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栂野延利 栂野延利(とがの のぶとし)
株式会社エクスグルーブ代表取締役社長、CEO。
インターネット・通信キャリア業界にて一貫して事業企画に携わり、
国内及び外資系企業の立ち上げ実績を残し、2005年6月にエクスグルーブを設立。


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最新コラム

有料型携帯コンテンツビジネス・トレンド(着うた・ゲーム市場)

著者: 栂野延利 プリンター用 記事を転送
2007年3月9日 13:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

前回までユーザーインターフェイスおよびパケット定額制の進歩に基づく、携帯インターネットマーケットにおける端末の将来像に関して言及してきましたが、今回より視点を現状に戻して、今日の携帯インターネットマーケットにおけるサービスと、それを取り巻く市場環境に関してお話していこうと思います。まず今回は、急速に携帯電話ユーザーに受け入れられた「着うた」と「ゲーム」サービスに関し、2回に渡って取り上げようと思います。

■有料型サービス
NTT ドコモが i-mode によりキャリア課金を可能とした公式サイト・サービスを提供したときから、キラーコンテンツと言われていたものは「着メロ」「待ちうけ」「占い」でした。今日では、上記3コンテンツをも凌駕するものとして「着うた」と「ゲーム」が人気となってきており、有料型コンテンツプロバイダーの重要なビジネスとしてシフトが加速しています。それらの新キラーコンテンツは、端末の通信速度向上とパケット定額制に基づいた大容量ファイルサイズ型のアプリケーションをベースにしているということが特徴となっています。

勿論、かつてのキラーコンテンツは今でもユーザーに利用されていますが、それらは現状の端末機能進化の恩恵を享受しておらず、新しい端末と古い端末間でのコンテンツ表示に大きな違いが無いことで新アプリケーションの持つ目新しさの点で差がついてしまっています。古今東西、ユーザーは絶えず新しい端末を欲しますし、新端末には新しいアプリケーションを求めるため、将来キラーコンテンツが完全に入れ替わる可能性は非常に高いと思われます。

■着うた
最近あるアーティストが人気 TV ドラマのイメージソングを、CD発売前に「着うた」・「待ちうた」で先行発売したところ、200万ダウンロードの大台を突破し4億円以上売り上げたとニュースになりました。

社団法人日本レコード協会が実施した2005年度音楽メディアユーザー実態調査によると、インターネットの有料音楽配信を利用している人の約3割がこの1年くらいの間に新規で利用し始めたということです。「着うた」を利用している人は全体の約2割ほどですが、前年比8.4ポイント増ということで、携帯電話サービスの高速化と大容量ダウンロードが進展する環境下において更なるユーザーを取り込むのではないかと期待されています。

ただ「着うたフル」のように携帯電話の機能向上に基づく一層の大容量ファイル化型サービスとしてサービス自体は進化していますが、現状のサービスポジショニングはあくまでも CD ショップにおける販売の置き換え型提供に留まっていると言えます。

今後は携帯インターネットマーケットの特徴である「即時性」「直接性」を活用したかたちでの「着うた」連動型サービスがもっと活用されるべきで、例えばワンセグ放送視聴中に流れた BGM をその場で購入とか、街中やラジオで聞いた BGM を GPS 連動情報や録音した情報検索に基づき購入とか、雑誌・書籍などにあらかじめBGM料金を内包させ QR コ−ド読み込みによりダウンロード販売などが促進されるべきと考えます。

携帯インターネットと「着うた」の関係は、まさに“携帯”端末という点で PC による音楽ダウンロードとは異なったニーズを汲み取って進化していくのではないでしょうか。

■ゲーム
携帯電話による有料ゲームサービス市場は、「2006CESA ゲーム白書(コンピュータエンタテインメント協会)」によると2005年で1,012億円であり、その参加人口は544万人と発表されています。

携帯電話の高度化により、待ち合わせ場所や、通勤・通学中に電車内などで携帯電話ゲームをプレイする光景を目にすることは珍しいことではなくなりました。ただ有料型携帯電話ゲームには、ライバルとして DS や PSP などの携帯型ゲーム機があり、それらが無線 LAN をベースとした通信機能を有したことで、正直ゲーム機単体としての魅力では携帯電話機に軍配があがることは無いと思います。

ただ携帯ゲーム端末に関しては、明確にゲームをするという目的を持って携行されることに対し、携帯電話機はマルチなハンディツールとして常時携行されるデバイスであるため、携帯電話ゲームをプレイするトリガーは「偶然空いた時間の暇つぶし」にある可能性があります。勿論有料コンテンツプロバイダーは、携帯電話でゲームをするというトリガーが引かれた後にはユーザーに楽しんでもらえるコンテンツの工夫をしており、ロールプレイングゲームなどでは携帯ゲーム端末では提供しない携帯電話ゲームでしかプレイすることができないサイドストーリーなどを提供することで差別化を図っています。

むしろ有料携帯電話ゲームのライバルは、携帯ゲーム端末ではなく無料携帯電話ゲームになるのでしょう。顧客への直接課金に基づく携帯電話ゲームのビジネスモデルが、無料・広告型サービスの台頭で大きく変化していく可能性を持っており、エンドユーザーにとってどちらがサービスクオリティの面でメリットを得ることができるかは安易に断定できない程の状況にあります。

今回は携帯電話端末の高機能化による新キラーコンテンツとしての有料型「着うた」「ゲーム」市場に関してお話しましたが、次回はそれに対抗して最近勢いが増している無料型「着うた」「着メロ」サービス市場に関してお話したいと思います。


過去コラム集
携帯インターネット利用とパケット定額制の進化
iPhone に見る携帯電話端末のユーザーインターフェイスの将来
ケータイはインターネット接続のメイン端末?
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