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2009年11月24日
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実践的モバイルマーケティング入門
実践的モバイルマーケティング入門 西田 徹(にしだ とおる)メールホーム
株式会社メンバーズの顧問。マーケティングおよび CRM を専門とする。主な著書に「ここまできた!モバイルマーケティング進化論」(日経 BP 企画)がある。

SMCR モデル

国内国内internet.com発の記事
企業にとってモバイル(携帯電話)とは、顧客とのコミュニケーション手段である。しかも優れた点を沢山持っている。ただし、そのコミュニケーションが必ずしも想定通りに進むとは限らない。モバイル広告がクリックされない。モバイルクーポンが利用されない。モバイルアンケートの回答率が低い。そういった現象が起きてしまう場合も少なくないのである。

そんな時、まずは原因を究明することが行われるだろう。ただし、一般的には短絡的な「決めつけ」が起きがちである。

「このモバイル広告媒体は駄目だ」。「このキャッチコピーは駄目だ」。「そもそもモバイルで来店促進すること自体が駄目だ」。などなど。

上記のように結論を急いでしまう前に、広い視野でコミュニケーションというものをとらえて分析することが必要である。

そのためには SMCR というモデルが有効であろう。送り手(Sender)、内容(Message)、手段(Channel)、受け手(Receiver)の4要素からコミュニケーションをとらえる考え方である。モバイルだけに限定せず、コミュニケーション全般の視点も踏まえて解説しよう。

送り手(Sender)

コミュニケーションの成否を決めるのは、その内容(メッセージ)が主体と思われがちだが、実はそうとも言い切れない。そのメッセージを発信している人や企業が誰なのかということも大きく影響するのである。

ある野球少年A君に対するアドバイスのシーンを仮定してみよう。A少年の素振りを見て、イチロー選手がこう言ったとする。

「君、なかなかセンス良いね。ただし足腰が弱い。これから毎日10キロ走り込みなさい。そうすれば、ホームランバッターになれるよ。」

A少年は大喜びで明日からのランニングメニューをまじめに消化するだろう。

ところが野球のど素人である私が、全く同じセリフを同じA少年に言ったとしたら、その結果は相当異なるだろう。「素振り数回で何がわかるってんだよ。1日10キロなんて冗談じゃない。誰が走るかよ!」。

いかがだろうか。コミュニケーションの成否がその送り手(Sender)に大きく影響を受けることが実感できたと思う。

本題のモバイルに戻ると、各企業が顧客にどう受け止められているのかをまず把握することが重要である。具体的には、認知度、好感度、企業イメージなどである。

内容(Message)

コミュニケーションに内容(Message)が重要なのは誰もが理解しているだろう。

ここでは「整合性」というキーワードを意識して欲しい。他の3つの要素(送り手S、手段C、受け手R)との整合性である。

上記の野球少年の例に戻ってみよう。イチロー選手のような権威をもった送り手(Sender)には、シンプルな指示・命令という内容が整合していた。それが私のような素人が送り手(Sender)となった場合は、もっと丁寧に説明を行い、命令というよりは提案するような内容が整合するのではと思われる。

同様にモバイルという「手段」との整合、「受け手」との整合も意識する必要がある。

手段(Channel)

モバイルというコミュニケーション手段の特性については各所で語られているので復習程度に留めよう。

長所:即時性、パーソナル性、地域性、双方向性、などなど。
短所:情報量、操作性、一覧性、検索性、などなど。

大事なのはここでも整合性である。例えば以下のような「内容」と「手段」の組み合わせは見事に整合していると言えるだろう。

内容(Message):「たった今、○○国がワールドカップ優勝を決めました」
手段(Channel)の特性:即時性

受け手(Receiver)

「馬の耳に念仏」という言葉があるが、まさに SMCR モデルの有効性を実感させる格言である。

どんなに格の高いお坊さん(送り手)が、有り難いお経という形で(手段)、素晴らしい人生訓(内容)を語ったとしても、その受け手が馬であったら何の意味も無いのである。

ただし、馬に対するコミュニケーションを諦めるのは早い。馬を動機づけるには、念仏ではなくニンジンがあれば良いのである。やはりここでも整合性というキーワードを意識したい。

モバイルマーケティングという本題に戻ると、皆さんのターゲットは誰なのかということである。そのターゲットに整合した残りの3要素(送り手S、内容M、手段C)となっているかを再度確認する必要があろう。

シンプルな4文字、SMCR。そして整合性というキーワード。これを活用して、皆さんのモバイルコミュケーションを再点検してみてはいかがだろうか。

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