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ネットの危機?自由が奪われる「青少年インターネット規制法案」
著者: livedoor コンピューター プリンター用 記事を転送
▼2008年5月14日 10:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
成立すると日本のインターネットが死滅するのでは?と懸念されている自民党の法案があります。青少年保護を名目としてネットでの発言や閲覧を規制しようとする“青少年インターネット規制法案”です。
今回は、この天下の悪法“青少年インターネット規制法案”について探っていきます。
■なぜ反対? 青少年インターネット規制法案の中身
“青少年インターネット規制法案”は、高市早苗議員が委員長を務める党青少年特別委員会で立法化に向けた準備が進められています。
高市議員は「青少年にとって明らかに有害な出会い系、自殺、爆弾の作り方などのサイトが、誰でも簡単にアクセスできてしまう状況にあります。」と言っています。たしかにインターネットには様々な情報がありますが、すべての情報が一般の人が目の届くとことにあるとは限りません。
例えば、大きな社会問題となった硫化水素ガスによる自殺が拡大した背景には、テレビなどのマスコミ報道がインターネット上での情報の存在を広く告知したためとも言われています。
青少年インターネット規制法案と同様の内容と言われる「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案骨子(案)」をみてみましょう。
1.人の性交等の行為又は人の性器等の卑わいな描写その他の性欲を興奮させ又は刺激する内容の情報であって、青少年に対し性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼすもの
2.殺人、傷害、暴行、処刑等の場面の陰惨な描写その他の残虐な行為に関する内容の情報であって、青少年に対し著しく残虐性を助長するもの
3.犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為、自殺又は売春の実行の唆し、犯罪の実行の請負、犯罪等の手段の具体的な描写その他の犯罪等に関する内容の情報であって、青少年に対し著しく犯罪等を誘発するもの
4.麻薬等の薬物の濫用、自傷行為その他の自らの心身の健康を害する行為に関する内容の情報であって、青少年に対し著しくこれらの行為を誘発するもの
5.特定の青少年に対するいじめに当たる情報であって、当該青少年に著しい心理的外傷を与えるおそれがあるもの
6.家出をし、又はしようとする青少年に向けられた情報であって、青少年の非行又は児童買春等の犯罪を著しく誘発するもの
上記の中で「著しく」という言葉が頻繁に利用されていますが、どのようなものが著しいのかは明記されていません。この基準の“曖昧さ”にも多くのインターネット関係者や企業が反対を訴えているのです。
ちなみに違反者には、「6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金」が課せられるとされています。法案への対抗としては野党に期待したいところですが、頼みの野党も民主党の高井美穂氏による案では、自民党案と同様のことが提案されています。
1.著しく性的感情を刺激する情報
2.著しく残虐性を助長する情報
3.著しく自殺又は犯罪を誘発する情報
4.特定の児童に対するいじめに当たる情報であって当該児童に著しい心理的外傷を与えるおそれがあるもの
■業界大手やPTAも大反発
ディー・エヌ・エー、ネットスター、マイクロソフト、ヤフー、楽天の5社は4月22日、青少年保護に向けた自主的な取り組みについての説明会において、“青少年インターネット規制法案”に対して反対意見を表明しました。この中で法案の問題点を3つ挙げています。
1.保護者の子ども教育の決定権を奪うおそれがある
2.憲法で保障されている思想信条の自由や表現の自由に規制をかける
3.法規制による産業競争力の低下
法案に対して、ヤフーの別所直哉・法務部長は、「保護者の意見が全く反映されていない。政府が家の門限を決めるようなもの」と批判、「民間企業が自主的な取り組みの中で、子どもたちが安心してインターネットを利用できる環境づくりをしていく。法規制は最後に来るべき」として立法化に反対しています。
会見に同席した全国高等学校 PTA 連合会の高橋正夫理事・会長は、「18歳以下すべてにフィルタリングをかけることは現実的ではない。高校生と小中学生ではインターネットに対する立場が違いすぎる」、「小・中学校とで規制を分けて欲しい、フィルタの解除の仕組みも必要。情報の悪用は親子の問題でもあるので、国や政府が一方的に決めるべきではない。もう少しちゃんとしたかたちで保護者や教育機関と協議すべきだ」懸念を表明しています。
青少年が安全で安心したインターネット環境を確保するための民間取り組みについては、次の3点が発表されています。
1.保護者および学校関係者とともに、保護者が手軽に子どもに子どものインターネットの安全な利用環境の確保やリテラシー向上に関する教育ができるよう、保護者の視点に立ったわかりやすい教材を制作し、提供する。
2.保護者や学校関係者との協力関係の下、講師を派遣して保護者向けの勉強会を開催する。また、子どもを取巻くインターネット事情や利用方法に関し、定期的な情報提供を行う。
3.これまで保護者による指導の障害となっていた「保護者と子どもの知識の逆転」状況を保護者向けに情報提供等を行うことで改善をはかり、保護者が手軽に子どもを指導できる環境づくりを手伝う。
青少年インターネット規制法案には、規制する有害情報に対する基準のあやふやさと規制手段としてのフィルタリングの問題があります。
特にフィルタリングは、民間のケータイサイトなどでも施策を模索しており、安易なフィルタリングの採用はインターネットの情報利用に大きな弊害をもたらすため、業界でも慎重な取り組みが進められています。
■ユーザーにも大きな弊害?
インターネット社会の自由を守るためには、ユーザー側も意見を出していく必要があります。まずは、この法案について議論を活発にすべきでしょう。
有害性の規定については、どのようにでも解釈できるような表現がなされないように注意を払うべきです。インターネットは世界の人の利益のために存在します。1国家や政府による規制が横行すれば、多くのユーザーの自由や利益が阻害される危険があります。
また、不完全なフィルタリングは、本来閲覧できる情報がみれなくなるといった問題や特定の情報の公開を妨害したり、ユーザーの知る権利を脅かす問題を発生さるおそれがあります。
有害情報から、子どもやユーザーを守ることは大切ですし、現在のままでいいとは誰しもが思ってはいないでしょう。しかし、不完全な対策のまま適用すれば、インターネットという全世界の人の英知を損なうことにもなりかねません。
是非、慎重で懸命な対策を期待したいものです。
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