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Webビジネス コラム2008年4月8日 09:00
アイレップの SEM フロンティア
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SEM(検索エンジンマーケティング)専門企業として国内ベストサービスを目指す。SEMコンサルティングで培った業界最先端のノウハウと、国内外からの最新情報の蓄積を基に、一歩先を行く情報をお届けします。

ブランディングにも有効な SEM - SMX West 2008参加レポート(4)

国内国内internet.com発の記事
今回は二日目に行われた Marketing トラックから「Branding and Search」のセッションを取り上げよう。

このセッションでは一貫して、SEM が商品の購買やサービスの申し込み時におけるダイレクトマーケティングツールとしてではなく、マーケティングキャンペーン全体にブランディング効果を与える有望なソリューションとして活用できることを、具体的なデータを用いて明らかにした。また、ブランド構築における検索の役割と有効性について注目して議論がなされた。

モデレーターは米 Sterling Market Intelligence、Founding Principal の Greg Sterling 氏が担当し、米 Newsforce、Chief Marketing Officer の Dana Todd 氏が Q&A モデレーターを務めた。

スピーカーは米 comScore、Search and Media SVP の James Lamberti 氏、米 Yahoo!、Director of Customer Insights Organization の Edwin Wong 氏、米 Discover Financial Services、Search Marketing Strategist の Bob Tripathi 氏、そして米 DoubleClick Performics、Vice President of Emerging Media の Cam Balzer 氏らが参加した。

最初に米 comScore の Lamberti 氏は米 P&G、米 Yahoo!、米 SEMPO、そして米 comScore の四社で行った、消費者の一般消費財の購入に関する調査結果について発表した。この調査は一般消費財の購入において検索がどのようにブランド認知を高め、最終的に購買へ導くかについて分析したものであった。

この調査について、まず2007年4月から6月の間で検索エンジンを利用して Web サイトを訪れた消費者と、その他の方法から Web サイトへ訪れた消費者のユニークビジター数を示した。ここでは食料品関連のカテゴリーを検索する消費者が4,400万人と最も多く、次いでベビーケア関連は1,570万人、そしてフェイスケアやヘアケアといったパーソナルケア関連は980万人という結果になったという。

特にベビーケア関連は全体のサイトビジターのうち、検索エンジンを利用した訪問者が60%と半数以上を上回っており、このカテゴリーの多くの消費者は購買行動を行う前に十分に情報収集を行うことがわかった。

このような消費者が検索を行う際のモチベーションについて調べたところ、検索を日常的に利用する消費者では、製品情報や使用方法等の情報を得るための検索が最も多く、次いで購買意思決定のための情報収集という結果となった。逆に検索を日常的に使用しない消費者の場合は、商品のキャンペーンやクーポンなどのプロモーション情報を求めているという結果になったという。

彼はこの結果から一般消費財購入におけるモチベーションを以下の三段階に分けて説明した。

第一段階として必要に応じて発生する即時的な「Occasion Based」、第二段階として頻繁ではないが時折発生する一時的な「Life Stage」、そして第三段階として永続的な「Life Style」に分別し、現在の消費財業界における SEM の多くが、まだ第一段階にしか注力されていないことを指摘した。

彼はこの段階に属する消費者はまだ購入するブランドの意思は固まっておらず、単純に商品の価格のみで左右されることは無い。そのため、商品に関連する一般的なキーワードに対して SEM を行い、自然にその商品とブランドを紐付けて想起させるように消費者へメッセージを与えていくことが重要だと伝えた。そしてベビーケア関連やパーソナルケア関連の商品は消費者の潜在的ニーズから検索行動へ移行しているため、第三段階にいる消費者に対してブランドを印象付けることにより、長期的なブランド構築ヘと繋がることを訴えた。

続いて米 Yahoo! の Wong 氏は米 Yahoo! と米 MediaVest が行った、特定の事柄に情熱を持つ消費者のオンライン行動に関する調査結果について説明した。

