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株式会社 Qript |
BizIM(企業向けインスタントメッセンジャー)製品をメインとした各種メッセンジャーの開発・販売をおこなう。本コラムでは、企業内コミュニケーションにおける IM の役割・活用術などを様々な角度から展開する。
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企業内 IM、導入における落とし穴
著者: 株式会社Qript COO 森本泰久 プリンター用 記事を転送
▼2007年6月14日 10:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
前回まで、インスタントメッセンジャー(IM)の特徴や、ビジネス向け IM(BizIM)の利点を述べてきた。IM をビジネスに適用することで、意思決定の迅速化やコミュニケーションの活性化が図れるとともに、Eメールとは異なり外部への情報漏洩のリスクを抑えることができる。そのようなメリットを持つ IM だが、実際の導入で注意すべきいくつかのポイントについて説明しよう。
Eメールが持つ誤送信のリスクやウイルスなどを受信し蔓延させてしまうリスクを抑えられるとともに、社内での意思決定の迅速化や社員間のコミュニケーションの活性化を図れることが、企業に評価され、BizIM への注目は高まっている。
メリットの多い BizIM だが、導入にあたっては十分な検討が必要だ。もっとも重要な点は、その企業の風土や文化に IM が適合するかどうかである。たとえば予算の制約やトップの理解不足によって IT 導入が遅れている企業は、情報基盤の構築を優先すべきだ。また、いわゆるワンマン経営で情報がトップダウンにもたらされ、しかも意思決定プロセスに一般社員が関与しにくい企業の場合は、IM の効果が半減してしまう可能性が高い。
逆にいえば、Eメールなどがきちんと活用され、情報が適切に共有され、部門内や部署間で意思決定が日常的に行われており、あるいは在庫情報などをほぼリアルタイムに把握する必要があるような企業であれば、IM の導入を考える価値は十分にある。経営方針や事業戦略を見据えた上で、導入を進めていくとよいだろう。
もうひとつの課題は勤務形態(就労形態)だ。働き方が多様化している現在、正社員、派遣社員、契約社員、アルバイト、協力企業からの出向者、一時的な出張者、在宅勤務者などが同一部署内や事業所内に混在することは十分考えられる。部門間をまたがったプロジェクトでは、命令系統が一時的に変更されることもあるだろう。したがって、業務の実情にあわせてポリシーやグループ分けなどを柔軟に設定・更新できる IM を選択する必要があり、その工数も考慮しなければならない。
導入後にも注意が必要だ。IM にはユーザーが直感的に操作できるグラフィカルユーザ・インタフェース(GUI)が採用され、誰でも簡単に利用できるように配慮されている。しかし、とくに年配者にみられるが、新しい環境(ツール)に拒否反応を示し、消極的にしか使おうとしない人もいる。また、タッチタイピングが苦手な人は、リアルタイムで議事が進行していくチャットに苦手意識を抱くかもしれない。
リテラシーを含むこういった問題は、情報システム部門や総務部門が講習会を開くなどして、時間をかけてしっかりとサポートする必要があるだろう。組織の多数の構成員が利用する「情報ツール」として導入する以上、場合によってはある程度の強制性も必要になる。そんなときはトップに使ってもらうのもひとつの特効薬だ。
このほか、社内トラフィックの増加によるネットワーク基盤の強化、ログの定期的なバックアップ、内部統制ポリシーとの整合など、通常のソフトウェア導入と同じような負担がシステム管理者にかかるということは十分に留意しておく必要がある。
導入における注意点
●コスト面
導入コストが投資効果に対して妥当であること
短期間に導入を完了できること
運用管理コストが低いこと
投資対効果が高く、確実に投資を回収できること
●機能面
基本機能:メッセージ/チャット/プレゼンス/ファイル転送
拡張機能:音声/動画
セキュリティとログ保存
携帯電話連携
柔軟なグループ設定とポリシー設定
ActiveDirectory/LDAP などの社内ディレクトリシステムとの連携
●運用面
運用ポリシーを策定する
内部統制ルールとの整合性を図る
ISMS(情報セキュリティマネージメントシステム)や、他の情報セキュリティ規定との整合を図る
社員の問い合わせ体制や障害時の対応方法を決める
利用率の向上に向けた施策を進める
●コミュニケーション面
導入初期:使い方のトレーニングや導入目的の共有を行う
情報ガイドラインや倫理ポリシーを徹底する
情報共有を当たり前とする風土を醸成する
メールとの使い分けを促す
社内のプライベート利用に対する方針を策定する
ただ単に機能が便利だからと IM を導入するだけでは業務生産性は向上しない。情報セキュリティや運用面での PDCA(管理・マネジメントサイクル)による業務効率の改善を継続しながら、情報伝達の効率化を図らなければ収益の向上は見込めないのである。
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