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2007年4月5日 12:10
IM にみるビジネスコミュニケーション
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BizIM(企業向けインスタントメッセンジャー)製品をメインとした各種メッセンジャーの開発・販売をおこなう。本コラムでは、企業内コミュニケーションにおける IM の役割・活用術などを様々な角度から展開する。

「C」から「B」へ。「IM」は「BizIM」へ。

ビジネスコミュニケーションは、過去10年以上にわたって、コンピュータやツールの進化とともに発展を遂げてきた。そのうち、ブロードバンドの普及とともに広がりを見せているインスタントメッセンジャー(IM)は、もともとはコンシューマ用のツールとして誕生したという経緯を持つ。ここでは IM がビジネスの世界にまで広がっていった歴史を振り返ってみよう。

■IM のルーツは「パソコン通信」時代に。若者の「出会い系」でも活躍
インスタントメッセンジャー(IM)のルーツを遡ると、かつてのパソコン通信にその原形が見られる。たとえば1987年に誕生した NIFTY-SERVE では、テーマで区切った「フォーラム」内で「リアルタイム会議(RT)」や「CB シミュレータ」というチャットサービスが利用できた。

掲示板とは違い、リアルタイムにメンバー間でやりとりできる点が受け入れられ、NTT が定額接続サービス「テレホーダイ」を開始する1995年までは、チャットのやりすぎで相当な額の電話代を請求された人も少なくなかった。ただし、現在の IM がサポートしているファイル交換やプレゼンス(在席)機能はなく、あくまでテキストでのやりとりのみであった。

IM の元祖的存在は1996年にイスラエルのミラビリス社がリリースした ICQ(I Seek You の語呂合わせ)である。ICQ は無償ということもあって、2000年6月にはダウンロード数が世界で1億回を超えた。ただし、正式な日本語化が行われなかったため、国内では普及するまでには至らなかった。

その後、MSN メッセンジャー(現 Windows Live メッセンジャー)、Yahoo!メッセンジャー、AOL インスタント・メッセンジャーなどが、インターネットのポータル戦略と歩調を合わせて登場した。とくに AOL インスタント・メッセンジャーは、トム・ハンクスとメグ・ライアンの主演映画「ユー・ガット・メール」(1998年公開)の中で出会いのツールとして使用されたため、その影響で AOL への入会数が米国で急増し、出会いを求めた多くのビジネスマンが勤務中にメッセンジャーを利用して社会問題化したというエピソードがある。

■企業内の「ほう・れん・そう」で徐々に広まる
このように IM はチャットをルーツにパーソナルなコミュニケーションツールとして生まれ、その利便性から、ビジネスツールとしての利用が自然発生的に始まった。ただし、国内での当初の利用形態は次のような社員間の連絡目的が主で、IM の導入も社員によるインフォーマルな色合いが濃かった。

・営業用連絡ツール
メールの代わりに IM を利用して、在庫状況や入荷を営業担当者に連絡したり、顧客や取引先からの電話の内容を伝言的に残しておく

・社員同士のコミュニケーション
とくに女性社員同士が「お昼はどうする?」的な雑談のツールとして利用する

一方、先見性のある米国企業の中には、IM を「意思決定ツール」として積極的に導入し、経営効率を向上させようという企業が登場した。たとえばオラクル社は、日本オラクルも含めてグローバルで IM を導入し、情報伝達の迅速化を世界的に図っている会社のひとつである。ほかに韓国のサムスン社も積極的である。私が韓国の知人と話していた2002年の時点で IM をベースとした仕組みを自社で作り上げ、グローバルで情報共有を行っていた。当時のサムスンのスピード成長の躍進は IM なしにはありえなかったといえるだろう。

IM のビジネス利用を加速させたひとつの要因は、2002年から2003年にかけて中国と東南アジア地域で広まった SARS(重症急性呼吸器症候群)にあるという話もある。渡航が制限されるなかで、生産拠点をこれら国々に移していた国内企業の多くが、多人数がリアルタイムで参加できるといった IM の有効性に気がつき、意思決定と情報共有の手段として導入を進めたといわれている。 このように、IM は「C」(コンシューマ市場)から「B」(企業・法人市場)へと拡がり、それまで広く利用されてきたフリー版の IM に代わって、企業ニーズを満たした「企業向けIM」(BizIM)が注目されるようになっていった。

■セキュリティ上の盲点をどう克服する?国内でも増加する BizIM へのニーズ
迅速な意思決定やワークフローの効率化といった経営的な観点のほかに、モバイルや在宅勤務といった勤務形態の多様化、VoIP の普及(SIP への対応)、内部統制に基づくセキュア環境の構築といった要因を背景に、国内においても BizIM に対するニーズが高まりを見せている。

たとえば IDC 調べによると、管理製品を含む BizIM の世界市場は、2009年には7億2600万ドルに拡大する見通しであるという。日本国内においては、2010年に同市場は500億円を超え、企業内での IM 利用者は530万人に達すると予想される(Qript 調べ)。

ところで、企業の意思決定プロセスやワークフローに利用される BizIM には、プラットフォームとして、企業が持つセキュアなネットワークとの親和性、VPN やモバイルとの連携、セキュリティ対策としてのログ保存、管理容易性、信頼性といった特徴を備えていなければならない。しかし、一般に使用されている IM はあくまでコンシューマ用途を想定したものであって、セキュリティや信頼性の面で BizIM としては不十分である。2005年の個人情報保護法の全面施行以降、プライバシーマークや ISMS を取得した企業の多くが、こういったコンシューマ用 IM の利用を禁止する方向にあることからも明らかである。

今後は、セキュリティなどが確保された BizIM と、コミュニティ機能やゲーム連動機能を持つ一般コンシューマ向け IM とが、明確に分化していくと考えられる。


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