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2007年3月8日 09:00
「消費者は変化している」の大きな見落とし最近、マーケティング関連の本を読むと、お決まりのように「消費者はインターネットの登場によって変化し、押し付けられた一方的な情報ではなく、自発的に欲しい情報を…」といった文章を目にするようになった。
勉強熱心な企業のマーケターにとってはすでに聞き飽きた話だろう。しかし、最近多くのマーケターの話を聞くと、こうした概念はすでに知られてはいるが、意外にもまだ本当の意味での理解は得られていないのではないかという思いを強く感じる。 「私はあなたを知っている」というのと、「私はあなたを理解している」という言葉は一見すると同じ意味のようだが、ニュアンスがまったく異なることがおわかりいただけるだろう。おそらく、現在のマーケティング環境においては、より多くのマーケターがこの「消費者を知っているレベル」から「消費者を理解するレベル」に引き上げる必要がある。 そのためには、まずひとつの大きな見落としを発見することだろう。それは、さきほどの「消費者はインターネットの登場によって変化し…」という論点を企業のマーケターとしての視点で受け止めるのではなく、消費者であるあなた自身の視点として受け止めることだ。そうすることで、起きつつある事象を他人事として受け取るよりも、自分の経験としてより強く実感できる。 企業の企画会議などでは、「消費者側の観点に立てば…」という発言が頻繁に聞かれるそうだが、その時点でその発言は企業サイドのものになっている。その人がどんな企業に勤めていようとも、どんなポジションで働いていようとも、ひとりの企業人であると同時にひとりの消費者でもあるはずだ。であれば、そうした時には、「企業人としてではなく、消費者である私の観点からすれば…」という方が正しい意見が言えるのではないだろうか。 つまり、消費者の変化を理解するためには、次のような質問を消費者としてのあなた自身に問いかけてみる必要がある。 「私はインターネットの登場によって、心理や行動がどう変化したか?」 「購買行動に変化はあるか?」 「ニーズに変化は起きたか?」 「企業がどんなことをしてくれたら、商品・サービスを買う気になるか?」 「自分が過去に○○という商品を買った理由は何か?」 もちろん、運転免許を持たない人が車を買う人の気持ちを理解することは難しいし、男性が女性の本当の心のなかを理解することは難しいだろう。 しかし、多くのケースで、自分に当てはめて消費者の心理を読み解けば、企業のマーケター視点で消費者を見つめる以上に、より多くのものが見えてくるはずだ。それはもちろん、Web マーケティングにおいても活用できるだろう。 「具体的な値段を入れず、安いとうたった広告文に(消費者である)私は魅力を感じるだろうか?」 「『通販 キャンペーン』と検索したのに、キャンペーンを実施していない通販サイトの広告文が露出したら、(消費者である)私はどう感じるだろうか?」 「Web サービスの会員登録フォームにメールアドレスだけでなく、住所や電話番号を入力しなければならないとしたら、(消費者である)私は会員登録をするだろうか?」 ビジネスを展開するには、消費者を知っているだけでは不十分な時代になった。もはや消費者は企業に理解されることを求めている。少なくとも、ひとりの消費者である筆者自身はそう感じているのだが、消費者であるあなたはどう感じるだろうか。 (執筆:R&D グループ 市川伸一) ![]()
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