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信太 明 信太 明(しだ あきら)
アウンコンサルティング代表取締役。
検索エンジンマーケティングの先駆者として、検索連動型広告(オーバーチュア/アドワーズなど)やSEOの有効性を広く啓蒙するため尽力中。セミナーなども定期的に開催している。


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 ホーム  http://www.sem-ch.jp/

最新コラム

『テレビ CM 崩壊』時代に考えるプロモーション最適化

著者: アウンコンサルティング株式会社 執筆:片山麻依子/監修:信太明 プリンター用 記事を転送
2006年10月19日 12:20 付の記事
□国内internet.com発の記事

2006年3月22日号ニューズウィーク日本版の表紙に「ネットはテレビを殺すのか」というセンセーショナルな見出しが躍った。その後、『テレビ CM 崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0』(翔泳社刊)や『テレビはなぜ、つまらなくなったのか―スターで綴るメディア興亡史』(日経 BP 社刊)、『ネットがテレビを飲み込む日―Sinking of TV』(洋泉社刊)など、テレビに関するネガティブなテーマの書籍が相次いで出版されている。

実際のリサーチデータを見ても、2006年8月に発表された日経リサーチによる調査をはじめ、野村総合研究所やインフォプラントなどによるメディア利用時間調査によって、テレビの接触時間が減少する一方、インターネットの利用時間が大幅に増加している現状が明らかとなっている。仮に、こうした調査がネットユーザーを対象にしたものである点を差し引いて考えたとしても、ひとつの傾向として現在のメディアの盛衰を読み解くことはできるだろう。

また、米国の調査データとなるが、2006年8月に発表された米 IDC と RKM Research and Communications の共同調査では、米国の若者はテレビに「不便」や「退屈」といった否定的なイメージをもつのに対し、インターネットは「楽しい」、「必要」など肯定的なイメージをもつ傾向が強いということが明らかとなっている。

これらのことを踏まえると、これまでメディア界の王者として君臨してきたテレビというメディアの地位が揺らぎつつあり、それに対して生活者のインターネットへの依存度の増加が顕在化していることが見て取れる。

しかし、ここで私は言い知れぬ違和感を覚えるのも事実だ。テレビの人気低下はよく言われるように、果たしてインターネットが招いたものなのか。それこそ、テレビはネットによって殺されるのか。そんな対立軸ですべてが語れるものなのだろうか、と。すでにネット上でもさまざまな議論が行われているが、今回はこの点について私なりに意見を述べてみたいと思う。

まず感じるのは、テレビ接触時間の減少とインターネット利用時間の増加は因果関係として決して否定できないが、インターネット人気の高まりがテレビ人気低下の決定的要因になったとは到底考えられない。これは例えるなら、一時期前に語られたような「サッカー熱の高まりによって、野球人気が衰えた」という論に100%賛成できないのに近いような気がする。

テレビ人気低下の最大の原因は、インターネット人気の高まりではなく、テレビ業界自身がもつ構造的な問題ではなかろうか。そして、テレビの影響力は低下しているものの、企業のプロモーション手法として今のテレビ CM を全否定するつもりはないし、ひと昔前ほどの効力は失ったものの、テレビ CM には今でも一定の効果があると思っている。

例えば、アップルの「iPod」という商品は大きな商品ジャンルとして、「音楽プレイヤー(ミュージックプレイヤー)」に属するが、消費者の意識として現実的にはすでに「音楽プレイヤー」という枠を飛び越え、「iPod」というジャンルを確立している(※1)。

この消費者意識を造成したひとつの要素として、テレビ CM を始めとした、街頭広告などのマス広告とインターネット広告、店頭プロモーションなど、さまざまなプロモーションチャネルを組み合わせ、最適な戦略を取ったことが、現在の認知度につながっていると考えられる。

つまりは、企業のプロモーション活動においては、テレビとインターネットという対立軸で考えるのではなく、共存する方法、お互いがお互いを高めあっていく方法を考える方がスマートではないだろうか(※2)。

インターネット広告だけではブランディングの主軸を作ることは難しい。そこはマス広告が得意とする分野である。そしてそのブランディングを確立させるためにはユーザーを能動的に動かす面白みが必要であると同時に、能動的に動いたユーザーにストレスを感じさせず情報を与えることが必要であるといえる。そこは Web サイトであるとか、インターネット広告、SEM といったことを総合的に活用することで補える部分ではないだろうか。

今後はプロモーション手法としてそれぞれの違いや、商材の知名度をどれだけ高めたいのかといったブランディングをきちんと見極めた上で、最適な予算配分を行っていくことが重要と考えられる。

もちろん、そのような視点で見たとき、私はまだまだ企業のインターネット広告への投資が少なく、軽視されていると感じることが多い。その要因のひとつに効力が落ちていながらいまだに高値安定を続けているテレビ CM 枠があるのではないか、という点は問題点として指摘しておきたい。

※1 オーバーチュアが提供する「キーワードアドバイスツール」による2006年9月の月間検索数を見ても、「iPod」という商品の知名度は明確に表れている

「iPod」           81万6,732回
「ミュージック プレイヤー」   2,598回
「音楽 プレイヤー」       1,637回

※2 その動きの一環として最近多いのが、当コラム「チャネルミックスで相乗効果を狙う」や「検索窓が生み出した広告とその窓を開く鍵」などでも語っている、マス広告から Web 検索への誘導手法ではないだろうか

(執筆:R&D グループ 片山麻依子)




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