IE 7.0 はセキュアな RSS に対応できるのか?今年終わりに発売予定の Microsoft Internet Explorer 7.0
が、RSS(Really Simple Syndication)として知られるニュースフィードのストリーミングに対応するとしたら、RSS の人気は急上昇するかもしれない。しかし、
IE がいわゆる“セキュアな
RSS”に対応しない場合、この新技術の開発意欲は弱まるだろう。現在のところ、その公算が大きい。
なぜそれほど重要なのかと疑問に思うかもしれない。それは、セキュアな RSS が、企業の秘密情報および有料会員向けのコンテンツの配信、そして採算を取れるニュースの更新などを行うフィードの鍵だからだ。 この新技術が進化するスピードは、 IE 7 が初めからセキュアな RSS に対応するかしないかで、影響を受けそうだ。 セキュアな RSS のビジネス事例 “セキュアな RSS”と言う場合、「認証」「許可」「暗号化」の3つを意味する。 ・認証というのは、 RSS フィードの購読者がユーザー名とパスワード(またはスマートカードなど身分証明になるもの)を入力しない限り、コンテンツを読むことができないというものだ。この手順のおかげで、ある情報の閲覧を特定の社員だけに限定したり、有料会員にだけプレミアムコンテンツを配信したりといったことが可能になる。 ・許可は、認証とは別の手順を踏む。中央サーバーは認証手順の後、ログオンした人が本当に RSS フィードを読む権限があるかどうかを確かめる。例えば、以前許可されていた社員でも首になってるかもしれないし、1年前に会員になった人であれば、更新の必要があるかもしれない。 ・暗号化は、インターネット上を駆け巡る間に、無許可の誰かが RSS コンテンツを“盗み読み”するのを防ぐ。あるユーザーが認証そして許可を受けたことがわかったら、汎用されている HTTPS プロトコルを使って RSS フィードを暗号化するのは比較的簡単だ。 NewsGator など人気の高い RSS リーダーは、数か月前、数年前から RSS 認証に対応している。 NewsGator の CEO Greg Reinacker 氏は、自身の Blog で、上記のポイントについて詳しい記述をしており、また競合他社が製品に RSS 認証を組み込むためのヒントまで載せている。 主要オンライン RSS リーダーの Bloglines は、同社のスポークスマン Paul Loeffler 氏によると、現在認証には対応しているが、暗号化にはまだ対応できていないとのこと。同氏は暗号化について、検討はしているものの、利用開始日については明言しなかった。 今の段階では、RSS はまだ比較的ゆっくりしたペースでしか浸透していない。Web ユーザビリティの専門家 Jakob Nielsen 氏が発行した2006年6月のレポートによると、コンピュータユーザーの約82%は、 RSS の言葉の意味さえ知らない、とのことだ。 しかし、 IE 7 や Microsoft Outlook 2007 など広く流通しているアプリケーションが RSS に対応し、フルサポートを提供するようになれば、RSS は急速に採用されるようになるだろう。 IE は RSS に対応するのか? Microsoft の開発者 Sean Lyndersay 氏に、私が耳にしたうわさについて尋ねてみた。そのうわさとは、すでにβ版の Internet Explorer 7.0 が RSS 認証に対応していると言う人もいれば、していないと言う人もいるというものだ。 Lyndersay 氏はメールで次のように回答してくれた。「IE 7 では、まだ認証フィードのサポートはしていない。認証フィードについては、ユーザーは会員登録したにもかかわらず、なぜ更新されないのかわからない、ということにもなりかねないため、β第2版では除外した。(βソフトウェアでは)状況によっては、認証が必要なフィードであることを検出できないこともあり、正常に機能しているかのようにみえる恐れがある」 Lyndersay 氏はさらに、「IE 7 が認証フィードのサポートを除外したのは、単にこのバージョンでは他の機能を優先させたことに他ならない。次回の発売時には、サポート機能を最優先課題にあげる、と言って間違いないだろう」と付け加えた。 この発言から、 IE 7.0 がセキュアな RSS をサポートしないことはほぼ確実だ。しかし、この機能は完成間近で、 IE7 の一般公開時には備わっているかもしれないと思っている人もいる。 セキュアな RSS を使って儲ける 企業がすぐに RSS 認証を採用しようというときにモデルとなるのが、SpanningSalesforce.com である。 NewsGator の元 VP Charlie Wood 氏が昨年立ち上げたこの事業は、 Salesforce.com サービスの購読者に対して、つぎつぎに RSS フィードをストリーミング配信し、ビジネス情報を届けている。 Salesforce では、このデータの変換に、月々12.95ドルまたは年間129.95ドルがかかる。 Wood 氏によると、“数十人”の有料会員がいるとのこと。今日の開拓時代においては、おそらくこのサービスは世界最大の有料認証 RSS フィードに違いない(注記: Wall Street Journal Online は2004年 70万人の会員を突破し、世界最大の有料ニュースサイトと考えられている。しかし、同サービスの RSS フィードは無料で、WSJ の記事の要約が配信されるだけだ)。 Spanning Salesforce には以下のふたつの特徴がある。これらの特徴は、将来 RSS リーダーがこの技術をサポートするようになれば、認証 RSS フィードにも加わるだろう。 ・秘密情報が配信され、会員の認証およびデータの暗号化が必須 ・有料サービスで、会費を納めた会員にのみ RSS フィードを配信 Wood 氏は最近、 Internet Explorer 7.0 のβ第3版が、同サービスの RSS フィードを認識できることに気づいた。しかし、これは一時的な現象だと彼は言う。 Wood 氏は「IE 7 のβ第3版が認証 RSS フィードにアクセス可能というのはバグで、本来そうあるべきではない。問題は、 IE は認証リソースをうまく扱う方法に精通しているが、 Windows の RSS プラットフォームはそうではないことだ。したがって、現在のβ版では、ユーザーは(ブラウザ上で)フィードにアクセスし、購読することができるが、データの更新は、 Windows の RSS プラットフォームが請け負っており、ここでは認証の扱い方がわからないため、フィードの更新ができない」と説明する。 Windows Vista の発売までに、 RSS プラットフォームはこの問題を解決できるのだろうか? そして IE 7 がセキュアな RSS をサポートするようになり、大企業も小企業も認証のメリットを手にすることができるようになるのだろうか? 私にもよくわからない。Microsoft 製品のβ版のどの機能が、実際発売される商品にも備わるのかを予測するのは、随分前にやめてしまった。 Outlook 2007 がさらに重要になる可能性 セキュアな RSS の採用に関して、大きな要因がひとつある。発売予定のメールプログラム、コードネームで Outlook 12 と呼ばれている Outlook 2007 のユーザーの方が、 IE 7 のユーザーよりも認証 RSS に興味を示すかもしれないということだ。 毎日使用するメールプログラムで RSS を読むことのほうが、移り変わりの激しいブラウザのウインドウでフィードを追跡しようとするよりも、はるかに理にかなっている。 IE 7 のユーザーよりも Outlook 2007 のユーザーが、 Microsoft が RSS 認証機能を追加するかどうかが大きな影響を及ぼすことになりそうだ。 Windows Vista に関する他の多くの事項同様、Microsoft が実際どの RSS 機能をサポートしてどの機能をサポートしないのかを知るには、数か月待たなければならない。しかし、 Outlook 2007 と IE 7 の両方が Vista で RSS 認証をサポートするとしたら、セキュアな RSS のビジネス展望は確実に開けてくるはずだ。 |