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Apple の開発者向け会議「WWDC」を振り返る

海外海外internet.com発の記事
問題:Apple Worldwide Developer Conference(WWDC)で Steve Jobs 氏が Leopard への搭載を発表しなかったのは次のどれか?

A)テレパシー駆動式インターフェイス
B)仮想タイプの OS X
C)子馬

もしかしたら、やや誇張がすぎたかもしれないが、筆者は人々の期待について考え、その答えが「もっと」だということに気付くことが多い。ここではまず筆者が先に、基調講演自体に驚かなかったことを認めよう。確かに、「Stacks」(次世代 OS の Copland を思い出す。あとは Knowledge Navigator があれば完成だ)などのユーザーインターフェイス関連の新しい仕掛けや、ドックでフォルダを開く速度が格段に高速化されたことは気に入ったが、基調講演が進むにつれ、あまり驚きがなく、キツネにつつまれたような感覚を持った。

Finder やデスクトップの変更は革命的とまでいかずも進化はあり良かった。インターフェイスを完全にオーバーホールするのは可能な限り避けたい。Apple の2回(Apple II から Mac への時を入れなければ1回)に対して5回ほどこれを行った Microsoft に聞けば理由は教えてくれる。

現在筆者が把握している苦情はわずか2件で、1つはフォルダアイコンの見かけが醜いというものだ。まあ、Apple の担当者は本当に頑張ったと思うが、ブルーのグラデーションの背景にダークブルーはないだろう。巨大なフォルダはかなりの大画面でも見にくく、筆者は見た目の悪い Kaleidoscope のテーマを思い出した。もう1つはトランスルーセントのメニューバーだ。どの背景でも完全に読めるとは思えず、本来はそうあってはならないはずだ。筆者は10月までにこれが変更されてもあまり驚かないと思う。

デフォルトで表示されるサーバーの台数によっては、新しい Finder のサイドバーにもポテンシャルがあり、そこに表示するサーバーを管理できるなら、Mac OS X 10.4で「Managed Network Views」ができるようになる。iTunes から「CoverFlow」を取り出して Finder に搭載するのは、だれもが即座に便利に感じるものではないかもしれないが、ファイルを見て中に何が入っているのか知りたい人には非常に便利なものになるだろう。

Coverflow と、Apple の新しいコンテンツプレビュー機能である「Quick Look」の組み合わせは筆者個人にとっては便利だ。「どのプレゼンテーションにどのスライドがあっただろう?」などと探しているときなど特にそうだ。スライドを探すだけの目的で「Powerpoint」あるいは「Keynote」をいじらなくて済むのは悪くない。(もう1つやや皮肉なことがある。だれかに指摘されたのだが、Quick Look は少なくとも原則的には OpenDoc の「ユニバーサルビューワ」の概念に非常に近い。そう、本当に捨てなくてはならないものはないのだ)。

まじめな話、これこそ最近の Mac が必要としていたものなのだ。ファイルの中身を見たいだけなら、なぜそうできなくなっているのか? 編集など必要なく、単に見たいだけなのだ。コマンドラインには「more」が用意されているが、実際に Quick Look がやっていることはそれだけだ。つまり、「more」の GUI 版だ。本当に気のきいた表示だが、基本的にはグラフィカルな「more」なのだ。

Mail を見ると、かつて大きくうたわれていた(タスクごとに別のアプリケーションを用意するという)「正しいやり方」 が、徐々に1つのアプリケーションへと集約されつつあることがおかしく思えてならない。タスクやメモが搭載されてきたので、Mail は今や「純粋な」 Mail アプリケーションではなく、グループウェアアプリケーションのようなものになってしまった。iCal やアドレスブックを加えればできあがりだ。繰り返しになるが、まじめな話、これは悪いことではない。電子メール、タスク、メモ、コンタクト、イベントは、現代のコミュニケーションではすべてが関連する。「何てことだ。ここにあるはずのデータが別のアプリケーションを起動しないと使えない」などというセリフを言わせないのは理にかなう。

それ自体のデモは行われていないが、iChat はビジネスで非常に便利ないくつかの新機能を搭載してきた。Quick Look がサポートするすべてのファイルを統合する機能があれば、iChat は Microsoft などの各社が提供するものより、大幅に見劣りはするが、世界の流れが向かっているビデオ会議まであと一歩(表示だけでなくグループでの編集も必要)のところに来ている。一連のチャット機能にシングルサインオンのサポートや、Leopard の iChat Server が提供するログ機能を加えれば、あっという間に本格的なソリューションが手に入る。

