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2009年11月22日
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通信と放送の融合を越えて
通信と放送の融合を越えて 市川茂浩(いちかわ しげひろ)メールホーム
ケータイ向け完全無料放送局Qlick.TV(クリック ドット ティービー)を運営する、株式会社フロントメディア代表取締役。
多数の公式サイトを立ち上げたモバイルプランナー。
通信およびコンテンツビジネスに精通。

ケータイ文化圏とネット文化圏の隔絶論について

国内国内internet.com発の記事
いままで「通信と放送の融合を越えて」というテーマで、2回ほどネット動画とモバイル動画の活用について述べて参りましたが、読者の感想をお聞きしたところ、正直、すこし先の話をしすぎたかな?と反省しはじめております。いきなり「ケータイの最新ビジネスモデル」という話から入らず、「なぜケータイってすごいのか」から話してほしいという要望が多くありました。

ですから今回は、なぜ私がケータイと放送の融合に着目するようになったかについてご紹介したいと思います。ケータイマーケティングの歴史そのものから振り返ることになりますが、この説明が一番しっくり来ると思いますし、世間で騒がれ始めている「ケータイユーザーの秘密」にもせまることができると思います。

ケータイユーザーと PC ユーザーは根本的に違う
最近「ケータイ文化圏とネット文化圏の隔絶」というテーマがブロガーたちの間で持ち上がり、エントリーが増え始めているようです。以前ご紹介したようなケータイ SNS「モバゲータウン」のヒットや検索エンジン導入などをきっかけにして、「どうやらケータイと PC のユーザーには明確なニーズの違いがあるらしい」という議論が展開されています。

しかし、ケータイの草創期を体験し、数年間にわたって数多くのチャレンジと失敗のなかからメガヒットを生み出してきた私や携帯業界のモバイルプランナーやキャリアの方々のような「ケータイ・インサイド」の人間からみると、「どうしていまさらそんな当たり前の議論が出ているのだろうか?」と不思議になるくらい当たり前のことを議論しておられるように思います。

ケータイには「モバゲータウン」のヒットを待つまでもなく、数多くのメガヒットの歴史がありましたし、「モバゲータウン」が200万人を突破したからといって、注目に値するサービスであるとはいえ、これを文化圏の隔絶論の象徴とみるのは間違っています。ケータイには、昨今注目を集めている「girlswalker」をはじめ、「魔法のiらんど」や「アプリ★ゲット」など、数100万ユーザーを集めたサービスは数多くありました。それらは全てケータイのみで、しかも公式メニューに頼らずユーザーに支持されることによって成立していたサービスです。

ですから、私たちの実感からいえば、「ケータイユーザーと PC ユーザーは、その成り立ちからしてまったく違う」というのが事実に沿ったものの見方です。その根拠となるのは、日本人が一番最初に手にする文字入力デバイスがケータイとなって以来、既に10年以上が経っているという事実であり、毎年低年齢化している「ケータイデビュー年齢」です。

「under79世代」がケータイ文化圏を構成している
実は、10代が実際に使っているケータイというのは、契約が親族の名義になっていることが多く、その正確な所持数についてはキャリアも発表できていません。ですから、ケータイネット世代のマジョリティ化については公表されているデータが少なく、この革命的な世代交代については、ケータイで実際にサービスを提供している事業者の実感としてだけ理解されてきました。

しかし、それを類推できるデータはいくつか存在します。そのひとつめは、固定電話とケータイの新規加入に関するデータです。総務省によりますと、1994年に携帯電話の新規加入数が初めて固定電話の新規加入数を上回りました。この年に高校一年生だった人は、1979年生まれということになります。ということは、現在27歳以下の若者は PC よりもケータイに先に触れた人たちであるという仮説が成り立ちます。

実際に私(74年生まれ)も14歳の頃に初めてポケベルを持つという特殊性があったものの、ケータイをはじめて持ったのは高校1年のときでした。私はその後大学に必要ということで PC 持ちましたが、PC よりも3年前にケータイに接しています。

私よりも5歳も若い「under79世代」については、さらにその傾向が顕著であるということは想像に難くありません。これは人口構造上、当然の帰結ですが、さらに注目すべきは、この動きが加速しているということです。ケータイデビュー年齢は毎年低くなり続けています。サーベイリサーチセンターが定期的に行っている「子供の携帯電話の利用について」というアンケートでは、「子供に携帯電話を持たせたいと思う時期」という質問に対し、小学生や中学生と答えた親の比率が1年半で3%〜5%アップしています。ケータイ文化圏のマジョリティ化というのは、10年以上前から加速し続けている現象だったのはいうまでもありません。

メディアにおいてもっとも重要な指標は「アクティブユーザー数」
とはいえ、上記のような「ケータイ業界の常識」が世間一般で知られるようになったことは、私たちケータイ業界にとって喜ばしいことです。ケータイでの映像配信や放送サービスというのはメジャー化しているケータイユーザーのニーズを満たすサービスのひとつになると考えられますし、いよいよご紹介してきたようなモバイル映像およびモバイル CM の必要性も、理解が広がってくることだろうと思っています。

ただ、ひとつだけ重要な点を忘れてはならないと思うのですが、今も昔も、メディアにおいて最も重要な指標は、「アクティブユーザー数」にあるということです。会員数や、世帯数ではない。テレビの草創期においても重要視されたのは視聴者数でした。ネットにおいても当然、その法則が適用されるべきです。

GyaO はアクティブユーザー数を公表しないために、ネットレイティングスが発表する客観調査の数値で視聴者数を推測するしかありませんし、SNS においてもアクティブユーザー数を積極的に公表していません。テレビにおいてもビデオリサーチの客観調査しか視聴率を測るモノサシがありません。しかし、本来メディアの価値は「どれだけの人が常に接触しているのか」で測られるべきで、その意味ではケータイでの映像配信や放送サービスや SNS といえども、マーケティング上の効果のあるメディアとなるかどうかは、今後獲得するアクティブユーザー数によるといえるのではないでしょうか。
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