手はない。例えば以下のようなアンケートをまず実施する。
タイヤ購入の際、重視することは何ですか?
(1)店員の説明
(2)メーカー名(ブランド名)
(3)タイヤの外見
(4)タイヤの性能
(5)テレビ CM
(6)その他
その結果を次回のサイト更新時や次号のメルマガにネタとして使うのである。読者投稿などの双方向性はリアルの雑誌などでも定番の手法だが、インターネットではもっと活用されてしかるべきであろう。
双方向性活用にはネタ切れ防止以外の効用もある。読者は「自分たちの意見を聞いてくれた」という喜びを感じ、それがサイトやメールを主催する企業へのロイヤルティーにつながるのである。
もしネタ切れに困っている読者がおられたら、このコラムで紹介した3つのコツを早速試みていただきたい。具体例としてタイヤ業界で解説をしたが、原理的にはどんな業界でも通用するコツである。
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