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「愚か者よ、大事なのはデータだ」

著者: Steve Andriole プリンター用 記事を転送
2007年12月10日 13:30 付の記事
■海外internet.com発の記事

筆者はこの業界に30年もいるが、実用的なデータなど、非常にシンプルなものを求められたときの理解の仕方がまだよく分からないでいる。筆者に何か欠けている部分があるのか、それともそれがクライアントにあるのかは分からないが、これだけ業界に長くいてもとにかく理解できないのだ。

しかし、分からないのは筆者だけではない。管理者が必要とするデータの入手を難しくしているエンタープライズソフトウェアベンダーはどのくらいあるだろうか。そう、どの企業もそうなのだ。

筆者の言いたいことがお分かりになるだろうか。筆者は、普段の食事中に交わされる何気ない会話を相互運用可能な技術、つまり適切なデータを適切なタイミングかつ適切なコストで意思決定者に提供する技術に転換できていないことを言いたいのだ。なぜこれがそれほど難しいのだろうか。 

筆者は30年前、データは神様だと教えられた。この単純な文章の重要性と情報が、適切なタイミングで適切に提供されることの重要性を完全に理解するのに筆者は30年かかった。今日、われわれはこれらすべてをまとめてビジネスインテリジェンス(BI)として考え、これはそれ自体が巨大な業界に成長した。しかし、それだけではない。

それこそが顧客、成長、利益、サプライチェーン、在庫、価格設定などの各種質問に瞬時に答える能力だ。われわれには今それができているのだろうか。BI ベンダー各社に対して企業各社が支払う膨大な金額を考えると、われわれにはそれができないことがうかがえる。今日の BI は技術であって、ビジネスソリューションではない。

つい先日も同じことがあった。ある会社の技術戦略開発協議において、その会社が戦略に期待するのはデータだけであることが明確になった。しかし、彼らは果たしてそれほどインフラ、信頼性の非常に高いメッセージングプラットフォーム、遅延ゼロに近いネットワーク、Vista へのアップグレードに気を使っていただろうか。  

とんでもない。彼らは、利益を出す方法、コストを削減する方法、サービスを向上させる方法という、わずか3つの判断を下すときに必要なデータを入手することしか考えていなかった。「戦略」によってこれらのうち1つでも可能になれば、それでかなり満足できる。彼らの観点では、あとは目に入らないのだ。

多くの点で、これが2003年に Nick Carr 氏が始めた「IT は関係ない」議論の最終結論になる。筆者は何年も前から Carr 氏は半分正しいと言ってきた。運営技術は明らかにコモディティ化したが、戦略技術の方は、正しく手に入れ、導入し、サポートすれば、今でも大きな差別化要因になれるのだ。企業はインフラのエレガンス、セキュリティ、信頼性、もしくはスケーラビリティを議論したがらない。彼らは、コスト削減、金儲け、そしてサービス向上を実現する技術に夢中なのだ。

言い換えれば、彼らは自分たち自身の業績と、自分たち自身およびチームに対する優秀な評価を確保することで頭がいっぱいなのだ。技術が果たす役割は、これを実現することであり、それには(繰り返しになるが)データに重点を置く必要がある。

筆者もかつて、情報はデータの拡張であり、知識は知識管理者が解釈した情報の集合の最終的結果だなどと、「データ」 「情報」、そして「知識」を気の利いた形で分類していた。この分類は確かに気が利いているし、正確でもあるが、筆者もしくはだれかが同じことをどのように定義しようとも気にする人はほとんどいない。

実際、筆者は自分が多少愚かだと感じている(「愚か者よ、大事なのはデータだ」の「愚か者」とは筆者のことだ)。「データは神様」および「フレンドリーなデータ」は何年も前から話を聞いていて耳にたこができるくらいだが、Sade ("Your Love is King")や James Taylor("You’ve Got a Friend")など、「昨日」のことのように思い出せる曲とは異なり、 筆者はこれらの言葉の本当の意味を理解できていないようだ。

データ療法士との一問一答

ではここで、この難問解決のために筆者が受ける治療セッションを以下のようにシミュレートしてみたい。

愚か者(筆者): 「『フレンドリーなデータが欲しい』と言ってくる CEO の本音は何なのでしょうか」

データ療法士:「本当は何が言いたいのだと思いますか。『フレンドリーな』というのはどういう意味なのでしょうか」

愚か者:「先生に分からないのですか」

データ療法士:「分かる訳ありません。私には手助けしかできません」

愚か者:「『ライフライン』は使えますか」

データ療法士:「大金がかかっているのですから当然です」

愚か者:「分かりました。トップ幹部に電話させてください。『もしもし幹部さんですか。わたしに何をしろというのですか。“フレンドリーなデータ”とは一体何ですか』」

トップ幹部:「何て愚かなやつだ。これほど簡単なことも分からないのか。フレンドリーなデータとは、判断に役立つデータだ。フレンドリーなデータはいつでも必要なときに手元にあり、Blackberry、iPhone、あるいは PC など、好きな方法でアクセスできるデータだ。フレンドリーなデータは診断が可能で、現状の理解に役立ち、さまざまな仮定を立てられるようにしてくれる。

フレンドリーなデータは過去も未来も網羅している。フレンドリーなデータは当局との問題を回避してくれる。フレンドリーなデータはアップセルやクロスセルにも役立つ。フレンドリーなデータは自分の製品、サービス、そして特に顧客を知る手段を提供してくれる。フレンドリーなデータはダイナミックかつリアルタイムだ。フレンドリーなデータは決して眠らない。まだほかにも知りたいことがあるか」

愚か者:「それはビジネスインテリジェンスというもので、何年も前からあります」

トップ幹部:「呼び方などどうでもよい。どうとでも呼べ。そんなことわたしにはまったく関係ない」

療法士:「お話し中すみませんがそろそろ時間です」

愚か者:「では来週も同じ時間で?」

療法士:「それで結構です」

愚か者:「先生じゃない。わたしはトップ幹部と話をしているのだ。自分も幹部に昇進する必要がある。彼らと同じような苦しみを味わい、それからそれを克服する必要がある。だんだん分かってきたかもしれない。実際は自分とまったく関係ないのかもしれない。関係があるのは彼らと彼らの要求であり、彼らが要求しているのはデータだ」

トップ幹部:「もちろん君には協力するが、君ももう少し全体的に理解を深める必要がある。今ちょうど、オンデマンド BI に関するものが目に付いた。言うことを聞く人間はいつでもいる。君がそうであってほしいところだが、君がデータ/メタデータ/情報/知識/ 摘出/統合のノイローゼを克服できないなら他を当たることになる」

療法士:「わたしが彼を治療します」

愚か者:「自力で直します」

では、データフィルタを使って技術構想を全部スクリーニングしてみよう。ビジネスプロセスと3つの事業目的から始めよう。達人的データ管理の素晴らしさを鼓舞せず密かにデータアーキテクチャとインフラに投資をしてみよう。協力してダッシュボードを開発し、これをモバイルコンピューティングと組み合わせよう。

終盤についてはリアルタイムダイナミックトランザクション処理として定義しよう。自分たちが会社のコックピットに座っていて、会社を離陸させるために利用できるのは目の前のセンサ、計器、スイッチ、ディスプレイだけだと思ってみよう。

愚かさと決別しようではないか。


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