しかし実際のところ、Finder とユーザーインターフェイスの変更以外で、WWDC で最も興味深いニュースだと思ったのは Apple によるものではなかった。

まず、Microsoft の Mac ビジネス事業部(Mac BU)が新しいトップを迎えた。Craig Eisler 氏だ。筆者は同氏と一対一で話をしたことはないし、電子メールで会話をする機会もあまりなかったが、筆者の見たところでは、同氏は間違いなく人との会話を恐れないし、少しもそれをためらう様子がない(Mac BU の元 GM、Roz Ho 氏は、昇進して Microsoft のエンターテイメント事業部配属となった)。Mac ユーザーや Microsoft 社内から見てかなり異様なその立場を考えると、Mac BU の GM にとって、この会話に対する意欲は少なくとも最初は重要な要素になる。筆者は、同氏がその姿勢を維持することを願っている。この立場にある人間とのコミュニケーション不足には苛立つことが何度かあり、ライターとしても顧客としても、彼らへの対応が必要以上に難しくなった。

基調講演でよく言及される 「VMware」 「Parallels」 は、両社とも WWDC にタイミングを合わせて発表を用意してきた。VMware からは、「Fusion for Mac」のベータ4が発表された。いろいろと試すのは後回しになるが、うまく動いているようだ。Bootcamp による Vista サポートも問題なく、独自に Coherence 機能も用意しているが、筆者はまだこれをいじっていない。Fusion は Direct X 8.1をサポートするが、筆者がテストしたかったゲームの「Neverwinter Nights 2」は Direct X 9が必須のため、現在はそのテストに使えるものがない状況だ。

Parallels は Vista の Bootcamp と Direct X をサポートする新製品の「Parallels 3」を発表した。同社はまた、Apple の Bootcamp 1.3ドライバで発生する非常に不快なフリーズを解消すべく、かなり素早いアップデートも行っている。このアップデートは「4128」ビルドで、Parallels のユーザーにはこれを推奨する。ただ悲しいかな、筆者の希望を裏切り、Parallels もまだ Direct X 9をサポートしていないので、こちらでも Neverwinter Nights 2はプレイできない。

WWDC の開催期間中、Parallels は「Parallels Server for Mac OS X」という製品も発表してきた。これは、Xserves 上の Mac OS X Server で動かせるようになっており、Apple のサーバーハードウェアや OS 上で Windows Server や各種 UNIX サーバーの複数のインスタンスを実行できるようになっている。Mac OS X や Mac OS X Server の複数のインスタンスは動かせないが、Xserve を使って Windows Server のインスタンスなどをホスティングできる。筆者が目にしたバージョンはまだアルファ版だったが、Parallels ではまもなくベータテストを開始するので、それが実際にどの程度うまく動作するのかというデータはまもなく集まるだろう。

しかし、筆者にとって最大の発表は、Aqua Connect という新会社だった。彼らは、Mac OS X 登場時からずっと筆者が Mac OS X 対応を文字通り望んでいた製品の最初のバージョンを用意した。

それがターミナルサーバーだ。 これは大きく成長する可能性を秘めている。現行バージョンは VNC ベースで、そのため少しという言葉では片付けられないほどのオーバーヘッドがあるが、Aqua Connect の最高経営責任者、Renee Mehrian 氏から聞いた話では、同社では RDP(Windows Terminal Server や Citrix などが使うプロトコル)ベース版の開発を進めているという。VNC と比較するとこちらの方が VNC よりはるかにオーバーヘッドが軽く、クライアントサポートも優れているという。もし彼らが、特に2D や3D ビデオをきちんサポートしながらこれを投入できれば、アプリケーションは1つでよいという人に Mac とソフトウェアがかなり売れるだろう。

Keynote ではなく PowerPoint を使いたいなら、1人1台 Mac を購入するのではなく、Xserve を1〜2台、Aqua Connect ライセンスを1つ、そして大量の iWork ライセンスを購入したい。そして、自分のプラットフォーム用の RDP クライアント(これらは至る所にある)を使ってサーバーにログインし、Keynoting とやりとりする。

今は RDP バージョンが発売も発表もされていないが、Renee の話では Aqua Connect は同製品の普及にそれが必要なことを十分認識しているという。したがって、将来においては負荷バランシングやセッションバランシングなどが用意されることになる。Citrix や Terminal Server のある環境を経験したことのない方にとっては、これは非常に素晴らしいデスクトップ管理手法であり、これまで運用できなかったアプリケーションも利用できるようになる。筆者は、このようにして Macbook Pro で Active Directory ネットワークを運用できている。単純にあまりに便利で待ちきれないし、正直なところ Aqua Connect には本当に成功して欲しいと思っているので、筆者はさしあたってこの VNC ベース製品の入手を検討する。

このように、筆者が公言できない内容がたくさんあるのはいつものことだが、今回の WWDC も興味深いものだった。今回は、最大のニュースが Apple から出てこないという、数少ない例だった。これは必ずしも悪いことではないが、ショー好きの方の無念はお察しする。

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