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西田 徹 西田 徹(にしだ とおる)
株式会社メンバーズの顧問。マーケティングおよび CRM を専門とする。主な著書に「ここまできた!モバイルマーケティング進化論」(日経 BP 企画)がある。

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 ホーム  http://www.members.co.jp

最新コラム

モバイルマーケティング7箇条

著者: 西田 徹 プリンター用 記事を転送
2006年10月20日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

早いものでこのコラムがスタートしてから2年が過ぎようとしている。モバイルを使っての売れる仕組みづくり(モバイルマーケティング)に関してかなりの部分を網羅できたように思うので、今回でいったん筆を置くことにしたい。

最終回なので、今まで申し上げてきたことを「モバイルマーケティング7箇条」としてコンパクトにまとめてみた。

【その1】 「安い」「当たる」「新発売」を乱用するな
【その2】 モバイル単独ではなく、他メディアと連動せよ
【その3】 タイミング イズ マネー
【その4】 位置情報を活用せよ
【その5】 効果を測定せよ
【その6】 メールが届いているかを確認せよ
【その7】 ワン・トゥ・ワンを仕掛けよ

では順に解説してゆこう。

【その1】 「安い」「当たる」「新発売」を乱用するな

モバイルのサイトやメールを作成する際に、PC と比較して文章量が少ないので「簡単だ」と捉えるマーケターがいるが、必ずしもそうとはいえない。特に「安い」「当たる」「新発売」といった安易なキーワードがインターネット上には溢れかえっており、これらを連発することは逆効果にもつながりかねない。

多次元メソッドを活用し、幅広い角度でのライティングを心がけよう。具体的には以下の9次元である。

・スペック次元:商品・サービスの性能を打ち出す
・ソリューション次元:得られるメリットや利用シーンを打ち出す
・コスト次元:安価もしくは無料を打ち出す
・ハイエンド次元:高品質、高性能を打ち出す
・限定次元:個数や時期が限定されていることを打ち出す
・タイミング次元:適切なタイミングであることを打ち出す
・ラッキー次元:抽選などで商品が当たることを打ち出す
・知名度次元:著名企業、有名人などを打ち出す
・ポピュラー次元:流行している、皆が使っていることを打ち出す

参考記事:「コピーライティングのコツ(その1)」、「コピーライティングのコツ(その2)

【その2】 モバイル単独ではなく、他メディアと連動せよ

モバイルは今までのコミュニケーションツールになかった斬新な機能を持つと同時に、「一覧性」、「網羅性」、「検索性」といったところに欠点をかかえてもいる。そこで必要となるのが他のメディアとの連動だ。

具体的にはモバイルに呼び込む前(プレアクセス)での連動と、モバイル閲覧をしてもらった後(ポストアクセス)での連動に二分される。プレアクセスでは、テレビ、新聞、雑誌といった既存広告メディアとの連動や、リアル店舗での連動が主なものとなる。ポストアクセスでは、ホット顧客リストを営業マンにつないだり、モバイルクーポンでの来店促進を行う活動がポピュラーである。

関連記事:「携帯でリアル連動」(その1)」、「携帯でリアル連動(その2)」、「携帯でリアル連動(その3)

【その3】 タイミング イズ マネー

「タイム イズ マネー」(時は金なり)という金言があるが、モバイルマーケティングにおいては「タイミング イズ マネー」を心がけたい。

モバイルは24時間ユーザーの側で待機している。この点が今までのコミュニケーションツールになかった大きな特徴である。

よって分単位や、場合によっては秒単位のタイミングを捉えて消費者にコミュニケーションする企画が功を奏するのである。雨が降り出したら「雨の日クーポン」、著名スポーツ選手が「たった今50号ホームラン達成!」、などなど。こういったタイミングを生かして売れる仕組みを構築したいものである。

関連記事:「タイミング イズ マネー

【その4】 位置情報を活用せよ

24時間ユーザーの側にいる。この特徴は動的な位置情報を活用したマーケティング活動の可能性を示唆している。

従来は居住地や勤務地といった静的な位置情報しか利用できなかった。それがモバイルを活用すると「今、六本木にいる」といった動的な情報を生かしたコミュニケーションの可能性が出てきたのである。また、緯度・経度で表される位置情報に加えて、「今、コンビニの中にいる」、「今、電車に乗っている」といったシチュエーション情報もこれから活用されてゆくことであろう。

参考記事:「位置情報マーケティング

【その5】 効果を測定せよ

モバイルを使ったマーケティング(売れる仕組み作り)には様々な長所があるが、効果測定が容易である点はその中でも重要である。

モバイル活用によって売上という最終成果がどの程度もたらされたかを知るのがまずスタートである。それができたら、売上に至るまでの各ステップでの状況を測定する。どこで止まっているのかのボトルネックを見つけ出し、それを取り払う施策を打つ必要がある。さらには、個人に軸をおいた効果測定まで発展させることができれば理想であろう。

参考記事:「効果測定(その1)」、「効果測定(その2)」、「効果測定(その3)

【その6】 メールが届いているかを確認せよ

モバイルのメールは数千通以上の大量配信を行うと、「迷惑メール」と勘違いされてキャリアによってブロックされてしまうことが起こりうる。また、そういった事態になっていることが企業側では認識されていないケースがあるのが怖いところである。

モバイルのメールを大量配信する場合は、専用の配信エンジンを使うのが理想である。不達となったアドレスを即時にクリーニングするなどの手をうち、確実に届くメール配信を心がけよう。

参考記事:「届かないモバイルメール

【その7】 ワン・トゥ・ワンを仕掛けよ

インターネットでは「ひとりひとりにぴったりの情報をお届けすること」、つまりワン・トゥ・ワンの実現が比較的容易である。モバイルでは、特にメールでの施策が主になるであろう。

ただし、性別や年齢といった「乾いた」情報に基づくワン・トゥ・ワンは効かないことが多い。アンケート結果などの自己申告データや購買履歴データといった「生きた」情報に基づくワン・トゥ・ワンを心がけたいものである。

関連記事:「ワン・トゥ・ワン(その1)」、「ワン・トゥ・ワン(その2)

モバイルの性能はこれからも飛躍的に発展しつづけるだろう。しかし、ここで紹介した「モバイルマーケティング7箇条」は今後も変わらない重要ポイントである。これをベースに読者の皆さんがユニークなマーケティング活動を展開されることを祈りつつ、筆を置くことにする。


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