この調査ではスポーツや料理など、特定分野において情熱を傾ける消費者を「Passionistas」と定義した。Passionistas はオンライン上での活動が非常に活発であり、他者へ様々な影響を与えていることに着目した。Passionistas は自らの関心事に関するコンテンツを作成する回数や、他人へ情報を共有をする頻度などの活動が平均的な消費者と比較して高いという。

特に彼らと平均的な消費者を比較すると、関心のある Web サイトへ訪問する回数が3倍という結果になり、また、関心事を検索する回数は184%も高く、好みのブランドを他者に勧める可能性が52%高いということを指摘した。

このように、Passionistas は他者が想起するブランドイメージや検索を含む消費行動に大きな影響を与えており、非常に強力なインフルエンサーとなっている。そのためマーケターは彼らが求めるものをよく理解し、ダイレクトにメッセージを伝えることにより、広範囲において自然発生的にブランド構築を行うことができると示した。また、そこでは消費者へ常にアクティブなブランドであることを認知させるために、検索連動型広告を出稿するなど SEM の施策を継続的に行い、セールスリードを逃すことなくキャッチすることの重要性を訴えた。

最後に米 Double Click Performics の Cam Balzer 氏は、まず自社のサーチマーケティングにおけるミッションについて説明し、コンバージョンに貢献した「アシストキーワード」へ投資することの重要性を Fortune500 企業の広告主の事例を用いて説明した。彼は自社のサーチマーケティングにおけるミッションとして、パフォーマンスを最終的なコンバージョンのみに執着するのではなく、広告運用の過程におけるブランディング効果や検索ユーザーの購買意思決定への促進を重視し、クライアントへ優れた価値を提供することであると話した。

事例として取り上げられた広告主は、サーチマーケティングキャンペーンの KPI として消費者に幅広くブランドを認知させることも含めていた。この KPI を達成するために、米 Double Click 社が提供している入札管理ツールの DART Search を利用して、サイトビジターのクリック遷移を分析した結果、多くのアシストキーワードを発見することができた。

その後、成果の悪いキーワードを削除して、除外キーワードを細かく設定し、成果の良いキーワードとアシストキーワードへ積極的に予算を投資した。これにより月々の売り上げが12万3,000ドル増加するとともに、3万5,000ドルの無駄なクリックから発生するコストが削減され、結果的に合計15万8,000ドルのプラス効果へと繋がった。また、この成果と同時にモチベーションの高い検索ユーザーへのインプレッションも高めることができ、合算して非常に高い広告効果を得ることができた。

一般的に成果はコンバージョンを達成したクリックや純粋な ROI のみに注視して測定されている。そのため彼はミッションとしている意思をクライアントに理解してもらうことは非常に難しいと言う。しかし、サーチマーケティングキャンペーンを全体から俯瞰して一つ一つの箇所を最適化することにより、優れた成果を達成することに繋がるため、最終的にはクライアントからの信頼を獲得することができるということを話した。

このように海外では SEM のブランディングへの有効性について、数年前から様々なカンファレンスで頻繁に取り上げられており、中小規模の広告主であっても検索連動型広告の運用においてブランド認知をビジネスゴールとして設定する広告主は増加してきている。

しかし日本の場合この観点から多額の予算を投下する広告主はまだ少ない。その理由として、特に検索連動型広告は広告効果が数値として明確に表示されるため、他の広告よりも効果測定が容易であるということから近年成長を続けている側面が大きく、主に購買の直前でのダイレクトマーケティングツールとして利用されてきたことが挙げられる。

しかしながら、このセッションによって明らかにされたように、従来までの効果指標にとらわれることなく、それぞれのビジネスモデルや目的に合わせた KPI を策定し、クリック遷移やアクセス解析の結果などのデータを十分に分析してキャンペーンを最適化していくことにより、これまで以上の広告効果が得られることになる。

ここで説明された調査結果や洞察は、今まで SEM がブランディングの効果に寄与するということについて懐疑的であった広告主にとって、ブランド構築における重要性を明確に裏付ける。まだ競争が少ない今だからこそ、他社に先駆けてブランド認知のために投資をすることにより、強いアドバンテージを得ることができるのではないだろうか。

(執筆:株式会社アイレップ ビジネス推進チーム 岡本博之)

記事提供:アイレップ
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